和歌の修辞法 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「和歌の修辞法」識別ドリル アイキャッチ 古文ドリル

枕詞・序詞・掛詞・縁語・本歌取りを100問で完全習熟

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A4・問題用は解答スペース付き/解答用は答えと解説

このドリルでわかること

はじめに:和歌の主要修辞法

修辞 効果
枕詞 特定語を導く5音の修飾語(訳さない) あしひきの→山
序詞 7音以上の修辞、特定語を導く 風吹けば沖つしらなみ→たつ
掛詞 1語に2つ意味を重ねる まつ=松/待つ
縁語 関連語を散りばめる 「松」と「枝」「葉」など
本歌取り 古歌を踏まえる 古歌の語句を借用
体言止め 文末を体言で締める 〜山。〜風。
倒置法 語順を入れ替える 普通文の逆順
対句 同形の句を並べる 〜+〜の対比

主要な枕詞(暗記必須)

枕詞 導く語
あしひきの 山・峰
ひさかたの 光・空・雲・天・月
たらちねの 母・親
くさまくら
ちはやぶる
しろたへの 衣・袖・雪
からごろも 着る・裁つ
あらたまの 年・月・春
あをによし 奈良
わかくさの 妻・新
ぬばたまの 夜・黒・髪
あかねさす 日・昼・紫
たまきはる 命・世
あづさゆみ 引く・張る・射る
もののふの 八十・矢

頻出の掛詞

掛詞 二重の意味
まつ 松・待つ
ふる 経る・降る・古る
ながめ 眺め・長雨
あき 秋・飽き
かれ 枯れ・離れ
いる 入る・射る
ふみ 文・踏み
世・夜・節
すむ 住む・澄む
うき 浮き・憂き

識別の鉄則

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

修辞法は丸暗記が王道。
こちらは 試験本番で3秒で見抜く ための実戦テクニックです。

コツ① 歌の冒頭5音が「あしひきの/ひさかたの/たらちねの…」なら即「枕詞」

歌の最初の5音に違和感のある言葉が来ていたら、まず枕詞を疑う。 – 「あしひきの」が来たら次は山 → 枕詞 – 「ひさかたの」が来たら次は光・空・月 → 枕詞 – 「ぬばたまの」が来たら次は夜・黒 → 枕詞

主要15個を覚えるだけで枕詞問題は8割取れる。

コツ② 「同じ音で意味が2つに取れそう」と感じたら掛詞

歌の中で 「これ、2通りに読めるな?」 という言葉が出てきたら掛詞。 – 「まつ」(松+待つ)「ふる」(経る+降る+古る)「あき」(秋+飽き)が頻出ベスト3 – 季節(春・秋)と恋(待つ・飽き)が同居していたら掛詞ほぼ確定

「植物名 + 心情語」のセットを見たら反射で掛詞をチェック。

コツ③ 序詞は「7音以上で 〜のように が略されてる」のサイン

枕詞との違いは 長さ。 – 5音固定 → 枕詞 – 7音以上で、内容が後半とつながる → 序詞

「風吹けば沖つしらなみ」(7音以上)→「たつ」を導く序詞。 「あしひきの」(5音)→「山」を導く枕詞。

コツ④ 縁語は「テーマ単語の家族探し」

歌の中心テーマ(松・衣・舟・水)に関連する単語が散りばめられていたら縁語。 – 「松」 → 「枝」「葉」「色」「常磐」 – 「衣」 → 「袖」「裾」「縫ふ」「裁つ」 – 「水」 → 「流れ」「淀む」「波」「澄む」

「主役の単語の家族」がいたら縁語と判定する。

試験本番でのチェック順序

  1. 冒頭5音 をチェック(枕詞リストにあるか)
  2. 同音異義に取れる単語 をチェック(掛詞)
  3. 7音以上で後半につながる句 をチェック(序詞)
  4. テーマ単語の関連語が散りばめられて いないか(縁語)

