古文「に」の識別 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「に」識別ドリル アイキャッチ 古文ドリル

古文最頻出「に」の8パターンを100問で完全攻略

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解説記事「古文「に」の識別 100題識別」を読む

このドリルでわかること

はじめに:「に」の正体(8パターン)

古文の「に」は 識別問題の最難関 と言われます。大きく 8種類 あります。

種類 接続/品詞 判別ポイント
① 完了の助動詞「ぬ」 連用形「に」 連用形接続 下に「き・けり・たり」など 花咲きけり
② 断定の助動詞「なり」 連用形「に」 体言・連体形接続 下に「あり・侍り・はべり」 ありけり
③ ナ変動詞「往ぬ」「死ぬ」 連用形 ナ変動詞 「往に」「死に」一語 けり/死
④ ナリ活用形容動詞 連用形語尾「に」 形容動詞 「静か」「あはれ」など語幹あり 静か/あはれ
⑤ 副詞の一部「に」 副詞 「げに」「つひに」「すで /つひ/すで
⑥ 格助詞「に」 体言・連体形接続 場所・時間・対象・目的・原因 行く/夕方着く
⑦ 接続助詞「に」 連体形接続 原因・逆接・並列「〜ので/〜のに」 雨降る、出でず
⑧ 副助詞「に」 強調 同じ語の反復「見る見る」など 待ち待ちて

識別の鉄則

識別の鉄則

  1. 下接語 を最優先で見る
  2. 「にけり/に/にたり/にけむ」→ 完了「ぬ」連用形
  3. 「にあり/に侍り/にはべり/におはす」→ 断定「なり」連用形
  4. 直前の語 を見る
  5. 体言・連体形+「に」 → 断定 or 格助詞 or 接続助詞
  6. 連用形+「に」 → 完了 or 形容動詞語尾 or ナ変動詞
  7. 副詞「げに・つひに」など → 副詞の一部(一語で覚える)
  8. 形容動詞の語尾 は「に」だけで存在しない。必ず「静か・あはれ・きよら・あらた」など語幹を伴う
  9. 接続助詞「に」 は連体形+「に」で「〜ので/〜のに」と訳せる
  10. 断定「なり」連用形「に」は下に「あり」などラ変動詞か補助動詞が必須

最初の20問は8パターンの基礎、後半に進むにつれて 入試で頻出の引っかけパターン、係り結び・敬語が絡む応用、 さらに難関大の実戦問題へとレベルが上がります。


「識別の鉄則」は文法的に正しい順序。
こちらは 試験本番で3秒で答えを出す ための実戦テクニックです。

コツ① 「に」を見たら まず下接語(直後の語) を瞬時にスキャン

  • 「にけり/にき/にたり/にけむ/にたる」→ 完了「ぬ」連用形** で即決
  • 「にあり/に侍り/にはべり/におはす/にこそ/にや/にか」→ 断定「なり」連用形**
  • この2パターンで「に」の頻出問題の 半分以上 が片付く。下を見る癖をつける。

コツ② 「○○に」の ○○の品詞・形 を見る

  • 「静か/あはれ/きよら/にはか」→ 形容動詞ナリ活用の語尾(語幹に意味がある語)
  • 「げ/つひ/さら/すで/まこと」→ 副詞の一部(一語で覚える)
  • これは「に」単独で識別せず、語幹ごとパターン暗記。

コツ③ 「往に・死に」が見えたら それだけで終了

  • 「往ぬ」「死ぬ」はナ変。「往に」「死に」は 一語の動詞の連用形
  • 形を見た瞬間に「ナ変連用形」と答えを書く。前後を見る必要なし。

コツ④ 「連体形+に」は 訳して決める

  • 「〜のに/〜ので」と訳せる → 接続助詞「に」(例:雨降る、出でず)
  • 場所・時間・対象を表す → 格助詞「に」(例:京行く)
  • 連体形の下に「あり/侍り」があれば断定(コツ①の例外確認)

