漢文の重要助字 100題ドリル|之・也・与・為・以

漢文 重要助字 100題 アイキャッチ 漢文ドリル

📖 はじめての人は、先に 「重要助字(之・也・与・為・以・所・者)」の解説 で理屈を押さえると解きやすくなります。

縦書きの漢文(返り点つき)を読んで答える、入試形式の漢文ドリルです。スマホでも解けるよう、答え・書き下し・現代語訳は各問の下に表示しています。

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はじめに

漢文では、同じ字が文中の位置によっていくつもの働きをします。とくに頻出の之・也・与・為・以・所・者を、縦書きの漢文(返り点つき)で見分けましょう。

字 主な用法
之 の(連体)/これ(代名詞)/主述の間/ゆく(動詞)
也 なり(断定)/や・か(疑問・反語)
与 と(並列)/与ふ(動詞)/比較
為 なす(動詞)/たり(断定)/ために/る(受身・為〜所)
以 もって(手段)/〜のために(理由)/以為(おもへらく)
所 ところ/受身(為〜所)/ゆゑん(所以)
者 もの/は(提示)

鉄則…位置を見る。A之B=AのB、動詞+之=これを。文末の也=なり、疑問語+也=や。為〜所=〜される、所以=わけ。

採点表

部 問題 目標
第1部 Q1〜Q25 20/25
第2部 Q26〜Q50 19/25
第3部 Q51〜Q75 18/25
第4部 Q76〜Q100 17/25

【第1部】(Q1〜Q25)

問題(Q1〜Q100)

用法Q1.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

王之臣
ア 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
イ 代名詞「これ」(之を…)
ウ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
エ 動詞「ゆく(行く)」

▶ 答え:ア 「之」は連体修飾の「の」(A之B=AのB)。書き下し「王の臣」=王の家臣。

用法Q2.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

学問之道
ア 主語・述語の間(訳さない・「が」)
イ 代名詞「これ」(之を…)
ウ 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
エ 動詞「ゆく(行く)」

▶ 答え:ウ 「之」は連体修飾の「の」(A之B=AのB)。書き下し「学問の道」=学問の道。

用法Q3.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

君子之徳
ア 代名詞「これ」(之を…)
イ 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
ウ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
エ 動詞「ゆく(行く)」

▶ 答え:イ 「之」は連体修飾の「の」(A之B=AのB)。書き下し「君子の徳」=君子の徳。

用法Q4.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

父母之恩
ア 動詞「ゆく(行く)」
イ 代名詞「これ」(之を…)
ウ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
エ 連体修飾の「の」(A之B=AのB)

▶ 答え:エ 「之」は連体修飾の「の」(A之B=AのB)。書き下し「父母の恩」=父母の恩。

用法Q5.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

天下之宝
ア 代名詞「これ」(之を…)
イ 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
ウ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
エ 動詞「ゆく(行く)」

▶ 答え:イ 「之」は連体修飾の「の」(A之B=AのB)。書き下し「天下の宝」=天下の宝。

用法Q6.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

知ルレ之ヲ
ア 代名詞「これ」(之を…)
イ 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
ウ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
エ 動詞「ゆく(行く)」

▶ 答え:ア 「之」は代名詞「これ」(之を…)。書き下し「之を知る」=これを知る。

用法Q7.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

取ルレ之ヲ
ア 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
イ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
ウ 代名詞「これ」(之を…)
エ 動詞「ゆく(行く)」

▶ 答え:ウ 「之」は代名詞「これ」(之を…)。書き下し「之を取る」=これを取る。

用法Q8.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

愛スレ之ヲ
ア 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
イ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
ウ 代名詞「これ」(之を…)
エ 動詞「ゆく(行く)」

▶ 答え:ウ 「之」は代名詞「これ」(之を…)。書き下し「之を愛す」=これを愛する。

用法Q9.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

求ムレ之ヲ
ア 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
イ 動詞「ゆく(行く)」
ウ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
エ 代名詞「これ」(之を…)

▶ 答え:エ 「之」は代名詞「これ」(之を…)。書き下し「之を求む」=これを求める。

用法Q10.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

養フレ之ヲ
ア 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
イ 動詞「ゆく(行く)」
ウ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
エ 代名詞「これ」(之を…)

