連体修飾格・主格・同格・準体格の4用法を100問で見分ける
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📖 識別の理屈を先に押さえたい方へ
このドリルでわかること
はじめに:「の」の正体(4用法)
古文の格助詞「の」は、受験生がもっとも識別に迷う助詞のひとつです。おもな用法は 4種類 あり、それぞれ意味がまったく異なります(このほか「〜のように」と訳す比喩〔連用修飾格〕の用法もあります。例:あしひきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜を)。
| 用法 | 言い換え | 見分けポイント | 例 |
|---|---|---|---|
| ① 連体修飾格 | (AのB) | 直後が体言、修飾関係 | 春の花 |
| ② 主格 | が | 下の用言(述語)の主語になる(連体形で下の体言に続く形や「〜ば」「〜て」の句の中に多い) | 風の吹く夜 |
| ③ 同格 | で(〜であって) | 前後が同じものを指す・後ろの句が連体形で終わり、その下に「の」の前と同じ体言を補える | 白き鳥の、嘴と脚と赤き |
| ④ 準体格 | 〜のもの・〜のこと | 「の」の下に体言を補える(〈体言+の〉の形で、すぐ後に は・も・を・に・なり などが続く) | 唐のはさらなり(=唐の〔なでしこ〕は) |
識別の鉄則
識別の鉄則(置き換えテスト)
- 「が」に置き換えて自然 → 主格(「の」の前の語が、下の用言〔述語〕の主語になる)
- 「で」に置き換えて自然+前後が同一物 → 同格(後ろの句が連体形で終わり、その下に前と同じ体言が省略されている)
- 「の」の下に体言を補える(「〜のもの」「〜のこと」と訳せる) → 準体格(〈体言+の〉の形。すぐ後に は・も・を・に・なり などが続く)
- どれにも当てはまらない(直後が体言の修飾) → 連体修飾格
主格・同格・準体格の3つを先に確認し、残ったものを連体修飾格と判断するのが確実です。
🎯 解き方のコツ(時短テクニック)
🎯 解き方のコツ(試験本番で3秒)
コツ① 「の」の直後の語を見る
- 直後が体言(名詞) → まず 連体修飾格(春の花/都の月)
- 直後が用言(動詞・形容詞など)→ 主格 か 同格 を疑う
- 直後が助詞か断定の「なり」(は・も・を・に・なり など)→ 準体格(下に体言を補う。の=〜のもの・〜のこと。「〜のごとし」「〜のやうなり」の「の」は除く)
コツ② 後ろが連体形のとき、「が」で訳して主語になるか
- 「風の吹く」=「風が吹く」と自然 → 主格
- 「白き鳥の…赤き」=前の「鳥」と後ろが同じ鳥 → 同格(「で」で訳す)
- 見分け:連体形の下に「の」の前と同じ体言を補えるなら同格。連体形が別の体言を修飾している・下に「こと」を補う・文がそこで終わる(連体止め)なら、ふつうは主格(ものを並べ挙げる文では同格と読むこともある)。
コツ③ 「の」の前後が同じものか別のものか
- 同じもの(白き鳥=嘴脚赤き鳥)→ 同格
- 別のもの(風/夜)→ 主格 か 連体修飾格
よくある引っかけ
- 「の」の直後が動詞でも、後ろの体言を別に修飾していれば主格(風の吹く夜)。
- 「の」の前後が同一物なら、直後が連体形でも同格(清げなる僧の、黄なる地の袈裟着たる〔僧〕が来て)。直後が体言でも、後ろが連体形で終わり前と同じ体言を補えるなら同格(白き鳥の嘴と脚と赤き〔鳥〕)。
- 「唐のは」のように「の」の下に体言を補えるなら準体格(連体修飾格と混同しない)。「白きのを着る」のような〈連体形+の〉は今の言い方で、古文では「白きを着る」と連体形がそのまま体言の働きをする(準体法)。
問題(Q1〜Q100)
ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。
【第1部】基礎編(Q1〜Q20)
4用法を純粋に識別する基本問題。各用法5問ずつ。
Q1.次の傍線部「の」を識別せよ。
春の花。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「花」。「春が花」「春で花」とは言えず、「春の花」と修飾関係が成り立つ。直後が名詞ならまず連体修飾格。