試験本番でのチェック順序

  1. 下接語 を見る(けり・たり・あり・侍り → 完了 or 断定で即決)
  2. 「往に」「死に」かどうか確認(YES → ナ変連用形)
  3. 直前が「静か・あはれ」など 語幹 ならナリ活用形容動詞語尾
  4. 「げに・つひに」などは副詞として一語で覚えている語と照合
  5. 残ったら 連体形+に → 訳で接続助詞 or 格助詞を決める

→ この順番で 3秒 で答えが出ます。

よくある引っかけ

  • にて」「にして」が来たら「に」単独で識別せず別物として扱う(場所・手段の格助詞または接続)
  • 「ありけり」のような 「あり+に+けり」 は完了「ぬ」連用形。断定と勘違いしない
  • にこそ/にや/にか」は 断定「なり」+係助詞 で、下に「あらめ/あらむ」が省略されているパターン
  • 形容動詞語尾の「に」を格助詞と取り違える → 語幹に意味があるかで判定

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編(Q1〜Q20)

8パターンを純粋に識別する基本問題。


Q1.次の傍線部「に」を識別せよ。

花咲きけり。

答え:完了の助動詞「ぬ」連用形「に」 解説:「咲き」は四段「咲く」連用形。直後「けり」は連用形接続の過去。「に+けり」は完了「ぬ」連用形+過去「けり」の定型。「花が咲いてしまった」。


Q2.次の傍線部「に」を識別せよ。

ありけり。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「男」+「に」+「あり」(ラ変)。「断定+あり」は典型構文で、「〜である」の意。「男であった」。


Q3.次の傍線部「に」を識別せよ。

静か眠る。

答え:ナリ活用形容動詞「静かなり」連用形語尾「に」 解説:「静か」(語幹)+「に」(活用語尾)で形容動詞の連用形。下に動詞「眠る」が来る修飾。「静かに眠る」。


Q4.次の傍線部「に」を識別せよ。

行く。

答え:格助詞「に」 解説:体言「京」+「に」+動詞「行く」。場所・方向を示す格助詞。「京に行く」。


Q5.次の傍線部「に」を識別せよ。

雨降る、出でず。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「降る」+「に」。連体形接続の接続助詞で、原因「〜ので」または逆接「〜のに」の意。ここは「雨が降るので、出かけない」。


Q6.次の傍線部「に」を識別せよ。

春過ぎて夏来けり。

答え:完了の助動詞「ぬ」連用形「に」 解説:「来(き)」カ変連用形+「に+けり」。万葉集の有名な歌。「春が過ぎて、夏が来てしまったなあ」。


Q7.次の傍線部「に」を識別せよ。

あはれ思ふ。

答え:ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形語尾「に」 解説:「あはれ」(語幹)+「に」(活用語尾)+「思ふ」。「しみじみと思う」。


Q8.次の傍線部「に」を識別せよ。

入る。

答え:格助詞「に」 解説:体言「山」+「に」+動詞「入る」。場所を示す格助詞。


Q9.次の傍線部「に」を識別せよ。

けり。

答え:ナ変動詞「往ぬ」連用形「往に」 解説:「往ぬ」(立ち去る、ナ行変格活用)の連用形「往に」+過去「けり」。「立ち去った」。「往に」で一語の動詞活用形。


Q10.次の傍線部「に」を識別せよ。

さも侍る。

答え:副詞「げに」の一部「に」 解説:「げに」(=本当に、なるほど)は一語の副詞。「に」を独立した助詞・助動詞と取らない。「本当にそのようでございます」。


Q11.次の傍線部「に」を識別せよ。

ありけり。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「都」+「に」+「ありけり」。「都であった/都にいた」と訳す場合は格助詞「に」+「あり」(存在)の解釈もあるが、定型「に+あり」は断定。文脈で判断。多くは断定として処理。


Q12.次の傍線部「に」を識別せよ。

つひ雪降りぬ。

答え:副詞「つひに」の一部「に」 解説:「つひに」(=ついに、とうとう)は一語の副詞。「とうとう雪が降ってしまった」。


Q13.次の傍線部「に」を識別せよ。

夕方着く。

答え:格助詞「に」 解説:体言「夕方」+「に」+動詞「着く」。時間を示す格助詞。


Q14.次の傍線部「に」を識別せよ。

花咲く、人来たる。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「咲く」+「に」。原因「〜ので」または時「〜と」。「花が咲くので、人が来る」。