▶ 答え:エ 「之」は代名詞「これ」(之を…)。書き下し「之を養ふ」=これを養う。

用法Q11.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

鳥之飛ブ
ア 主語・述語の間(訳さない・「が」)
イ 代名詞「これ」(之を…)
ウ 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
エ 動詞「ゆく(行く)」

▶ 答え:ア 「之」は主語・述語の間(訳さない・「が」)。書き下し「鳥の飛ぶ」=鳥が飛ぶ。

用法Q12.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

民之帰スル
ア 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
イ 代名詞「これ」(之を…)
ウ 動詞「ゆく(行く)」
エ 主語・述語の間(訳さない・「が」)

▶ 答え:エ 「之」は主語・述語の間(訳さない・「が」)。書き下し「民の帰する」=民が従う。

用法Q13.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

水之流ルル
ア 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
イ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
ウ 代名詞「これ」(之を…)
エ 動詞「ゆく(行く)」

▶ 答え:イ 「之」は主語・述語の間(訳さない・「が」)。書き下し「水の流るる」=水が流れる。

用法Q14.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

天之高キ
ア 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
イ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
ウ 代名詞「これ」(之を…)
エ 動詞「ゆく(行く)」

▶ 答え:イ 「之」は主語・述語の間(訳さない・「が」)。書き下し「天の高き」=天が高いこと。

用法Q15.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

之クレ斉ニ
ア 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
イ 代名詞「これ」(之を…)
ウ 動詞「ゆく(行く)」
エ 主語・述語の間(訳さない・「が」)

▶ 答え:ウ 「之」は動詞「ゆく(行く)」。書き下し「斉に之く」=斉の国へ行く。

用法Q16.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

之クレ楚ニ
ア 連体修飾の「の」(A之B=AのB)
イ 動詞「ゆく(行く)」
ウ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
エ 代名詞「これ」(之を…)

▶ 答え:イ 「之」は動詞「ゆく(行く)」。書き下し「楚に之く」=楚の国へ行く。

用法Q17.傍線部「之」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

牛何クニカ之ク
ア 動詞「ゆく(行く)」
イ 代名詞「これ」(之を…)
ウ 主語・述語の間(訳さない・「が」)
エ 連体修飾の「の」(A之B=AのB)

▶ 答え:ア 「之」は動詞「ゆく(行く)」。書き下し「牛何くにか之く」=牛はどこへ行くのか。

用法Q18.傍線部「也」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

是レ君子也
ア 句中の語調を整える「や」
イ 疑問・反語の「や・か」
ウ 断定の「なり」

▶ 答え:ウ 「也」は断定の「なり」。書き下し「是れ君子なり」=これは君子だ。

用法Q19.傍線部「也」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

仁ハ人ノ心也
ア 断定の「なり」
イ 疑問・反語の「や・か」
ウ 句中の語調を整える「や」

▶ 答え:ア 「也」は断定の「なり」。書き下し「仁は人の心なり」=仁は人の心だ。

用法Q20.傍線部「也」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

是レ吾ガ罪也
ア 断定の「なり」
イ 疑問・反語の「や・か」
ウ 句中の語調を整える「や」

▶ 答え:ア 「也」は断定の「なり」。書き下し「是れ吾が罪なり」=これは私の罪だ。

用法Q21.傍線部「也」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

兵ハ凶器也
ア 疑問・反語の「や・か」
イ 断定の「なり」
ウ 句中の語調を整える「や」

▶ 答え:イ 「也」は断定の「なり」。書き下し「兵は凶器なり」=武器は不吉な道具だ。

用法Q22.傍線部「也」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

子何ヲカ為ス也
ア 断定の「なり」
イ 疑問・反語の「や・か」
ウ 句中の語調を整える「や」

▶ 答え:イ 「也」は疑問・反語の「や・か」。書き下し「子何をか為すや」=あなたは何をするのか。

用法Q23.傍線部「也」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

是レ誰ノ過チゾ也
ア 断定の「なり」
イ 句中の語調を整える「や」
ウ 疑問・反語の「や・か」

▶ 答え:ウ 「也」は疑問・反語の「や・か」。書き下し「是れ誰の過ちぞや」=これは誰の過ちか。

用法Q24.傍線部「也」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

何ゾ遅キ也
ア 断定の「なり」
イ 句中の語調を整える「や」
ウ 疑問・反語の「や・か」

▶ 答え:ウ 「也」は疑問・反語の「や・か」。書き下し「何ぞ遅きや」=どうして遅いのか。

用法Q25.傍線部「与」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

我ト与レ汝
ア 動詞「与ふ(あたえる)」
イ 並列の「と」(AとB)
ウ 比較・選択(A与B…いづれか)