→ この順番で 3秒 で答えが出ます。

よくある引っかけ

  • 枕詞と序詞を 長さ で区別せず誤答(5音か7音以上かで決まる)
  • 「あしひきの山」を「あしひき+の」と切って枕詞だと気づかない
  • 掛詞を どちらか一方の意味 でしか取らない(必ず2つ書く)

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編(Q1〜Q20)

主要な枕詞・代表的な掛詞・体言止め等の基礎修辞。


Q1.修辞法を答えよ。

あしひきの山鳥の尾の…

答え:枕詞「あしひきの」(→山) 解説:「山」を導く枕詞。訳さない。


Q2.修辞法を答えよ。

ひさかたの光のどけき春の日に…

答え:枕詞「ひさかたの」(→光) 解説:「光」「空」「天」「月」を導く枕詞。


Q3.修辞法を答えよ。

たらちねの母…

答え:枕詞「たらちねの」(→母) 解説:「母」「親」を導く枕詞。


Q4.修辞法を答えよ。

くさまくら旅にしあれば…

答え:枕詞「くさまくら」(→旅) 解説:「旅」を導く枕詞。


Q5.修辞法を答えよ。

ちはやぶる神代もきかず竜田川…

答え:枕詞「ちはやぶる」(→神) 解説:「神」を導く枕詞。在原業平の有名な歌。


Q6.修辞法を答えよ。

しろたへの衣干したり…

答え:枕詞「しろたへの」(→衣) 解説:「衣」「袖」「雪」を導く枕詞。


Q7.修辞法を答えよ。

風吹けば沖つしらなみたつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ

答え:序詞「風吹けば沖つしらなみ」(→たつ)/掛詞「たつ」(立つ・龍田) 解説:「立つ」を導く序詞+「龍田山」の掛詞。伊勢物語の有名な歌。


Q8.修辞法を答えよ。

夢と知りば覚めざらましを

答え:反実仮想「せば〜まし」 解説:「せば〜まし」反実仮想。「夢と知っていたら覚めないだろうに」。小野小町。


Q9.修辞法を答えよ。

花の色はうつりにけりないたづらに我が身世にふるながめせし間に

答え:掛詞「ふる」(経る・降る)「ながめ」(眺め・長雨) 解説:小野小町の有名な歌。1語に2意味の掛詞。


Q10.修辞法を答えよ。

あらざらむ此の世のほかの思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな

答え:詠嘆の終助詞「もがな」 解説:和泉式部の歌。「逢うことがあったらなあ」。願望の詠嘆。


Q11.修辞法を答えよ。

あらたまの年の暮れになりにけり…

答え:枕詞「あらたまの」(→年) 解説:「年」「月」「春」を導く枕詞。


Q12.修辞法を答えよ。

あをによし奈良の都は…

答え:枕詞「あをによし」(→奈良) 解説:「奈良」を導く枕詞。


Q13.修辞法を答えよ。

わかくさの妻…

答え:枕詞「わかくさの」(→妻) 解説:「妻」「新」を導く枕詞。


Q14.修辞法を答えよ。

ぬばたまの黒髪…

答え:枕詞「ぬばたまの」(→黒) 解説:「夜」「黒」「髪」を導く枕詞。


Q15.修辞法を答えよ。

春過ぎて夏来たるらししろたへの衣干すてふ天の香具山

答え:枕詞「しろたへの」(→衣) 解説:万葉集・持統天皇の有名な歌。


Q16.修辞法を答えよ。

名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしや

答え:体言止め(「都鳥」)/呼びかけ 解説:伊勢物語の歌。「都鳥」と体言で切って呼びかける。


Q17.修辞法を答えよ。

たまきはる命を…

答え:枕詞「たまきはる」(→命) 解説:「命」「世」を導く枕詞。


Q18.修辞法を答えよ。

散りぬともかねて惜しき紅葉葉

答え:係り結び「ぞ〜惜しき」(連体形結び) 解説:「ぞ」(強調)の係り結び。修辞というより文法。


