『望月光の いちばんやさしい古典文法の本』を塾長が正直レビュー|文法が本当に苦手な人の最初の1冊

教材レビュー
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生徒

生徒先生、古典文法って何回やっても用語が呪文みたいでぜんぜん頭に入りません。教科書の説明を読んでも、そもそも何を言っているのか分からないんです。いちばん最初に読む本で、本当にやさしいやつってありますか?
先生

先生それなら、まず手に取ってほしいのが『望月光の いちばんやさしい古典文法の本』だよ。著者の望月光先生は、代々木ゼミナールで長く古文を教えてきたベテランで、難しいことを「しゃべるように」かみくだいて説明するのが本当にうまい先生なんだ。タイトルに「いちばんやさしい」と付いているだけあって、文法が苦手な人がつまずく手前のところから、ていねいに手を引いてくれる1冊だよ。

結論:「文法が呪文に見える人」が、最初に手を出していい本

結論から言うと、この本は「古典文法をこれから始める人・一度つまずいて投げ出した人」のための、最初の1冊(超入門)です。問題演習でゴリゴリ得点を伸ばす本ではなく、まず「文法って結局なにをやればいいの?」という土台の部分を、先生が目の前で話してくれているような語り口で理解させてくれる本です。だから、「教科書を読んでも一行目から意味が分からない」という人ほど効きます。逆に、ある程度文法が分かっていて問題量がほしい人には物足りなく感じる、という性格の本でもあります。

基本情報

書名 望月光の いちばんやさしい古典文法の本
出版社 瀬谷出版
著者 望月光
シリーズ 大学受験 絶対合格Vシリーズ
ページ数 約272ページ
定価 1,320円(税込)※2026年6月時点
レベル 初学(最初の1冊・超入門)
塾長のおすすめ度 ◎(「文法アレルギー」の入口に、これ以上やさしい本は少ない)

この本の特徴(中身)

中身は全12回ほどの「講義」形式で、動詞から始まって、形容詞・形容動詞、受験古文の最大の山場である助動詞、助詞、敬語、そして最後に「よく出る品詞の見分け方(識別)」までを順番にたどっていきます。判型はA5判で、本文は二色刷り。先生が授業で生徒に話しかけるような「ライブ調」の文章で進むので、堅い参考書を読むときの「文字に押し返される感じ」が少ないのが一番の特徴です。覚え方のコツや勉強の進め方そのものにも触れてくれるので、「文法を覚える前に、勉強のやり方からつまずいている」タイプの人にも寄り添ってくれます。扱う範囲は「入試に絶対必要なところ」に思い切ってしぼってあるので、最後まで読み切りやすい分量に収まっています。

👍 良い点

  • とにかく語り口がやさしい。ベテラン講師が話しかけるように説明してくれるので、文法用語アレルギーの人でも「読み進められた」という成功体験を作りやすい。最初の1冊で挫折しにくいのは大きな強みです。
  • 範囲を欲張っていない。入試で本当に必要なところにしぼってあるため、約270ページという分量でも「動詞→助動詞→助詞→敬語→識別」という一周がきちんと最後まで通せます。途中で力尽きにくい構成です。
  • 受験古文の山場をきちんと押さえている。多くの人が脱落する助動詞や敬語、品詞の識別法まで一冊で面倒を見てくれるので、「入門なのに肝心なところが抜けている」という不満が出にくいです。

🤔 気になる点

  • 演習量はかなり少なめ。この本は「理解する」ための本で、自分で解いて定着させる問題集ではありません。読み終えたあと、必ず別のドリルや問題集で手を動かす工程が要ります。これ一冊で完結はしません。
  • 発行から年数が経っている本です(初版は2000年代)。古典文法そのものは内容が古びるものではありませんが、共通テストなど最新の入試傾向の話までは期待しすぎないほうがよいでしょう。
  • 「やさしさ」と引き換えに、説明が回りくどく感じる人もいる。すでに基礎が分かっている人や、表で一気に整理したいタイプの人には、話し言葉の解説がまどろっこしく感じられることがあります。