▶ 答え:イ 「与」は並列の「と」(AとB)。「A与B」は「AとBと」と読み、「与」は下の字から返って読む(返読文字)。書き下し「我と汝と」=私とあなた。

用法Q26.傍線部「与」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

父ト与レ子
ア 比較・選択(A与B…いづれか)
イ 動詞「与ふ(あたえる)」
ウ 並列の「と」(AとB)

▶ 答え:ウ 「与」は並列の「と」(AとB)。書き下し「父と子と」=父と子。

用法Q27.傍線部「与」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

礼ト与レ楽
ア 並列の「と」(AとB)
イ 動詞「与ふ(あたえる)」
ウ 比較・選択(A与B…いづれか)

▶ 答え:ア 「与」は並列の「と」(AとB)。書き下し「礼と楽と」=礼儀と音楽。

用法Q28.傍線部「与」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

与フ二之ニ金ヲ一
ア 動詞「与ふ(あたえる)」
イ 並列の「と」(AとB)
ウ 比較・選択(A与B…いづれか)

▶ 答え:ア 「与」は動詞「与ふ(あたえる)」。書き下し「之に金を与ふ」=彼に金を与える。

用法Q29.傍線部「与」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

与フレ民ニ
ア 並列の「と」(AとB)
イ 動詞「与ふ(あたえる)」
ウ 比較・選択(A与B…いづれか)

▶ 答え:イ 「与」は動詞「与ふ(あたえる)」。書き下し「民に与ふ」=民に与える。

用法Q30.傍線部「与」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

天与フレ之ヲ
ア 並列の「と」(AとB)
イ 比較・選択(A与B…いづれか)
ウ 動詞「与ふ(あたえる)」

▶ 答え:ウ 「与」は動詞「与ふ(あたえる)」。書き下し「天之を与ふ」=天がこれを与える。

用法Q31.傍線部「為」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

為スレ学ヲ
ア 受身「る・らる」(為〜所)
イ 断定の「たり」
ウ 「ために」(目的・利益)
エ 動詞「なす・つくる・治む」

▶ 答え:エ 「為」は動詞「なす・つくる・治む」。書き下し「学を為す」=学問をする。

用法Q32.傍線部「為」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

為ル二之ガ名ヲ一
ア 動詞「なす・つくる・治む」
イ 断定の「たり」
ウ 「ために」(目的・利益)
エ 受身「る・らる」(為〜所)

▶ 答え:ア 「為」は動詞「なす・つくる・治む」。書き下し「之が名を為る」=その名をつける。

用法Q33.傍線部「為」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

善ク為ムレ国ヲ
ア 動詞「なす・つくる・治む」
イ 断定の「たり」
ウ 「ために」(目的・利益)
エ 受身「る・らる」(為〜所)

▶ 答え:ア 「為」は動詞「なす・つくる・治む」。書き下し「善く国を為む」=うまく国を治める。

用法Q34.傍線部「為」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

為タリ二人ノ臣一
ア 動詞「なす・つくる・治む」
イ 「ために」(目的・利益)
ウ 断定の「たり」
エ 受身「る・らる」(為〜所)

▶ 答え:ウ 「為」は断定の「たり」。書き下し「人の臣たり」=人の臣下である。

用法Q35.傍線部「為」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

復タ為タリレ師
ア 動詞「なす・つくる・治む」
イ 「ために」(目的・利益)
ウ 断定の「たり」
エ 受身「る・らる」(為〜所)

▶ 答え:ウ 「為」は断定の「たり」。書き下し「復た師たり」=再び師である。

用法Q36.傍線部「為」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

為ニレ君ノ
ア 動詞「なす・つくる・治む」
イ 断定の「たり」
ウ 受身「る・らる」(為〜所)
エ 「ために」(目的・利益)

▶ 答え:エ 「為」は「ために」(目的・利益)。書き下し「君の為に」=主君のために。

用法Q37.傍線部「為」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

為ニレ民ノ
ア 動詞「なす・つくる・治む」
イ 断定の「たり」
ウ 受身「る・らる」(為〜所)
エ 「ために」(目的・利益)