Q2.次の傍線部「の」を識別せよ。
山の端。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「端(は)」。「山の端(やまのは)」は山ぎわのこと。前の語が後ろの名詞を修飾する典型。
Q3.次の傍線部「の」を識別せよ。
君の声。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「声」。「君が声」とも言えそうだが、後ろが用言でなく体言なので主格ではなく連体修飾格。「あなたの声」。
Q4.次の傍線部「の」を識別せよ。
都の月。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「月」。「都の月」で修飾関係。が・で・もの のどれにも置き換わらない。
Q5.次の傍線部「の」を識別せよ。
人の心。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「心」。「人の心」で修飾関係。直後が名詞なので連体修飾格。
Q6.次の傍線部「の」を識別せよ。
風の吹く夜。
答え:主格 解説:「風が吹く夜」と「が」に置き換えて自然。直後「吹く」は連体形で、その先の体言「夜」を修飾する連体節。「風」はその節の主語。
Q7.次の傍線部「の」を識別せよ。
月の出づるころ。
答え:主格 解説:「月が出づるころ」と訳せる。直後「出づる」は連体形、先の体言「ころ」を修飾。「月」が主語なので主格。
Q8.次の傍線部「の」を識別せよ。
雪の降る朝。
答え:主格 解説:「雪が降る朝」と自然。「降る」は連体形で「朝」を修飾。「雪」が主語の主格。
Q9.次の傍線部「の」を識別せよ。
鳥の鳴く声。
答え:主格 解説:「鳥が鳴く声」。「鳴く」は連体形で「声」を修飾。「鳥」が主語の主格。
Q10.次の傍線部「の」を識別せよ。
花の散る春。
答え:主格 解説:「花が散る春」と訳せる。「散る」は連体形で「春」を修飾。「花」が主語の主格。
Q11.次の傍線部「の」を識別せよ。
赤き花の、いと大きなるを折りつ。
答え:同格 解説:「赤い花で、とても大きい(花)を折った」。「大きなる」の下に前と同じ「花」を補って「いと大きなる(花)を」と読める。前後が同じ花を指し、「で」に置き換えられるので同格。
Q12.次の傍線部「の」を識別せよ。
をかしげなる児の、二つばかりなるを抱きて来たり。
答え:同格 解説:「かわいらしい子で、二歳ほどの(子)を抱いてやって来た」。「二つばかりなる」の下に「児」を補える。前後とも同じ「児」を指し、「で」に置き換えられる同格。
Q13.次の傍線部「の」を識別せよ。
いと清げなる僧の、黄なる地の袈裟着たるが来て。(更級日記)
答え:同格 解説:「たいそうこざっぱりとした僧で、黄色い地の袈裟を着ている(僧)がやって来て」。「着たる」の下に「僧」を補える。前後が同じ僧を指し、「で」に置き換えられる同格。(「黄なる地の袈裟」の「の」は連体修飾格。)
Q14.次の傍線部「の」を識別せよ。
大きやかなる男の、太刀帯きたるが、門に立てり。
答え:同格 解説:「大柄な男で、太刀を腰につけている(男)が、門に立っている」。「帯きたる」の下に「男」を補える。前の「男」と後ろが同一物で、「で」に置き換えられる同格。
Q15.次の傍線部「の」を識別せよ。
ほそやかなる女の、髪長きが、出で来たり。
答え:同格 解説:「ほっそりとした女で、髪の長い(女)が、出てきた」。「髪長き」の下に「女」を補える。前後とも同じ女を指す同格。(出て来たのは女なので、「女の髪」とつないで連体修飾格と読むのは誤り。)
Q16.次の傍線部「の」を識別せよ。
この扇は、かの人のなり。
答え:準体格 解説:「この扇は、あの人の(扇)である」。「の」の下に、前に出た「扇」を補って「かの人の(扇)なり」と読める。「〜のもの」と訳し、体言の代わりをする準体格。直後の「なり」は断定の助動詞。
Q17.次の傍線部「の」を識別せよ。
わが宿の梅は、隣のよりも早く咲きにけり。