Q15.次の傍線部「に」を識別せよ。

ぬ。

答え:ナ変動詞「死ぬ」連用形「死に」 解説:「死ぬ」(ナ変)の連用形「死に」+完了「ぬ」終止形。「死んでしまった」。「死に」で一語の動詞活用形。


Q16.次の傍線部「に」を識別せよ。

あらた造る。

答え:ナリ活用形容動詞「あらたなり」連用形語尾「に」 解説:「あらた」(語幹)+「に」+「造る」。「新たに造る」。


Q17.次の傍線部「に」を識別せよ。

会ふ。

答え:格助詞「に」 解説:体言「母」+「に」+動詞「会ふ」。相手・対象を示す格助詞。


Q18.次の傍線部「に」を識別せよ。

花咲きたり。

答え:完了の助動詞「ぬ」連用形「に」 解説:「咲き」連用形+「に+たり」。完了「ぬ」連用形+存続「たり」。「花が咲いている」。


Q19.次の傍線部「に」を識別せよ。

御使ひ侍り。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「御使ひ」+「に」+「侍り」(補助動詞)。「お使いでございます」。「に+侍り」も断定の典型。


Q20.次の傍線部「に」を識別せよ。

すで夜更けぬ。

答え:副詞「すでに」の一部「に」 解説:「すでに」(=もう、とっくに)は一語の副詞。「もう夜が更けてしまった」。


基礎編 /20


【第2部】標準編(Q21〜Q50)

「に」の前後にさらに別の助動詞・敬語・係助詞が絡むパターン、文脈で識別が必要なパターン。


Q21.次の傍線部「に」を識別せよ。

月出でけり。

答え:完了の助動詞「ぬ」連用形「に」 解説:「出で」下二段「出づ」連用形+「にけり」。「月が出てしまった」。


Q22.次の傍線部「に」を識別せよ。

おはしけり。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「男」+「に」+「おはす」(尊敬補助動詞)。「に+おはす」も断定の典型。「(高貴な方が)男でいらっしゃった」。


Q23.次の傍線部「に」を識別せよ。

あはれ侍り。

答え:ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形語尾「に」 解説:形容動詞「あはれなり」連用形「あはれに」+丁寧の補助動詞「侍り」。「しみじみと感慨深うございます」。語幹「あはれ」+活用語尾「に」で形容動詞の連用形。


Q24.次の傍線部「に」を識別せよ。

夜更くる、なほ語る。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「更くる」(下二段「更く」)+「に」。「夜が更けるのに、なお語る」(逆接)または「夜が更けてくるので、なお語る」(原因)。


Q25.次の傍線部「に」を識別せよ。

のぼる。

答え:格助詞「に」 解説:体言「京」+「に」+動詞「のぼる」。方向を示す格助詞。


Q26.次の傍線部「に」を識別せよ。

露置く秋なりぬ。

答え:格助詞「に」 解説:「秋」+「に」+「なる」。「〜になる」の構文では格助詞「に」が変化の結果を示す。 ※「なり」が断定の「なり」ではなく動詞「なる」(成る)であることに注意。


Q27.次の傍線部「に」を識別せよ。

哀れもあるかな。

答え:ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形語尾「に」 解説:「あはれ」+「に」(活用語尾)+係助詞「も」+「あり」+詠嘆「かな」。「しみじみとしているなあ」。 ※「に+も+あり」の形は形容動詞語尾の連用形+係助詞「も」+ラ変動詞。


Q28.次の傍線部「に」を識別せよ。

たる人。

答え:ナ変動詞「死ぬ」連用形「死に」 解説:「死に」(ナ変連用)+「たり」(連用形接続の存続)連体形+体言「人」。「死んでいる人」。


Q29.次の傍線部「に」を識別せよ。

ことさら急ぐ。

答え:ナリ活用形容動詞「ことさらなり」連用形語尾「に」 解説:「ことさら」(語幹)+「に」+「急ぐ」。「わざわざ急ぐ」。


Q30.次の傍線部「に」を識別せよ。

迷ふ。

答え:格助詞「に」 解説:体言「道」+「に」+動詞「迷ふ」。場所・対象を示す格助詞。


Q31.次の傍線部「に」を識別せよ。

花咲く、雨降れり。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「咲く」+「に」。逆接「〜のに」または「〜と同時に」。「花が咲くのに、雨が降っていた」。