Q19.修辞法を答えよ。

やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして

答え:反語「やあらぬ」 解説:在原業平の歌。「月は昔の月ではないのか、いやそうではない」(反語)。


Q20.修辞法を答えよ。

桜散る木のしたかぜは寒からでそらに知られぬ雪ぞふりける

答え:掛詞「ふり」(降り・古り)/縁語「雪」と「ふる」 解説:桜花を雪に見立てる。縁語の典型。


基礎編 /20


【第2部】標準編(Q21〜Q50)

枕詞・序詞の応用、掛詞・縁語の標準問題。


Q21.修辞法を答えよ。

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

答え:枕詞「あかねさす」(→紫) 解説:額田王の歌。「紫」「日」「昼」を導く。


Q22.修辞法を答えよ。

からごろも着つつなれにし妻しあれば…

答え:枕詞「からごろも」(→着)/序詞的展開 解説:在原業平。「着」を導く枕詞、以降は序詞的に妻への思いを展開。


Q23.修辞法を答えよ。

あづさゆみ春の山辺を越え来れば…

答え:枕詞「あづさゆみ」 解説:「あづさゆみ(梓弓)」は本来「引く・張る・射る・本・末」を導く枕詞。ここでは弓を「張る」と春の「はる」の同音利用で「春」にかかる用法。枕詞自体は訳出しないのが原則。


Q24.修辞法を答えよ。

み吉野の山の白雪つもるらしふるさとさむくなりまさるなり

答え:掛詞「ふる」(古・降る) 解説:「ふるさと」の「ふる」に「降る」がかかる。雪のイメージ連動。


Q25.修辞法を答えよ。

立ちわかれいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む

答え:掛詞「まつ」(松・待つ)/「いなば」(往なば・因幡) 解説:在原行平。地名「因幡」と「往なば」、植物「松」と動詞「待つ」の二重掛詞。


Q26.修辞法を答えよ。

大江山いく野の道の遠ければまだふみもみず天の橋立

答え:掛詞「ふみ」(文・踏み) 解説:小式部内侍。「踏み」(道)と「文」(手紙)の掛詞。


Q27.修辞法を答えよ。

心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の

答え:体言止め(「花」) 解説:凡河内躬恒。「花」で締める体言止め。


Q28.修辞法を答えよ。

風そよぐならの小川の夕暮れはみそぎぞ夏のしるしなりける

答え:係り結び「ぞ〜ける」(連体形結び) 解説:「ぞ」の強調。夕暮れの涼しさをみそぎに譬える。


Q29.修辞法を答えよ。

君がため春の野に出でて若菜つむ我が衣手に雪は降りつつ

答え:倒置法/反復「つつ」 解説:光孝天皇。「降りつつ」で結ぶ詠嘆的倒置。


Q30.修辞法を答えよ。

しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで

答え:掛詞「しのぶ」(忍ぶ・偲ぶ)/縁語「色」「出づ」 解説:平兼盛。「色」と「出づ」の縁語。


Q31.修辞法を答えよ。

来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くやもしほの身もこがれつつ

答え:掛詞「まつ」(松・待つ)/縁語「焼く」「もしほ」「こがれ」 解説:藤原定家。火と恋の縁語連鎖。


Q32.修辞法を答えよ。

田子の浦にうち出でて見ればしろたへの富士の高嶺に雪は降りつつ

答え:枕詞「しろたへの」 解説:「しろたへの(白妙の)」は本来「衣・袖・雪・雲・たもと」などを導く枕詞。この歌では富士の白さを修飾する転用例。新古今和歌集・山部赤人。「白妙」は楮(こうぞ)の繊維で織った白い布で、白色のイメージを喚起する。