答え:準体格 解説:直後が格助詞「より」。下に「梅」を補って「隣の(梅)よりも」と読める。「私の家の梅は、隣の(梅)よりも早く咲いたことだ」。準体格。(「宿の梅」の「の」は連体修飾格。)
Q18.次の傍線部「の」を識別せよ。
空の月も、池のも、ともに澄めり。
答え:準体格 解説:直後が係助詞「も」。下に「月」を補って「池の(月)も」と読める。「空の月も、池の(月=池に映る月)も、どちらも澄んでいる」。準体格。(「空の月」の「の」は連体修飾格。)
Q19.次の傍線部「の」を識別せよ。
草の花はなでしこ。唐のはさらなり、大和のもいとめでたし。(枕草子)
答え:準体格 解説:直後が係助詞「は」。下に前の「なでしこ」を補って「唐の(なでしこ)は言うまでもない」と読める。「〜のもの」と訳す準体格。(後ろの「大和の」も同じ準体格。「草の花」の「の」は連体修飾格。)
Q20.次の傍線部「の」を識別せよ。
わが筆は折れにければ、人のを借りて書く。
答え:準体格 解説:直後が格助詞「を」。下に「筆」を補って「人の(筆)を」と読める。「自分の筆は折れてしまったので、人の(筆)を借りて書く」。準体格。
【第2部】標準編(Q21〜Q50)
実際の古文に近い例文で、4用法を見分ける。置き換えテストを順に試そう。
Q21.次の傍線部「の」を識別せよ。
秋の夕暮れ。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「夕暮れ」。「秋の夕暮れ」で修飾関係。連体修飾格。
Q22.次の傍線部「の」を識別せよ。
水の流るる音。
答え:主格 解説:「水が流るる音」。「流るる」は連体形で「音」を修飾。「水」が主語の主格。
Q23.次の傍線部「の」を識別せよ。
雨の降るを見る。
答え:主格 解説:「雨が降るのを見る」。「降る」の主語が「雨」で、「が」に置換できる主格。
Q24.次の傍線部「の」を識別せよ。
大きなる柑子の木の、枝もたわわになりたるが、まはりをきびしく囲ひたりしこそ、少しことさめて、この木なからましかばと覚えしか。(徒然草)
答え:同格 解説:「大きな柑子(みかん)の木で、枝もしなうほど(実が)なっている(木)が、周りを厳重に囲ってあったのには、少し興ざめして、この木がなかったらよかったのにと思われた」。「なりたる」の下に「木」を補える。前の「木」と後ろが同一物で、「で」に置き換えられる同格。(「柑子の木」の「の」は連体修飾格。)
Q25.次の傍線部「の」を識別せよ。
この笛の音は、父のに似たり。
答え:準体格 解説:直後が格助詞「に」。下に「笛の音」を補って「父の(笛の音)に似ている」と読める。準体格。(「笛の音」の「の」は連体修飾格。)
Q26.次の傍線部「の」を識別せよ。
旅人の行く道。
答え:主格 解説:「旅人が行く道」と「が」に置き換えて自然。「行く」は連体形で「道」を修飾。「旅人」が主語の主格。
Q27.次の傍線部「の」を識別せよ。
庭の桜。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「桜」。「庭の桜」で修飾関係。連体修飾格。
Q28.次の傍線部「の」を識別せよ。
星の光る空。
答え:主格 解説:「星が光る空」。「光る」は連体形で「空」を修飾。「星」が主語の主格。
Q29.次の傍線部「の」を識別せよ。
やむごとなき人の、おはしければ、人々かしこまりぬ。
答え:主格 解説:「高貴な人がいらっしゃったので、人々はかしこまった」。「おはし(おはす)」の主語が「人」で、「が」に置き換えられる主格。※「おはしければ」は連体形ではないので、下に「人」を補う同格にはならない。
Q30.次の傍線部「の」を識別せよ。
にほひやかなる花の、露をおびたるを、文に付けてやる。
答え:同格 解説:「つややかに美しい花で、露を帯びている(花)を、手紙に付けて送る」。「おびたる」の下に「花」を補える。前後が同じ花を指し、「で」に置き換えられる同格。
Q31.次の傍線部「の」を識別せよ。
月の都。(竹取物語)
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「都」。「月の都」で月にある都の意。修飾関係なので連体修飾格。