Q32.次の傍線部「に」を識別せよ。

我れ古典の道あらず。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「道」+断定「なり」連用形「に」+ラ変「あり」未然形「あら」+打消「ず」終止形。「私は古典の道(の専門家)ではない」。「に+あり/侍り」のパターンは断定の典型。


Q33.次の傍線部「に」を識別せよ。

都人侍り。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「都人」+「に」+「侍り」。「都の人でございます」。


Q34.次の傍線部「に」を識別せよ。

入る人なし。

答え:格助詞「に」 解説:「山」+「に」+「入る」。場所を示す格助詞。


Q35.次の傍線部「に」を識別せよ。

雪降り出でけり。

答え:完了の助動詞「ぬ」連用形「に」 解説:「降り出で」(複合動詞)連用形+「にけり」。「雪が降り始めてしまった」。


Q36.次の傍線部「に」を識別せよ。

寒げ見ゆ。

答え:ナリ活用形容動詞「寒げなり」連用形語尾「に」 解説:「寒げ」(語幹)+「に」+「見ゆ」。「寒そうに見える」。「〜げなり」は様子・状態を表す形容動詞語尾。


Q37.次の傍線部「に」を識別せよ。

な問ひそ。

答え:格助詞「に」 解説:体言「我」+「に」+禁止「な〜そ」。「私に尋ねないでくれ」。


Q38.次の傍線部「に」を識別せよ。

のどか過ぐ。

答え:ナリ活用形容動詞「のどかなり」連用形語尾「に」 解説:形容動詞「のどかなり」連用形「のどかに」+動詞「過ぐ」。「のどかに過ごす」。語幹「のどか」+活用語尾「に」で形容動詞の連用形。


Q39.次の傍線部「に」を識別せよ。

いかせむ。

答え:ナリ活用形容動詞「いかなり」連用形語尾「に」 解説:「いか」(語幹「いかなり」の語幹)+「に」(活用語尾)+「せむ」。「どうしようか」。 ※「いかに」は感動詞的にも使われるが、もとは形容動詞連用形。


Q40.次の傍線部「に」を識別せよ。

帰る帰られず。

答え:副助詞・接続助詞の用法(強調)「に」 解説:同じ動詞の反復「動詞A動詞A・れ・ず」で「動詞しようとしてもできない」の意。「帰ろうとしても帰れない」。「に」は強調用法。 ※ 文法書によって接続助詞・副助詞の分類が分かれるが、典型的反復構文として覚える。


Q41.次の傍線部「に」を識別せよ。

思ふ。

答え:副詞の一部「げに」 解説:副詞「げに」(=本当に、なるほど)の一部としての「に」。一語で覚える副詞表現。「本当にそう思う」。「げに」「すでに」「つひに」「いかに」など、副詞は一語まるごと覚える。


Q42.次の傍線部「に」を識別せよ。

漕ぎ出づ。

答え:格助詞「に」 解説:「海」+「に」+動詞「漕ぎ出づ」。場所・方向を示す格助詞。


Q43.次の傍線部「に」を識別せよ。

ことば多き、心せばし。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「多き」(形容詞「多し」ク活用連体形)+「に」。「言葉が多いのに、心は狭い」(逆接)。


Q44.次の傍線部「に」を識別せよ。

御所侍り。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 or 格助詞「に」+ラ変「侍り」(存在) 解説:両方の解釈が可能。「御所でございます」(断定)/「御所におります」(存在)。文脈で判断。 ※ 多くの場合、所在を述べる場面なら格助詞+ラ変、身分・性質を述べる場面なら断定。


Q45.次の傍線部「に」を識別せよ。

あらた起こる。

答え:ナリ活用形容動詞「あらたなり」連用形語尾「に」 解説:「あらた」+「に」+「起こる」。「新たに起こる」。


Q46.次の傍線部「に」を識別せよ。

寝(ね)けり。

答え:完了の助動詞「ぬ」連用形「に」 解説:下二段「寝(ぬ)」連用形「ね」+完了「ぬ」連用形「に」+過去「けり」終止形。「眠ってしまった」。連用形+「に+けり」は「〜にけり」=完了のパターン(最頻出)。