Q33.修辞法を答えよ。

あけぼの春のあはれと知らるらむ

答え:係り結び「ぞ〜らむ」(連体形結び) 解説:「ぞ」の強調+「らむ」の現在推量。


Q34.修辞法を答えよ。

思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りば覚めざらましを

答え:反実仮想「せば〜まし」 解説:小野小町。「夢と知っていたら覚めなかったろうに」。


Q35.修辞法を答えよ。

玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶる事の弱りもぞする

答え:掛詞「玉の緒」「ながらへ」(永らえ)/命令と仮定 解説:式子内親王。命と緒の縁語。


Q36.修辞法を答えよ。

春の夜の夢の浮橋とだえしてにわかるる横雲の空

答え:体言止め(「空」)/縁語「夢」「浮橋」 解説:藤原定家。新古今集の象徴的歌。


Q37.修辞法を答えよ。

心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮

答え:体言止め(「夕暮」) 解説:西行。三夕の歌の一首。


Q38.修辞法を答えよ。

見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮

答え:体言止め(「夕暮」) 解説:藤原定家。三夕の歌。


Q39.修辞法を答えよ。

さびしさはその色としもなかりけり槙立つ山の秋の夕暮

答え:体言止め(「夕暮」) 解説:寂蓮。三夕の歌。


Q40.修辞法を答えよ。

久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ

答え:枕詞「ひさかたの」(→光) 解説:紀友則。古今集の名歌。


Q41.修辞法を答えよ。

夕されば門田の稲葉おとづれて葦のまろ屋に秋風ぞ吹く

答え:係り結び「ぞ〜吹く」(連体形結び) 解説:大納言経信。「ぞ」の強調。


Q42.修辞法を答えよ。

風をいたみ岩うつ波のおのれのみ砕けてものを思ふ頃かな

答え:序詞「風をいたみ岩うつ波の」(→砕け) 解説:源重之。波の砕ける情景で恋心の砕けを導く序詞。


Q43.修辞法を答えよ。

嘆けとて月やはものを思はするかこち顔なるわが涙かな

答え:擬人法/反語「やは」 解説:西行。「月が嘆かせるのか、いや違う」と反語。


Q44.修辞法を答えよ。

山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思へば

答え:掛詞「かれ」(枯れ・離れ) 解説:源宗于。「人目が離れる」と「草が枯れる」の掛詞。


Q45.修辞法を答えよ。

滝の音はたえて久しくなりぬれどこそ流れてなほ聞こえけれ

答え:縁語「滝・流れ・聞こえ」/掛詞「な」(名・無) 解説:藤原公任。滝に関する縁語連鎖。


Q46.修辞法を答えよ。

千早ぶる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは

答え:枕詞「ちはやぶる」(→神)/体言止め 解説:在原業平。百人一首。


Q47.修辞法を答えよ。

吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ

答え:縁語「山・風・嵐」+字義遊び(離合詩風) 解説:文屋康秀。「嵐」という漢字を「山」+「風」と分解する字義遊び。同時に「山」「風」「嵐」が縁語として響き合う。古今集・百人一首22番。なお「折句」は各句頭の文字を続けて意味を作る修辞で、別の技法。


Q48.修辞法を答えよ。

あひ見ての後の心にくらぶれば昔は物を思はざりけり

答え:詠嘆「けり」 解説:権中納言敦忠。文末の詠嘆。


Q49.修辞法を答えよ。

由良のとを渡る舟人かぢをたえゆくへも知らぬ恋の道かな

答え:序詞「由良のとを渡る舟人かぢをたえ」(→ゆくへも知らぬ) 解説:曾禰好忠。舟が漂う情景で恋の不安を導く序詞。


Q50.修辞法を答えよ。

八重むぐら茂れる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり

答え:係り結び「こそ〜ね」(已然形結び、逆接) 解説:恵慶法師。「人は見えないけれど秋は来た」(逆接)。


標準編 /30


【第3部】応用編(Q51〜Q80)