▶ 答え:エ 「為」は「ために」(目的・利益)。書き下し「民の為に」=民のために。

用法Q38.傍線部「為」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

為ル二人ノ所ト一レ笑フ
ア 動詞「なす・つくる・治む」
イ 受身「る・らる」(為〜所)
ウ 「ために」(目的・利益)
エ 断定の「たり」

▶ 答え:イ 「為」は受身「る・らる」(為〜所)。「為A所B」は「AのBする所と為る」と読み、「AにBされる」と訳す。書き下し「人の笑ふ所と為る」=人に笑われる。

用法Q39.傍線部「為」の用法として正しいものを、後のア〜エから選べ。

為ル二敵ノ所ト一レ破ル
ア 受身「る・らる」(為〜所)
イ 断定の「たり」
ウ 「ために」(目的・利益)
エ 動詞「なす・つくる・治む」

▶ 答え:ア 「為」は受身「る・らる」(為〜所)。書き下し「敵の破る所と為る」=敵に破られる。

用法Q40.傍線部「以」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

以テレ刀ヲ断ツ
ア 「以為(おもへらく)」=思うことには
イ 原因・理由の「〜によって」
ウ 手段・方法の「もって」

▶ 答え:ウ 「以」は手段・方法の「もって」。書き下し「刀を以て断つ」=刀で断ち切る。

用法Q41.傍線部「以」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

以テレ徳ヲ治ム
ア 原因・理由の「〜によって」
イ 手段・方法の「もって」
ウ 「以為(おもへらく)」=思うことには

▶ 答え:イ 「以」は手段・方法の「もって」。書き下し「徳を以て治む」=徳によって治める。

用法Q42.傍線部「以」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

以テレ礼ヲ事フ
ア 「以為(おもへらく)」=思うことには
イ 原因・理由の「〜によって」
ウ 手段・方法の「もって」

▶ 答え:ウ 「以」は手段・方法の「もって」。書き下し「礼を以て事ふ」=礼儀をもって仕える。

用法Q43.傍線部「以」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

以テ二其ノ智ヲ一解ク
ア 手段・方法の「もって」
イ 原因・理由の「〜によって」
ウ 「以為(おもへらく)」=思うことには

▶ 答え:ア 「以」は手段・方法の「もって」。書き下し「其の智を以て解く」=その知恵を使って解決する。(原因・理由の「以」は「病を以て辞す」の形)

用法Q44.傍線部「以」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

以テレ病ヲ辞ス
ア 手段・方法の「もって」
イ 原因・理由の「〜によって」
ウ 「以為(おもへらく)」=思うことには

▶ 答え:イ 「以」は原因・理由の「〜によって」。書き下し「病を以て辞す」=病気を理由に辞退する。

用法Q45.傍線部「以」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

以テレ力ヲ争フ
ア 原因・理由の「〜によって」
イ 手段・方法の「もって」
ウ 「以為(おもへらく)」=思うことには

▶ 答え:イ 「以」は手段・方法の「もって」。書き下し「力を以て争ふ」=力ずくで争う。

用法Q46.傍線部「所」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

所ロレ見ル
ア 「〜するところ(もの・こと)」
イ 受身「〜される」(為〜所)
ウ 理由・わけ「ゆゑん」(所以)

▶ 答え:ア 「所」は「〜するところ(もの・こと)」。書き下し「見る所」=見るもの・見た内容。

用法Q47.傍線部「所」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

所ロレ聞ク
ア 理由・わけ「ゆゑん」(所以)
イ 受身「〜される」(為〜所)
ウ 「〜するところ(もの・こと)」

▶ 答え:ウ 「所」は「〜するところ(もの・こと)」。書き下し「聞く所」=聞くもの・聞いた内容。

用法Q48.傍線部「所」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

所ロレ欲スル
ア 「〜するところ(もの・こと)」
イ 受身「〜される」(為〜所)
ウ 理由・わけ「ゆゑん」(所以)

▶ 答え:ア 「所」は「〜するところ(もの・こと)」。書き下し「欲する所」=望むもの。

用法Q49.傍線部「所」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

所ロレ学ブ
ア 受身「〜される」(為〜所)
イ 「〜するところ(もの・こと)」
ウ 理由・わけ「ゆゑん」(所以)