Q47.次の傍線部「に」を識別せよ。

雪深き、道見えず。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「深き」(形容詞「深し」ク活用連体形)+「に」。原因「〜ので」。「雪が深いので、道が見えない」。


Q48.次の傍線部「に」を識別せよ。

は花咲きにけり。

答え:格助詞「に」 解説:体言「都」+「に」+係助詞「は」。「都では花が咲いてしまった」。


Q49.次の傍線部「に」を識別せよ。

夜半おどろく。

答え:格助詞「に」 解説:体言「夜半」+「に」+動詞「おどろく」。時を示す格助詞。「夜中に目を覚ます」。


Q50.次の傍線部「に」を識別せよ。

をかしげものし給ふ。

答え:ナリ活用形容動詞「をかしげなり」連用形語尾「に」 解説:「をかしげ」(=趣ある様子の、語幹)+「に」+「ものし給ふ」。「趣のある様子でいらっしゃる」。


標準編 /30


【第3部】応用編(Q51〜Q80)

文脈・係り結び・敬語・引用が絡む応用問題。


Q51.次の傍線部「に」を識別せよ。

あはれおぼしめす。

答え:ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形語尾「に」 解説:「あはれ」+「に」+尊敬「おぼしめす」(=お思いになる)。「しみじみとお思いになる」。


Q52.次の傍線部「に」を識別せよ。

風のどか吹く。

答え:ナリ活用形容動詞「のどかなり」連用形語尾「に」 解説:形容動詞「のどかなり」連用形「のどかに」+動詞「吹く」。「風がのどかに吹く」。語幹「のどか」+活用語尾「に」。


Q53.次の傍線部「に」を識別せよ。

我は男こそありけれ。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「男」+「に」+係助詞「こそ」+「あり」+過去「けり」已然形「けれ」(こその結び)。「私は男であった(よ)」。「に+こそ+あり+けれ」は断定の典型構文。


Q54.次の傍線部「に」を識別せよ。

大納言ぞありける。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「大納言」+「に」+係助詞「ぞ」+「あり」+過去「けり」連体形「ける」(ぞの結び)。「大納言であった」。


Q55.次の傍線部「に」を識別せよ。

知る及ばず。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「知る」+「に」+「及ばず」。「知るに及ばない/知るまでもない」。慣用表現。


Q56.次の傍線部「に」を識別せよ。

物のあはれを知らぬ人もあらず。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:連体形「知らぬ人」+「に」+係助詞「も」+「あら(あり未然)」+打消「ず」。「物のあわれを知らない人でもない」。 ※「に+も+あらず」も断定構文。


Q57.次の傍線部「に」を識別せよ。

庭の様子いとあやしげに梅の花…

答え:形容動詞「あやしげなり」連用形語尾「に」 解説:「あやしげ」(=怪しげな様子)+「に」。形容動詞「あやしげなり」の連用形語尾。


Q58.次の傍線部「に」を識別せよ。

あはれ思ひ給ふ。

答え:ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形語尾「に」 解説:形容動詞「あはれなり」連用形「あはれに」+動詞「思ふ」連用形「思ひ」+尊敬の補助動詞「給ふ」。「しみじみとお思いになる」。語幹「あはれ」+活用語尾「に」。


Q59.次の傍線部「に」を識別せよ。

名月雲ある。

答え:接続助詞「に」(または格助詞「に」) 解説:体言「名月」+「に」+動詞「ある」。場所・状態を示す格助詞「名月に雲がある」。 ※ 連体形+「に」なら接続助詞だが、ここは体言+「に」なので格助詞。


Q60.次の傍線部「に」を識別せよ。

心ゆる待ちぬ。

答え:ナリ活用形容動詞「心ゆるなり」連用形語尾「に」 解説:「心ゆる」(=ゆるやかな、語幹)+「に」+「待ちぬ」。「ゆったりと待った」。 ※「心ゆる」は形容動詞語幹として独立して用いられる古語。