掛詞・縁語・本歌取り中心の応用問題。


Q51.修辞法を答えよ。

月見れば千々にものこそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど

答え:係り結び「こそ〜けれ」(已然形結び) 解説:大江千里。「こそ」強調。


Q52.修辞法を答えよ。

このたびは幣もとりあへず手向山紅葉の錦神のまにまに

答え:掛詞「たび」(旅・度) 解説:菅原道真。「このたび」の「たび」が「旅」と「度」の掛詞。


Q53.修辞法を答えよ。

名にし負はばあふさか山のさねかづら人に知られでくるよしもがな

答え:掛詞「あふ」(逢ふ・逢坂)「くる」(来る・繰る)/縁語 解説:三条右大臣。蔓植物(さねかづら)と「繰る」の縁語。


Q54.修辞法を答えよ。

小倉山峰のもみぢ葉あらば今ひとたびのみゆき待たなむ

答え:擬人法 解説:藤原忠平。紅葉を人格化。


Q55.修辞法を答えよ。

君がため惜しからざりし命さへながくもがなと思ひけるかな

答え:詠嘆「もがな」/意味反転 解説:藤原義孝。「命長くあってほしい」の願望。


Q56.修辞法を答えよ。

山桜霞のまよりほのかにも見てし人こそ恋しけれ

答え:係り結び「こそ〜けれ」(已然形結び) 解説:紀貫之。「こそ」の強調。


Q57.修辞法を答えよ。

風吹けば沖つしらなみたつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ

答え:序詞「風吹けば沖つしらなみ」(→たつ) 解説:伊勢物語。「白波が立つ」で「龍田山」を導く序詞。


Q58.修辞法を答えよ。

思ひかね妹がりゆけば冬の夜の川風寒み千鳥なくなり

答え:序詞的展開・縁語「川・千鳥」 解説:紀貫之。冬の景物連鎖。


Q59.修辞法を答えよ。

春の夜のやみはあやなし梅の花色こそ見えね香やはかくるる

答え:係り結び「こそ〜ね」(已然形、逆接)/反語「やは」 解説:凡河内躬恒。「色は見えなくても香は隠れない」。


Q60.修辞法を答えよ。

山深み春とも知らぬ松の戸に絶え絶えかかる雪の玉水

答え:体言止め(「玉水」)/縁語「松・雪」 解説:式子内親王。新古今集。


Q61.修辞法を答えよ。

駒とめて袖うちはらふかげもなし佐野のわたりの雪の夕暮

答え:体言止め(「夕暮」) 解説:藤原定家。本歌取り(万葉集を踏まえる)。


Q62.修辞法を答えよ。

玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする

答え:縁語「玉・緒・絶え」/掛詞なし 解説:式子内親王。玉と緒の縁語。


Q63.修辞法を答えよ。

ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる

答え:係り結び「ぞ〜残れる」(連体形) 解説:後徳大寺左大臣。


Q64.修辞法を答えよ。

いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな

答え:縁語「八重・九重」/詠嘆「かな」 解説:伊勢大輔。「八重」(八重桜)と「九重」(宮中)の数の縁語。


Q65.修辞法を答えよ。

朝ぼらけ宇治の川霧たえだえにあらはれわたる瀬々の網代木

答え:体言止め(「網代木」) 解説:藤原定頼。


