古文の助動詞は、数が多くて覚えにくいと感じる人が多いところです。でも、コツはたった一つ。「どの活用形につくか(=接続)」でグループに分けて覚えることです。接続が分かれば、文の中で「これは何の助動詞か」を見分ける大きな手がかりになります。
このページは、助動詞27個を接続ごとに5つのグループに整理した一覧表です。まずはこの1枚で全体像をつかみ、細かい識別はあとから各記事で確認していきましょう。
古文 助動詞 完全一覧表(接続グループ別)
① 未然形につく助動詞

| 助動詞 | 接続 | 活用の型 | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| る | 未然形 | 下二段型 | 受身・尊敬・自発・可能 |
| らる | 未然形 | 下二段型 | 受身・尊敬・自発・可能 |
| す | 未然形 | 下二段型 | 使役・尊敬 |
| さす | 未然形 | 下二段型 | 使役・尊敬 |
| しむ | 未然形 | 下二段型 | 使役・尊敬 |
| ず | 未然形 | 特殊型 | 打消 |
| じ | 未然形 | 無変化型 | 打消推量・打消意志 |
| む(ん) | 未然形 | 四段型 | 推量・意志・適当・勧誘・仮定・婉曲 |
| むず(んず) | 未然形 | サ変型 | 推量・意志・適当・勧誘・仮定・婉曲 |
| まし | 未然形 | 特殊型 | 反実仮想・ためらいの意志・希望 |
| まほし | 未然形 | 形容詞型(シク) | 希望 |
② 連用形につく助動詞

| 助動詞 | 接続 | 活用の型 | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| き | 連用形(※特殊) | 特殊型 | 過去 |
| けり | 連用形 | ラ変型 | 過去・詠嘆 |
| つ | 連用形 | 下二段型 | 完了・強意 |
| ぬ | 連用形 | ナ変型 | 完了・強意 |
| たり | 連用形 | ラ変型 | 完了・存続 |
| けむ(けん) | 連用形 | 四段型 | 過去推量・過去の原因推量・過去の婉曲 |
| たし | 連用形 | 形容詞型(ク) | 希望 |
※「き」は連用形につくのが基本ですが、カ変・サ変には特殊な付き方をします(サ変は未然形「せ」に付いて「せし・せしか」、カ変は「こし/きし」の形になります)。終止形「き」はカ変・サ変には付きにくい点に注意。
③ 終止形につく助動詞(ラ変・ラ変型の語には連体形につく)

| 助動詞 | 接続 | 活用の型 | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| べし | 終止形(ラ変型には連体形) | 形容詞型(ク) | 推量・意志・可能・当然・命令・適当 |
| らむ(らん) | 終止形(ラ変型には連体形) | 四段型 | 現在推量・現在の原因推量・婉曲・伝聞 |
| めり | 終止形(ラ変型には連体形) | ラ変型 | 推定・婉曲 |
| らし | 終止形(ラ変型には連体形) | 特殊型 | 推定 |
| なり(伝聞推定) | 終止形(ラ変型には連体形) | ラ変型 | 伝聞・推定 |
| まじ | 終止形(ラ変型には連体形) | 形容詞型(シク) | 打消推量・打消意志・打消当然・不可能・禁止・不適当 |
④ 連体形・体言につく助動詞

| 助動詞 | 接続 | 活用の型 | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| なり(断定) | 連体形・体言 | 形容動詞型(ナリ) | 断定・存在 |
| たり(断定) | 体言 | 形容動詞型(タリ) | 断定 |
| ごとし | 連体形・体言(助詞「が」「の」にも) | 形容詞型(ク) | 比況・例示 |
⑤ サ変の未然形・四段の已然形につく助動詞(番外・1個)
| 助動詞 | 接続 | 活用の型 | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| り | サ変の未然形・四段の已然形 | ラ変型 | 完了・存続 |
※「り」は接続が特殊なため番外扱いで、タイトルの「27個」(①〜④の合計)には含めていません。「27個+番外の『り』」で全体を押さえましょう(完了系の「つ・ぬ・たり・り」とセットで覚えると効率的です)。
覚え方のコツ

1. まずは「接続」で4つ+1つに分ける
助動詞は、上の言葉のどの活用形につくかで仲間分けできます。大きくは「未然形・連用形・終止形・連体形/体言」の4グループ。そして「り」だけは「サ変の未然形・四段の已然形」という特別な接続なので、独立して覚えます。「り」の接続は、頭文字をとって「サ未四已(さみしい)のり」と覚えると忘れません。
2. 同じ形で2か所に出てくる助動詞に注意
「なり」と「たり」は、接続が変わると意味も変わるので要注意です。
- なり…終止形(ラ変型には連体形)につけば「伝聞・推定(〜だそうだ・〜のようだ)」、連体形・体言につけば「断定(〜である)」。
- たり…連用形につけば「完了・存続(〜た・〜ている)」、体言につけば「断定(〜である)」。
つまり、上にある言葉が「言い切りの形(終止形)」か「体言(名詞)」かを見れば、どちらの意味かを見分けられます。
3. 終止形接続は「ラ変だけ連体形」が落とし穴
「べし・らむ・めり・らし・なり(伝聞推定)・まじ」は終止形につくのが原則ですが、ラ変(あり・をり・はべり・いまそかり)やラ変型に活用する語には連体形につきます。たとえば「あり」+「べし」は「あるべし」となります。見た目が連体形でも、終止形接続の助動詞だと判断できるようにしておきましょう。
4. 意味をグループでまとめる
- 受身・尊敬・自発・可能=「る・らる」
- 使役・尊敬=「す・さす・しむ」
- 打消=「ず」、打消推量・打消意志=「じ・まじ」
- 推量・意志など=「む・むず」(適当・勧誘・仮定・婉曲も)
- 過去=「き・けり」、完了=「つ・ぬ・たり・り」
- 過去推量=「けむ」、現在推量=「らむ」、推定=「めり・らし・なり(伝聞推定)」
- 希望=「まほし・たし」、反実仮想=「まし」
- 断定=「なり・たり」、比況・例示=「ごとし」
まとめ
助動詞は「接続→活用の型→意味」の順でおさえるのが近道です。この一覧表で全体の地図を頭に入れたら、あとは少しずつ慣れていけば大丈夫です。
それぞれの助動詞の詳しい活用表・意味の見分け方・紛らわしい語の識別(「なり」の識別、「る・らる」の意味の決め方、「ぬ」と「ね」の見分けなど)は、各助動詞の個別記事でくわしく解説しています。気になる助動詞があれば、そちらもあわせて読んでみてください。


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