合う人・合わない人

合う人:古典文法を一度も真剣にやったことがない高校1〜2年生、あるいは一度やって「用語が呪文に見える」とギブアップした人。教科書や学校のプリントを読んでも一行目から意味が取れない、という「ゼロから」の人にいちばん合います。活字を読むのが極端に苦手でなければ、独学の最初の一冊として安心して渡せます。
合わない人:すでに助動詞の活用がだいたい言えて、「あとは問題をたくさん解きたい」という段階の人。また、解説より一覧表でパッと整理したい人や、共通テスト形式の演習をすぐ積みたい人には軽すぎます。難関大の細かい文法事項まで詰めたい上級者にも、この本だけでは足りません。

『富井の古典文法をはじめからていねいに』との違い

同じ「超入門・講義系」の定番ライバルが、東進ブックスの『富井の古典文法をはじめからていねいに』です。どちらも「話しかけるような語り口でゼロから」という路線で、ねらう層はほぼ同じ。大きな違いは相性で、富井先生のほうが図や板書イメージで視覚的に整理していく印象、望月先生のほうが文章でじっくり語りかけてくる印象です。図やまとめ表で頭に入れたい人は富井、読み物として腰を据えて読み進めたい人は望月、というのが一つの目安。中身の水準はどちらも信頼できるので、本屋で両方の同じページ(たとえば助動詞「べし」のあたり)を読み比べて、「自分がスッと読めたほう」を選ぶのが失敗しない選び方です。

おすすめの使い方

  1. まずは問題を解こうとせず、1日1回分(1章)を「読み物」として最後まで通読する。分からない用語が出ても止まらず、まず一周ざっと読み切ることを優先します。
  2. 二周目で、各回のあとに自分で活用表(動詞・助動詞)を声に出して言えるか・書けるかを確認する。言えないところだけ印をつけて、その回を読み直します。
  3. 一通り理解できたら、この本は卒業して別の薄い文法ドリル(穴埋め・選択式の問題集)に進み、手を動かして定着させる。理解した知識は、解いて初めて得点になります。
先生

先生この手の入門書でいちばんやってはいけないのが、「分からない一語で立ち止まって、そのまま閉じてしまう」こと。最初の一周は7割わかれば上出来、くらいの気持ちで一気に読み切ってください。文法は、一周目でモヤッとしたところが二周目で急につながる科目です。一回で完璧を目指さないのが、結局いちばんの近道ですよ。

塾長の総合評価

読みやすさ ★★★★★
網羅性 ★★★☆☆
入門のしやすさ ★★★★★
演習・実戦 ★★☆☆☆
総合 ★★★★☆(入門のやさしさは随一。ただし演習は別の問題集で必ず補う前提の一冊。)

塾の現場でも、「文法が本気で苦手」という生徒には、いきなり問題集を渡してもまず続きません。そういう子に最初に渡す「読める入門書」として、この本は安心しておすすめできます。ベテラン講師の語り口で、つまずきやすい助動詞や敬語まで一周できる設計は、独学のスタートにぴったりです。一方で、これ一冊で文法が「身につく」と考えるのは禁物。あくまで理解の入口であって、得点力は別のドリルで手を動かして初めて付きます。役割をはっきりさせて使えば、価格以上の働きをしてくれる良書です。

望月光の いちばんやさしい古典文法の本 表紙

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まとめ

まとめると、『望月光の いちばんやさしい古典文法の本』は、「文法が呪文にしか見えない人が、最初に手を出していい一冊」です。やさしさと挫折しにくさはトップクラス。ただし演習は薄いので、読み終えたら必ず問題演習に進んでください。当サイトでは、文法を一周したあとに腕試しできる無料の古典文法ドリルや、助動詞・識別のまとめプリントも用意しています。この本で土台を作ったら、ぜひそちらで手を動かして仕上げていきましょう。

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