Q66.修辞法を答えよ。

もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし

答え:擬人法(山桜への呼びかけ) 解説:行尊。山桜を人として語りかける。


Q67.修辞法を答えよ。

高砂の尾の上の桜咲きにけり外山の霞たたずもあらなむ

答え:願望「なむ」 解説:大江匡房。「たたないでほしい」と願う。


Q68.修辞法を答えよ。

憂かりける人をはつせの山おろしよはげしかれとは祈らぬものを

答え:掛詞「はつせ」(初瀬・果つせ)/序詞 解説:源俊頼。地名「初瀬」と動作の掛詞。


Q69.修辞法を答えよ。

契りおきしさせもが露をいのちにてあはれ今年の秋もいぬめり

答え:縁語「露・命・消ゆ」 解説:藤原基俊。露のはかなさを命に重ねる。


Q70.修辞法を答えよ。

嵐吹くみむろの山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり

答え:見立て(紅葉を錦に)/詠嘆「けり」 解説:能因法師。錦に見立てる比喩。


Q71.修辞法を答えよ。

寂しさにやどを立ち出でて眺むればいづくも同じ秋の夕暮

答え:体言止め(「夕暮」) 解説:良暹法師。三夕系の歌。


Q72.修辞法を答えよ。

夕されば門田の稲葉おとづれて葦のまろ屋に秋風ぞ吹く

答え:擬人法「おとづる」/係り結び「ぞ〜吹く」 解説:大納言経信。稲葉が訪れる擬人法。


Q73.修辞法を答えよ。

音にきく高師の浜のあだ波はかけじや袖のぬれもこそすれ

答え:序詞「音にきく高師の浜のあだ波は」(→かけじ) 解説:祐子内親王家紀伊。波の縁語「かけ」「ぬれ」。


Q74.修辞法を答えよ。

高砂の松も昔のならなくに

答え:縁語「松・友」/本歌取り 解説:藤原興風。松の長寿と友の対比。


Q75.修辞法を答えよ。

あはれともいふべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな

答え:詠嘆「かな」/文末の感嘆 解説:謙徳公。


Q76.修辞法を答えよ。

由良のとを渡る舟人かぢをたえゆくへも知らぬ恋の道かな

答え:序詞「由良のとを渡る舟人かぢをたえ」 解説:曾禰好忠。舟の漂流で恋路の不安を導く。


Q77.修辞法を答えよ。

めぐりあひて見しやそれともわかぬまに雲がくれにし夜半の月かな

答え:体言止め+詠嘆「かな」/縁語「めぐる・月」 解説:紫式部。月の縁語。


Q78.修辞法を答えよ。

有馬山ゐなの笹原風吹けばいでそよ人を忘れやはする

答え:序詞「有馬山ゐなの笹原風吹けば」(→いでそよ) 解説:大弐三位。笹のそよぐ音で「そよ(そうだ)」を導く序詞。


Q79.修辞法を答えよ。

夜をこめて鳥のそらねははかるともよに逢坂の関はゆるさじ

答え:掛詞「よ」(夜・世)/関連語「鳥・関」 解説:清少納言。中国故事を踏まえる本歌取り。


Q80.修辞法を答えよ。

大江山いく野の道の遠ければまだふみもみず天の橋立

答え:掛詞「ふみ」(文・踏み)/地名「いく野」(生野・行く) 解説:小式部内侍。二重の掛詞。


応用編 /30


【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)