▶ 答え:イ 「所」は「〜するところ(もの・こと)」。書き下し「学ぶ所」=学ぶもの。

用法Q50.傍線部「所」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

為ル二人ノ所ト一レ殺ス
ア 「〜するところ(もの・こと)」
イ 受身「〜される」(為〜所)
ウ 理由・わけ「ゆゑん」(所以)

▶ 答え:イ 「所」は受身「〜される」(為〜所)。「所」だけを見ると「〜する所」だが、「為A所B(AのBする所と為る)」の形全体で受身を表すのでイ。書き下し「人の殺す所と為る」=人に殺される。

用法Q51.傍線部「所」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

為ル二世ノ所ト一レ用ヰル
ア 「〜するところ(もの・こと)」
イ 理由・わけ「ゆゑん」(所以)
ウ 受身「〜される」(為〜所)

▶ 答え:ウ 「所」は受身「〜される」(為〜所)。「為A所B」の形で受身を表す。書き下し「世の用ゐる所と為る」=世に用いられる。

用法Q52.傍線部「所」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

所ロレ思フ
ア 「〜するところ(もの・こと)」
イ 受身「〜される」(為〜所)
ウ 理由・わけ「ゆゑん」(所以)

▶ 答え:ア 「所」は「〜するところ(もの・こと)」。書き下し「思ふ所」=思うこと・思う内容。

用法Q53.傍線部「者」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

仁者
ア 仮定の「〜ならば」
イ 提示の「〜は」(主題を示す)
ウ 「〜する者・もの」

▶ 答え:ウ 「者」は「〜する者・もの」。書き下し「仁者」=思いやりのある人。

用法Q54.傍線部「者」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

学ブ者
ア 提示の「〜は」(主題を示す)
イ 「〜する者・もの」
ウ 仮定の「〜ならば」

▶ 答え:イ 「者」は「〜する者・もの」。書き下し「学ぶ者」=学ぶ人。

用法Q55.傍線部「者」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

勇者
ア 「〜する者・もの」
イ 提示の「〜は」(主題を示す)
ウ 仮定の「〜ならば」

▶ 答え:ア 「者」は「〜する者・もの」。書き下し「勇者」=勇気のある人。

用法Q56.傍線部「者」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

兵者ハ凶器
ア 「〜する者・もの」
イ 仮定の「〜ならば」
ウ 提示の「〜は」(主題を示す)

▶ 答え:ウ 「者」は提示の「〜は」(主題を示す)。書き下し「兵は凶器」=武器というものは不吉な道具。

用法Q57.傍線部「者」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

良薬者ハ苦シレ口ニ
ア 提示の「〜は」(主題を示す)
イ 「〜する者・もの」
ウ 仮定の「〜ならば」

▶ 答え:ア 「者」は提示の「〜は」(主題を示す)。書き下し「良薬は口に苦し」=良い薬は口に苦い。

用法Q58.傍線部「者」の用法として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

項籍者ハ、下相ノ人也。
ア 「〜する者・もの」
イ 提示の「〜は」(主題を示す)
ウ 仮定の「〜ならば」

▶ 答え:イ 「者」は提示の「〜は」(主題を示す)。書き下し「項籍は、下相の人なり」=項籍(項羽)は、下相の出身である。(『史記』項羽本紀の書き出し)「知る者は言はず」のように「者(もの)」と読んで「〜する人」を表すときはア。

現代語訳Q59.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

井底之蛙
ア 井戸の底にいる蛙
イ 蛙のすむ井戸の底
ウ 井戸の底へ行く蛙

▶ 答え:ア 傍線部「之」は連体修飾の「の」(A之B=AのB)。書き下し「井底の蛙」=井戸の底にいる蛙(広い世界を知らない者のたとえ)。中心になる語は下の「蛙」なのでイは逆。

書き下しQ60.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

漁父之利
ア 漁父之を利す
イ 漁父利に之く
ウ 漁父の利

▶ 答え:ウ 傍線部「之」は連体修飾の「の」(A之B=AのB)。書き下し「漁父の利」=漁師が手に入れた利益(二者が争うすきに第三者が利益を得ることのたとえ。『戦国策』の話から出た故事成語)。「之を利す」なら「利レ之」、「利に之く」なら「之レ利」の語順になる。