Q61.次の傍線部「に」を識別せよ。

雨降る、なほ来たる人なし。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「降る」+「に」。「雨が降るのに、なおも来る人はいない」(逆接)。


Q62.次の傍線部「に」を識別せよ。

祈り給ふ。

答え:格助詞「に」 解説:体言「神」+「に」+動詞「祈る」。対象を示す格助詞。


Q63.次の傍線部「に」を識別せよ。

もぬる袖。

答え:格助詞「に」 解説:体言「露」+「に」+係助詞「も」+「ぬる」(下二段「濡る」連体形)+体言「袖」。「露でも濡れる袖」。原因・手段を示す格助詞。


Q64.次の傍線部「に」を識別せよ。

飽かず別る。

答え:副助詞・接続助詞的用法「に」 解説:打消「ず」連用形+「に」+「別る」。「物足りないまま別れる」の意で「ず+に」は連用形扱い。 ※ 厳密には「ず」連用形+接続助詞「に」と解釈する文法書もある。


Q65.次の傍線部「に」を識別せよ。

御供仕うまつる、御車止まりぬ。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「仕うまつる」+「に」。「お供申し上げると/お供申し上げていると」。


Q66.次の傍線部「に」を識別せよ。

あらは仰せらる。

答え:ナリ活用形容動詞「あらはなり」連用形語尾「に」 解説:「あらは」(=明らかな、語幹)+「に」+尊敬「仰せらる」。「あらわにお命じになる」。


Q67.次の傍線部「に」を識別せよ。

月さしけり。

答え:格助詞「に」 解説:「庭」+「に」+動詞「さす」。場所を示す格助詞。「庭に月の光がさし込んでいた」。


Q68.次の傍線部「に」を識別せよ。

静か思ひ侍り。

答え:ナリ活用形容動詞「静かなり」連用形語尾「に」 解説:形容動詞「静かなり」連用形「静かに」+動詞「思ふ」連用形「思ひ」+丁寧の補助動詞「侍り」。「静かに思っております」。語幹「静か」+活用語尾「に」。


Q69.次の傍線部「に」を識別せよ。

思ふたがふ。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「思ふ」+「に」+「たがふ」(=異なる)。「思うのと違う」。


Q70.次の傍線部「に」を識別せよ。

ぞ宿る。

答え:格助詞「に」 解説:「月」+「に」+係助詞「ぞ」+「宿る」(連体形が結び)。「月にこそ宿る/月に宿るのだ」。場所を示す格助詞。


Q71.次の傍線部「に」を識別せよ。

あけぼのこそ。

答え:格助詞「に」 解説:「あけぼの」(=明け方)+「に」+係助詞「こそ」(結びの省略、文意「〜であろう」)。「明け方こそ(趣がある)」。枕草子の有名な「春はあけぼの」の文体。


Q72.次の傍線部「に」を識別せよ。

な慕はれそ。

答え:格助詞「に」 解説:「鳥」+「に」+禁止「な〜そ」「慕はれ」(四段「慕ふ」未然+受身「る」連用)。「鳥に慕われるな」。受身の対象を示す格助詞。


Q73.次の傍線部「に」を識別せよ。

待ち待ちたれども、来ず。

答え:副助詞・強調用法「に」 解説:同じ動詞の連用形反復「動詞A連用+に+動詞A連用・たり」で強調。「ずっと待ち続けたけれども、来ない」。


Q74.次の傍線部「に」を識別せよ。

名月雲、花風。

答え:格助詞「に」 解説:「名月」+「に」+「雲」、「花」+「に」+「風」。並列・対比の格助詞。「名月には雲、花には風(がつきもの)」。徒然草の「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」の文脈に近い。


Q75.次の傍線部「に」を識別せよ。

をかしげおはす。

答え:ナリ活用形容動詞「をかしげなり」連用形語尾「に」 解説:「をかしげ」+「に」+尊敬「おはす」。「趣のある様子でいらっしゃる」。


Q76.次の傍線部「に」を識別せよ。

孝なる人。

答え:格助詞「に」 解説:「親」+「に」+形容動詞「孝なる」連体形+体言「人」。「親に孝行な人」。対象を示す格助詞。


Q77.次の傍線部「に」を識別せよ。

行く春惜しまるる人。

答え:格助詞「に」 解説:「行く春」+「に」+「惜しまるる」(四段「惜しむ」未然+受身「る」連体)+「人」。「過ぎ行く春に惜しまれる人」。受身の動作主を示す格助詞。