Q32.次の傍線部「の」を識別せよ。
これは春の歌、かれは秋のなり。
答え:準体格 解説:直後が断定の助動詞「なり」。下に「歌」を補って「あれは秋の(歌)である」と読める。準体格。(「春の歌」の「の」は連体修飾格。)
Q33.次の傍線部「の」を識別せよ。
川の音聞こゆ。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「音」。「川の音(が)聞こゆ」で「川の音」は修飾関係。直後が名詞なので連体修飾格。
Q34.次の傍線部「の」を識別せよ。
我が身一つの秋にはあらねど。(古今集)
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「秋」。「我が身一つの秋」で「私一人だけの秋」と修飾関係。連体修飾格。
Q35.次の傍線部「の」を識別せよ。
あまたの文の中より、姫君のを取り出づ。
答え:準体格 解説:直後が格助詞「を」。下に「文」を補って「姫君の(手紙)を」と読める。「たくさんの手紙の中から、姫君の(手紙)を取り出す」。準体格。(「あまたの文」「文の中」の「の」は連体修飾格。)
Q36.次の傍線部「の」を識別せよ。
鶯の鳴く。
答え:主格 解説:「鶯が鳴く(ことよ)」。「鳴く」の主語が「鶯」で、「が」に置き換えて自然なので主格。文末の「鳴く」は、連体形で言い切った形(連体止め)と見る。
Q37.次の傍線部「の」を識別せよ。
高き屋の上。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「上(うへ)」。「高い御殿の上」で修飾関係。連体修飾格。
Q38.次の傍線部「の」を識別せよ。
いと白き犬の、いみじう大きなるが、走り来たり。
答え:同格 解説:「たいそう白い犬で、とても大きい(犬)が、走ってきた」。「大きなる」の下に「犬」を補える。前後が同じ犬を指し、「で」に置き換えられる同格。
Q39.次の傍線部「の」を識別せよ。
海の色。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「色」。「海の色」で修飾関係。連体修飾格。
Q40.次の傍線部「の」を識別せよ。
雲のゐる山。
答え:主格 解説:「雲がゐる(=かかっている)山」。「ゐる」は連体形で「山」を修飾。「雲」が主語の主格。
Q41.次の傍線部「の」を識別せよ。
紅の衣。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「衣」。「紅の衣(くれなゐのころも)」で修飾関係。連体修飾格。
Q42.次の傍線部「の」を識別せよ。
心ざし深かりける人の、夜離れせず通ふありけり。
答え:同格 解説:「愛情の深かった人で、夜離れ(男が女のもとへ通わなくなること)もせずに通ってくる(人)がいた」。「通ふ」の下に「人」を補って「通ふ(人)ありけり」と読める。前後とも同じ人を指し、「で」に置き換えられる同格。
Q43.次の傍線部「の」を識別せよ。
人々の車はみな帰りぬるに、大将ののみ残れり。
答え:準体格 解説:直後が副助詞「のみ」。下に「車」を補って「大将の(車)だけが残っている」と読める。体言の代わりをして主語になる準体格。(「人々の車」の「の」は連体修飾格。)
Q44.次の傍線部「の」を識別せよ。
谷の水。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「水」。「谷の水」で修飾関係。連体修飾格。
Q45.次の傍線部「の」を識別せよ。
子の泣くを見て。
答え:主格 解説:「子が泣くのを見て」。「泣く」は連体形、「子」がその主語。「が」に置換でき主格。
Q46.次の傍線部「の」を識別せよ。
いみじう白き扇の、いと多く散りたるを、取り集む。
答え:同格 解説:「たいそう白い扇で、とてもたくさん散らばっている(扇)を、拾い集める」。「散りたる」の下に「扇」を補える。前後が同じ扇を指し、「で」に置き換えられる同格。
Q47.次の傍線部「の」を識別せよ。
旅の空。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「空」。「旅の空」で修飾関係。連体修飾格。