難関大頻出の複合修辞・本歌取り・象徴的歌の総合判定。


Q81.修辞法を答えよ。

春の夜の夢の浮橋とだえして峰にわかるる横雲の空

答え:体言止め(「空」)/本歌取り(源氏物語「夢の浮橋」巻名) 解説:藤原定家。源氏物語最終巻名を借りる本歌取りの典型。


Q82.修辞法を答えよ。

駒とめて袖うちはらふかげもなし佐野のわたりの雪の夕暮

答え:本歌取り(万葉集・長奥麻呂「苦しくも降りくる雨か神の崎佐野のわたりに家もあらなくに」) 解説:藤原定家。万葉の本歌をふまえる。


Q83.修辞法を答えよ。

み吉野の山の秋風小夜ふけてふるさと寒く衣うつなり

答え:本歌取り(坂上是則の歌)/縁語「衣・うつ」 解説:藤原雅経。本歌取りの典型。


Q84.修辞法を答えよ。

苦しくも降りくる雨か三輪の崎佐野のわたりに家もあらなくに

答え:体言止め系(地名止め) 解説:長奥麻呂。万葉集の歌。


Q85.修辞法を答えよ。

玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶる事の弱りもぞする

答え:「もぞ」の懸念表現/縁語「玉・緒・絶え・弱り」 解説:式子内親王。「もぞ〜する」で「〜したら困る」の意。


Q86.修辞法を答えよ。

見せばやな雄島のあまの袖だにもぬれにぞぬれし色はかはらず

答え:終助詞「ばや」(自己の願望)+終助詞「な」(詠嘆) 解説:殷富門院大輔。下二段「見す」未然形「見せ」+自己願望「ばや」+詠嘆「な」で「見せたいなあ」。願望と詠嘆の二語が連続した「ばやな」の形。百人一首90番、新古今和歌集。


Q87.修辞法を答えよ。

きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む

答え:本歌取り(万葉集・人麻呂歌)/推量「む」 解説:後京極摂政。本歌取り中の本歌取り。


Q88.修辞法を答えよ。

我が袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそしらね乾く間もなし

答え:序詞「我が袖は潮干に見えぬ沖の石の」(→乾く間もなし)/係り結び「こそ〜ね」 解説:二条院讃岐。海中の石で袖の濡れの永続を導く。


Q89.修辞法を答えよ。

世の中は常にもがもな渚漕ぐあまの小舟の綱手かなしも

答え:序詞「渚漕ぐあまの小舟の綱手」(→かなしも)/詠嘆「もがもな」「も」 解説:源実朝。


Q90.修辞法を答えよ。

み吉野の山の白雪つもるらしふるさとさむくなりまさるなり

答え:掛詞「ふる」(古・降る)/縁語「白雪・降る」 解説:坂上是則。


Q91.修辞法を答えよ。

心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな

答え:体言止め+詠嘆「かな」 解説:三条院。夜半の月の余韻。


Q92.修辞法を答えよ。

朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里にふれる白雪

答え:体言止め(「白雪」)/見立て(雪を月に) 解説:坂上是則。


Q93.修辞法を答えよ。

浅茅生の小野の篠原しのぶれど余りてなどか人の恋しき

答え:序詞「浅茅生の小野の篠原」(→しのぶ)/掛詞「しのぶ」(忍ぶ・篠生) 解説:参議等。篠原で「しのぶ」を導く序詞+掛詞の典型。


Q94.修辞法を答えよ。

嘆きつつひとり寝る夜のあくる間はいかに久しきものとかは知る

答え:反語「とかは知る」 解説:右大将道綱母。「ご存じか、いや知らないでしょう」。


Q95.修辞法を答えよ。

めぐりあひて見しやそれともわかぬまに雲がくれにし夜半の月かな

答え:体言止め+詠嘆「かな」/縁語「めぐる・かげ・月」 解説:紫式部。


Q96.修辞法を答えよ。

やすらはで寝なましものをさ夜ふけてかたぶくまでの月を見しかな

答え:詠嘆「かな」/反実仮想「まし」 解説:赤染衛門。「寝てしまえばよかったのに」の反実仮想。


Q97.修辞法を答えよ。

大江山いく野の道の遠ければまだふみもみず天の橋立

答え:体言止め+掛詞「いく野」(生野・行く)「ふみ」(踏み・文) 解説:小式部内侍。複合修辞の傑作。


Q98.修辞法を答えよ。

今来むといひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな

答え:詠嘆「かな」/縁語「来・待つ・月」 解説:素性法師。「来る」と「待つ」の対比。


Q99.修辞法を答えよ。

あらしふくみむろの山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり

答え:見立て(紅葉を錦に)/詠嘆「けり」 解説:能因法師。


Q100.修辞法を答えよ。

来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くやもしほの身もこがれつつ

答え:掛詞「まつ」(松・待つ)/縁語「焼く・もしほ・こがれ」 解説:藤原定家。複合修辞の入試最頻出歌。


入試レベル /20


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