Q78.次の傍線部「に」を識別せよ。

祈る。

答え:格助詞「に」(対象) 解説:体言「神」+格助詞「に」(動作の対象)+動詞「祈る」。「神に祈る」。体言+に+動詞のパターンで、対象・場所・時間を示す格助詞。


Q79.次の傍線部「に」を識別せよ。

散る花。

答え:格助詞「に」 解説:「嵐」+「に」+動詞「散る」+体言「花」。原因・手段を示す格助詞。「嵐によって散る花」。


Q80.次の傍線部「に」を識別せよ。

言ふ言はれず。

答え:副助詞・強調用法「に」 解説:同じ動詞の反復「言ふ言は・れ・ず」で「言おうとしても言えない/言うに言われない」。


応用編 /30


【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)

実際の大学入試(共通テスト・難関私大・国公立二次)レベル。


Q81.次の傍線部「に」を識別せよ。

男ありけり。その男、身を要なきものに思ひなして、京にはあらじ、東の方に住むべき国求めにとて行きけり。

答え:傍線部の「に」の解釈 解説:「求めにとて」の「に」は格助詞「に」+引用「とて」。「求めて」の意の動作の目的を示す格助詞。伊勢物語第九段の冒頭。「(住むのに適した)国を求めようとして行った」。 正答:格助詞「に」


Q82.次の傍線部「に」を識別せよ。

いつぞやの事なりけむ。月の出づるを見つけたる人ありて、「あれは何か」と問ひければ、隣の翁、「月にこそあれ」と答ふ。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「何」+「に」+係助詞「か」(疑問)。連体形の結びとして「あらむ」「ある」などが省略されている。「あれは何であろうか」。「に+か(+あらむ)」の断定構文。


Q83.次の傍線部「に」を識別せよ。

京にて生まれたりし女子、国にてにはかに失せにしかば、このたび、はやくと思ふ心あり。

答え:完了の助動詞「ぬ」連用形「に」 解説:「失せ」下二段「失す」連用形+「に」(完了「ぬ」連用形)+「し」(過去「き」連体形)+「かば」(已然形+ば の音便、原因)。土佐日記の有名な一節。「(国で)急に亡くなってしまったので」。


Q84.次の傍線部「に」を識別せよ。

五月雨を集めて早し最上川――この句、芭蕉が出羽の国にて詠ぜしものにこそ。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「もの」+「に」+係助詞「こそ」+結び省略(〜あれ)。「(〜詠じた)ものである(よ)」。


Q85.次の傍線部「に」を識別せよ。

雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子参りて、炭櫃に火おこし、物語などしてあつまり候ふに、「少納言よ、香炉峰の雪、いかならむ」と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑はせ給ふ。

答え:傍線部「物語などしてあつまり候ふ」の「に」 解説:連体形「候ふ」+「に」。接続助詞で「〜していたところ」の意。枕草子「香炉峰の雪」段。「物語などをして集まり申し上げていたところ」。 正答:接続助詞「に」


Q86.次の傍線部「に」を識別せよ。

中納言参り給ひて、御扇奉らせ給ふ、「隆家こそいみじき骨は得て侍れ」と申し給ふ。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「給ふ」+「に」。「中納言が参上なさって、御扇を差し上げなさるときに」。枕草子の有名な一節。