Q48.次の傍線部「の」を識別せよ。
浪の寄する磯。
答え:主格 解説:「波が寄せる磯」。「寄する」は連体形で「磯」を修飾。「浪」が主語の主格。
Q49.次の傍線部「の」を識別せよ。
この二つの琴は、大納言のと中納言のとなり。
答え:いずれも準体格 解説:それぞれ直後が格助詞「と」。下に「琴」を補って「大納言の(琴)と中納言の(琴)とである」と読める。どちらも体言の代わりをする準体格。(「二つの琴」の「の」は連体修飾格。)
Q50.次の傍線部「の」を識別せよ。
花の香。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「香(か)」。「花の香」で修飾関係。連体修飾格。
【第3部】応用編(Q51〜Q80)
紛らわしいもの、同一文中に複数の「の」が出るもの、有名作品の一節で実戦的に。
Q51.次の傍線部「の」を識別せよ。
春の夜の夢ばかりなる手枕に。(千載集)
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「夢」。「春の夜の夢」と修飾を重ねる。「が・で・もの」に置換できず連体修飾格。
Q52.次の傍線部「の」を識別せよ。
世の中にたえて桜のなかりせば。(古今集・在原業平)
答え:主格 解説:「世の中に桜が全く無かったら」。「桜が」と訳せる。「なかり」の主語が「桜」。主格。
Q53.次の傍線部「の」を識別せよ。
宮の内。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「内(うち)」。「宮の内(御殿の中)」で修飾関係。連体修飾格。
Q54.次の傍線部「の」を識別せよ。
鳰の海や月の光のうつろへば。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「光」。「月の光」で修飾関係。連体修飾格。(同じ歌の後ろの「光の」は主格になりうるが、傍線部は「月の光」の「の」。)
Q55.次の傍線部「の」を識別せよ。
月の光のうつろへば。
答え:主格 解説:傍線部は「光の」。「月の光が(湖面に)映ると」と「が」に置き換えられ、「うつろへ(うつろふ)」の主語が「光」なので主格。「うつろへば」は已然形+「ば」で「〜と・〜ので」。(前の「月の」は連体修飾格。)
Q56.次の傍線部「の」を識別せよ。
親の思ふ子。
答え:主格 解説:「親が(いとしく)思う子」と「が」に置き換えられる。「思ふ」は連体形で「子」を修飾。「親」が主語の主格。
Q57.次の傍線部「の」を識別せよ。
雀の子の、ねず鳴きするにをどり来る。(枕草子)
答え:主格 解説:「雀の子が、(人が)ねず鳴き(ねずみの鳴きまね)をすると、踊るようにやって来る」。「をどり来る」の主語が「雀の子」で、「が」に置き換えられる主格。「ねず鳴き」は、雀を呼ぶために人がするもの。(「雀の子」の「の」は連体修飾格。)
Q58.次の傍線部「の」を識別せよ。
塵のつもりて山となる。
答え:主格 解説:「塵が積もって山となる」。「つもり」の主語が「塵」。「が」に置換でき主格。
Q59.次の傍線部「の」を識別せよ。
春日野の若菜。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「若菜」。「春日野の若菜」で場所を表す修飾。連体修飾格。
Q60.次の傍線部「の」を識別せよ。
いと幼き人の、文読みたるを呼び寄せて、物問ふ。
答え:同格 解説:「たいそう幼い人で、書物を読んでいる(人)を呼び寄せて、ものを尋ねる」。「読みたる」の下に「人」を補える。前後が同じ人を指し、「で」に置き換えられる同格。
Q61.次の傍線部「の」を識別せよ。
わが矢は外れぬれど、兄のは鳥に当たりぬ。
答え:準体格 解説:直後が係助詞「は」。下に「矢」を補って「兄の(矢)は鳥に当たった」と読める。準体格。
Q62.次の傍線部「の」を識別せよ。
鏡の影。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「影(かげ=姿・光)」。「鏡の影(鏡に映る姿)」で修飾関係。連体修飾格。