Q87.次の傍線部「に」を識別せよ。

春はあけぼの白くなりゆく山際、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

答え:格助詞「に」(時を示す) 解説:体言「あけぼの」+格助詞「に」。「明け方には、白くなってゆく山際…」。時を示す格助詞。


Q88.次の傍線部「に」を識別せよ。

いとほしき御けはひに、上心も乱れて、「げに、かばかりの罪、深かるべし」と思ひ給ふ。

答え:格助詞「に」 解説:体言「上」(=帝、宮中の方)+「に」+動詞「心も乱る」。対象を示す格助詞。「帝(の御様子)に心も乱れて」。


Q89.次の傍線部「に」を識別せよ。

折節の移り変はるこそ、ものごとあはれなれ。

答え:格助詞「に」(または接続助詞的用法) 解説:「ものごと」+「に」+形容動詞「あはれなり」已然形「あはれなれ」(こその結び)。「ものごとにしみじみとした趣がある」。徒然草の一節。 ※「ものごとに」の「に」は副詞句を作る格助詞。


Q90.次の傍線部「に」を識別せよ。

我は男にしあれば、女のかかる目に遭ふを見るも、心苦しき限りなり。

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「男」+「に」+副助詞「し」(強調)+「あれ」(ラ変已然形)+「ば」(原因)。「私は男であるので」。「に+し+あれば」も断定の典型。


Q91.次の傍線部「に」を識別せよ。

よろづいみじ。

答え:格助詞「に」(または副詞的用法) 解説:「よろづ」(=万事)+「に」+形容詞「いみじ」(=甚だしい)。「万事においてはなはだしい/何もかもひどい」。


Q92.次の傍線部「に」を識別せよ。

木の葉に埋もるる懸樋のしづくならで、つゆおとなふものなし。閼伽棚に菊・紅葉など折り散らしたる、さすが住む人のあればなるべし。

答え:副詞「さすがに」の一部「に」 解説:「さすがに」は一語の副詞(=やはり、なんといっても)。徒然草第十一段。「やはり住む人がいるからなのであろう」。


Q93.次の傍線部「に」を識別せよ。

あけぼのの空ぼおぼろにかすめる、人の声する。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「かすめる」(四段「かすむ」已然形「かすめ」+完了「り」連体形「る」)+「に」。「明け方の空がほのぼのと霞んでいるところに、人の声がする」。


Q94.次の傍線部「に」を識別せよ。

名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしや

答え:終助詞的用法「に」(または間投助詞) 解説:和歌の句末で「〜だなあ/〜であるか」と詠嘆・疑問を示す用法。伊勢物語第九段「東下り」の歌。正格な助動詞・助詞の枠を超えるが、文末用法として記憶。


Q95.次の傍線部「に」を識別せよ。

かかれども、口に出さず。

答え:格助詞「に」 解説:体言「心」+「に」+動詞「かかる」。場所・対象を示す格助詞。「心にかかるけれども、口に出さない」。


Q96.次の傍線部「に」を識別せよ。

雪のいと高う降りたる、几帳の帷子のさやさやと鳴る。

答え:接続助詞「に」 解説:連体形「降りたる」(四段連用+完了「たり」連体)+「に」。「雪が高く降り積もっているところに/積もっているうちに」。


Q97.次の傍線部「に」を識別せよ。

ねぶたきも、人のけはひ、ふと目覚むるものなり。

答え:格助詞「に」 解説:体言「けはひ」+「に」+動詞「目覚む」。原因・契機を示す格助詞。「眠いときも、人の気配によって、ふっと目覚めるものだ」。


Q98.次の傍線部「に」を識別せよ。

唐土の人は、これをいみじと思へばこそ、記しとどめて世にも伝へけめ、これらは、ただ夢のごとくにある。

答え:副詞「夢のごとくに」の一部「に」 解説:「ごとくに」は比況の助動詞「ごとし」連用形「ごとく」+格助詞「に」、または副詞的用法。「夢のように」の意。


Q99.次の傍線部「に」を識別せよ。

物のあはれは秋こそまされと人ごといふ。

答え:格助詞「に」 解説:「人ごと」(=人それぞれ)+「に」+「いふ」。「人それぞれが言う/人ごとに言う」。徒然草の一節。


Q100.次の傍線部「に」を識別せよ。

行く川のながれは絶えずしてしかも、もとの水にあらず

答え:断定の助動詞「なり」連用形「に」 解説:体言「もとの水」+「に」+「あら」(ラ変未然)+「ず」(打消)。方丈記冒頭の有名な一節。「もとの水ではない」。「に+あらず」は断定の打消。


入試レベル /20


合計 /100


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