Q63.次の傍線部「の」を識別せよ。
昨日の雨よりも、今日のこそいみじけれ。
答え:準体格 解説:直後が係助詞「こそ」。下に「雨」を補って「今日の(雨)こそ」と読める。「昨日の雨よりも、今日の(雨)のほうがひどい」。準体格。「こそ」の結びで「いみじけれ」は已然形。(「昨日の雨」の「の」は連体修飾格。)
Q64.次の傍線部「の」を識別せよ。
鶴の群れ。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「群れ」。「鶴の群れ」で修飾関係。連体修飾格。
Q65.次の傍線部「の」を識別せよ。
笛の音の、いとをかしげに聞こゆる。
答え:(傍線部=「音の」)主格 解説:傍線部は「音の」。「(笛の)音が、たいそう趣深く聞こえる(ことよ)」。「聞こゆる」の主語が「音」で、「が」に置き換えられる主格。文末の「聞こゆる」は連体形で言い切った形(連体止め)で、音が聞こえることを述べている。「聞こゆる」の下に「音」を補って読む形ではないので、同格ではない。(前の「笛の」は連体修飾格。)
Q66.次の傍線部「の」を識別せよ。
雪の降りたるは。
答え:主格 解説:「雪が降っているのは」。「降り」の主語が「雪」。「が」に置換でき主格。直後「降りたる」は連体形で、準体法の「は」に続く。
Q67.次の傍線部「の」を識別せよ。
唐土(もろこし)の人。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「人」。「唐土の人(中国の人)」で修飾関係。連体修飾格。
Q68.次の傍線部「の」を識別せよ。
この歌は、人のをまねびたるなり。
答え:準体格 解説:直後が格助詞「を」。下に「歌」を補って「人の(歌)をまねたものである」と読める。準体格。
Q69.次の傍線部「の」を識別せよ。
男の、女のもとへ行きける夜、雨いたく降りけり。
答え:主格 解説:傍線部「男の」。「男が、女のところへ行った夜、雨がひどく降った」。「行きける」は連体形で「夜」を修飾し、その主語が「男」。「が」に置き換えられる主格。(後ろの「女の」は連体修飾格。)
Q70.次の傍線部「の」を識別せよ。
いと小さき鳥の、梢にゐたるを捕らへむとす。
答え:同格 解説:「たいそう小さい鳥で、梢にとまっている(鳥)を捕まえようとする」。「ゐたる」の下に「鳥」を補える。前後が同じ鳥を指し、「で」に置き換えられる同格。
Q71.次の傍線部「の」を識別せよ。
飛ぶ鳥の声。
答え:連体修飾格 解説:傍線部「鳥の」。直後が体言「声」。「鳥の声」で修飾関係。連体修飾格。(「飛ぶ」は「鳥」を修飾する別の連体修飾。)
Q72.次の傍線部「の」を識別せよ。
ほかの花はみな散りぬ。この木のぞ、なほ咲き残れる。
答え:準体格 解説:直後が係助詞「ぞ」。下に「花」を補って「この木の(花)が、まだ咲き残っている」と読める。体言の代わりをして主語になる準体格。「ぞ」の結びで「残れる」は連体形。(「ほかの花」の「の」は連体修飾格。)
Q73.次の傍線部「の」を識別せよ。
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花。(古今集・凡河内躬恒)
答え:(前「初霜の」)主格/(後「白菊の」)連体修飾格 解説:「当て推量で、折るなら折ってみようか。初霜が置いて(白さで)見分けにくくしている白菊の花を」。前の「の」は「置きまどはせ(置きまどはす)」の主語を示す主格(「が」に置き換えられる。「置きまどはせる」は連体形で下の「白菊の花」を修飾)。後ろの「の」は直後の体言「花」を修飾する連体修飾格。一文に複数の「の」が出る典型。
Q74.次の傍線部「の」を識別せよ。
滝の音は絶えて久しくなりぬれど。(千載集)
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「音」。「滝の音」で修飾関係。連体修飾格。
Q75.次の傍線部「の」を識別せよ。
花の色は移りにけりな。(古今集・小野小町)
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「色」。「花の色」で修飾関係。連体修飾格。
Q76.次の傍線部「の」を識別せよ。
うつくしきもの。瓜にかきたる児の顔。(枕草子)
答え:連体修飾格 解説:傍線部「児の」。直後が体言「顔」。「児の顔(幼児の顔)」で修飾関係。連体修飾格。
Q77.次の傍線部「の」を識別せよ。
えならぬ香のするに、驚きて見出だす。
答え:主格 解説:「何とも言えないよい香りがするので、はっとして外を見る」。「する(す)」の主語が「香」で、「が」に置き換えられる主格。直後の「する」はサ変動詞「す」の連体形で、「に」に続く。
Q78.次の傍線部「の」を識別せよ。
黒き雲の、にはかに出で来て。
答え:主格 解説:「黒い雲が、にわかに出てきて」。「出で来」の主語が「雲」。「が」に置換でき主格。後ろが「雲」を説明し直す同格ではない(述語に係る)。
Q79.次の傍線部「の」を識別せよ。
衣は、姉のも妹のも、いと清らなり。
答え:いずれも準体格 解説:それぞれ直後が係助詞「も」。下に「衣」を補って「姉の(衣)も妹の(衣)も、たいそう美しい」と読める。どちらも準体格。
Q80.次の傍線部「の」を識別せよ。
秋風の吹きにし日より。(古今集)
答え:主格 解説:「秋風が吹いた日から」。「吹き」の主語が「秋風」。「が」に置換でき主格。直後「吹きにし」は連体形で「日」を修飾。
【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)
難関大の実戦レベル。複数用法の混在・紛らわしい同格/主格・有名出典で総仕上げ。
Q81.次の傍線部「の」を識別せよ。
時知らぬ山は富士の嶺いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらむ。(伊勢物語)
答え:主格 解説:「季節を知らない山は富士の山だ。今をいつだと思って、鹿の子まだらに雪が降り積もっているのだろうか」。「降る」の主語が「雪」で、「が」に置き換えられる主格。「か」の結びで「らむ」は連体形。(「富士の嶺」「鹿の子」の「の」は連体修飾格。)
Q82.次の傍線部「の」を識別せよ。
中将の、いと清げにて。
答え:主格 解説:「中将が、たいそうこざっぱりと美しい様子で」。「清げに」は形容動詞「清げなり」の連用形で、連体形で終わっていないので、下に「中将」を補えない(同格ではない)。「清げなり」の主語が「中将」で、「が」に置き換えられる主格。「の、」と読点があっても同格とは限らない。
Q83.次の傍線部「の」を識別せよ。
しづ心なく花の散るらむ。(古今集・紀友則)
答え:主格 解説:「落ち着いた心もなく花が散るのだろう」。「散る」の主語が「花」。「が」に置換でき主格。
Q84.次の傍線部「の」を識別せよ。
年ごろ思ひつる人の、かく心変はりせるを聞きて、泣く泣く文を書く。
答え:主格 解説:「長年慕ってきた人が、このように心変わりしたことを聞いて、泣きながら手紙を書く」。「心変はりせ(心変はりす)」の主語が「人」で、「が」に置き換えられる主格。「せる」の下に補えるのは「人」ではなく「こと」(聞いたのは心変わりしたこと)なので、同格ではない。
Q85.次の傍線部「の」を識別せよ。
大納言殿のまゐり給ひて。
答え:主格 解説:「大納言殿が参上なさって」。「まゐり給ふ」の主語が「大納言殿」。「が」に置換でき主格。敬語の主語も「の」で示せる。
Q86.次の傍線部「の」を識別せよ。
白き鳥の嘴と脚と赤き、鴫の大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。(伊勢物語・東下り)
答え:同格 解説:「白い鳥で、嘴と脚が赤く、鴫ほどの大きさの(鳥)が、水の上で遊びながら魚を食う」。「白き鳥」と後ろの説明が同一物。都鳥の描写。「で」に置換できる同格。
Q87.次の傍線部「の」を識別せよ。
人の待つ里。
答え:主格 解説:「人が待つ里」。「待つ」は連体形で「里」を修飾、「人」がその主語。「が」に置換でき主格。
Q88.次の傍線部「の」を識別せよ。
心のうちに思ふ。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「うち」。「心のうち(心の中)」で修飾関係。連体修飾格。
Q89.次の傍線部「の」を識別せよ。
月のいとあかきに。
答え:主格 解説:「月がたいそう明るいときに」。「あかき(あかし)」の主語が「月」で、「が」に置き換えられる主格。「の」の直後は副詞「いと」で、その下の「あかき」が形容詞の連体形。「に」に続く。
Q90.次の傍線部「の」を識別せよ。
人のそしる言の葉。
答え:主格 解説:「人が非難する言葉」。「そしる」は連体形で「言の葉(ことば)」を修飾、「人」がその主語。「が」に置換でき主格。
Q91.次の傍線部「の」を識別せよ。
いと大きなる石の、道をふさぎたるを、人々して取りのけさす。
答え:同格 解説:「たいそう大きな石で、道をふさいでいる(石)を、人々に命じて取りのけさせる」。「ふさぎたる」の下に「石」を補える。前後が同じ石を指し、「で」に置き換えられる同格。
Q92.次の傍線部「の」を識別せよ。
鹿の音の聞こゆる。
答え:(後の「音の」)主格 解説:傍線部は「音の」。「(鹿の)音が聞こえる」。「聞こゆる」の主語が「音」。「が」に置換でき主格。(前の「鹿の」は連体修飾格。)
Q93.次の傍線部「の」を識別せよ。
あやしう、この翁の歌はこれにはまさりけり。
答え:(傍線部「この」)連体修飾格 解説:「この翁」で直後が体言「翁」。指示語+「の」で修飾関係。連体修飾格。
Q94.次の傍線部「の」を識別せよ。
いかなれば四条大納言のはめでたく、兼久がはわろかるべきぞ。(宇治拾遺物語)
答え:準体格 解説:秦兼久が、自分の歌と四条大納言(藤原公任)の歌を比べて言うことば。「どうして四条大納言の(歌)はすばらしく、兼久の(歌)はよくないはずなのか」。直後が係助詞「は」で、下に「歌」を補う準体格。(後ろの「兼久がは」の「が」も、同じく下に「歌」を補う準体格。)
Q95.次の傍線部「の」を識別せよ。
をりふしの移り変はるこそ、ものごとにあはれなれ。(徒然草)
答え:主格 解説:「季節が移り変わることこそ、何ごとにつけてもしみじみと趣深い」。「移り変はる」の主語が「をりふし(季節)」で、「が」に置き換えられる主格。「移り変はる」は連体形で、下に「こと」を補う(体言の代わりをしているのは連体形で、「の」ではないので準体格ではない)。「こそ」の結びで「あはれなれ」は已然形。
Q96.次の傍線部「の」を識別せよ。
黄なる生絹の単袴、長く着なしたる童の、をかしげなる出で来て、うち招く。(源氏物語)
答え:同格 解説:「黄色い生絹(すずし)の単袴を長めに着こなしている童で、かわいらしい(童)が出て来て、手招きする」。「をかしげなる」の下に「童」を補える。前後が同じ童を指し、「で」に置き換えられる同格。(「生絹の単袴」の「の」は連体修飾格。)
Q97.次の傍線部「の」を識別せよ。
あけぼのの空。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「空」。「あけぼのの空(明け方の空)」で修飾関係。連体修飾格。
Q98.次の傍線部「の」を識別せよ。
あまたの舟。
答え:連体修飾格 解説:直後が体言「舟」。「あまたの舟(たくさんの舟)」で数量+体言の修飾。連体修飾格。
Q99.次の傍線部「の」を識別せよ。
大きやかなる童の、文持ちたるが来て、「これはあるじのなり」と言ふ。
答え:(前「童の」)同格/(後「あるじの」)準体格 解説:前の「童の」は「大柄な童で、手紙を持っている(童)がやって来て」と、「持ちたる」の下に「童」を補える同格。後ろの「あるじの」は、下に「文」を補って「これは主人の(手紙)です」と読む準体格(直後の「なり」は断定の助動詞)。同格と準体格が一文に出る難問。
Q100.次の傍線部「の」を識別せよ。
ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。(方丈記)
答え:連体修飾格 解説:傍線部「もとの」。直後が体言「水」。「もとの水(もとの(同じ)水)」で修飾関係。連体修飾格。(冒頭の「河の流れ」の「の」も連体修飾格。)
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