現代語訳Q61.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

民之父母
ア 人民がその父母のもとへ行く
イ 人民の父母(のような存在)
ウ 父母が治める人民

▶ 答え:イ 傍線部「之」は連体修飾の「の」(A之B=AのB)。書き下し「民の父母」=人民にとっての父母(のように人民をいつくしむ君主)。中心になる語は下の「父母」。

書き下しQ62.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

九牛之一毛
ア 九牛一毛に之く
イ 九牛之を一毛とす
ウ 九牛の一毛

▶ 答え:ウ 傍線部「之」は連体修飾の「の」(A之B=AのB)。書き下し「九牛の一毛」=たくさんの牛の中の一本の毛(多くの中のごくわずかな部分のたとえ)。

現代語訳Q63.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

孔子之弟子
ア 弟子である孔子
イ 孔子の弟子
ウ 孔子が弟子のもとへ行く

▶ 答え:イ 傍線部「之」は連体修飾の「の」(A之B=AのB)。書き下し「孔子の弟子」=孔子の弟子(孔子に学んだ人)。中心になる語は下の「弟子」。

書き下しQ64.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

学ビテ而時ニ習フレ之ヲ。
ア 学びて時に之を習ふ
イ 之を学びて時に習ふ
ウ 学びて時に習ひて之く

▶ 答え:ア 傍線部「之」は代名詞「これ」(之を…)。動詞「習」の下にあるので「之を習ふ」と読む。書き下し「学びて時に之を習ふ」=学んで、折にふれてこれを復習する。(『論語』学而の冒頭。「而」は置き字)

現代語訳Q65.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

知ルレ之ヲ者ハ不レ如カ二好ムレ之ヲ者ニ一。
ア 知りに出かける者は、好きで出かける者には及ばない
イ これを知っている者は、これを好む者には及ばない
ウ これを知っている者は、これを好む者よりもすぐれている

▶ 答え:イ 傍線部「之」は代名詞「これ」(之を…)。動詞「知」の下の「之」は「これを」。書き下し「之を知る者は之を好む者に如かず」=これを知っている者は、これを好む者には及ばない。(『論語』雍也。「不如」は「〜に及ばない」)

書き下しQ66.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

王見ルレ之ヲ。
ア 王之を見る
イ 王の見る
ウ 王見て之く

▶ 答え:ア 傍線部「之」は代名詞「これ」(之を…)。動詞「見」の下の「之」は「これを」。書き下し「王之を見る」=王がこれ(引かれていく牛)を見る。(『孟子』梁恵王上。このあと王は「牛何くにか之く」とたずねる)

現代語訳Q67.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

虎求メテ二百獣ヲ一而食ラフレ之ヲ。
ア 虎はあらゆる獣を探し求めて、食べに出かけた
イ 虎はあらゆる獣の食べ物を探し求めた
ウ 虎はあらゆる獣を探し求めて、これを食べた

▶ 答え:ウ 傍線部「之」は代名詞「これ」(之を…)で、「百獣」を指す。書き下し「虎百獣を求めて之を食らふ」=虎はあらゆる獣を探し求めては、これを食べていた。(『戦国策』楚策の「虎の威を借る狐」の話。「而」は置き字)

書き下しQ68.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

択ビテ二其ノ善ナル者ヲ一而従フレ之ニ。
ア 其の善なる者を択びて之に従ふ
イ 其の善なる者を択びて従ひて之く
ウ 其の善なる者に従ひて之を択ぶ

▶ 答え:ア 傍線部「之」は代名詞「これ」(之に…)で、「其の善なる者」を指す。書き下し「其の善なる者を択びて之に従ふ」=(一緒にいる人の中から)よい人を選んで、その人を見習う。(『論語』述而。「而」は置き字)

現代語訳Q69.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

水之就クレ下キニ
ア 水が低い方へ流れていく(こと)
イ 低い所にある水
ウ 水がこれを低い所へ運んでいく(こと)

▶ 答え:ア 傍線部「之」は主語・述語の間(訳さない・「が」)。主語「水」と述語「就下(下きに就く)」の間にある。書き下し「水の下きに就く」=水が低い方へ流れていく(こと)。(『孟子』)

書き下しQ70.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

天之亡ボスレ我ヲ
ア 天我を亡ぼすに之く
イ 天之を亡ぼす我
ウ 天の我を亡ぼす

▶ 答え:ウ 傍線部「之」は主語・述語の間(訳さない・「が」)。書き下し「天の我を亡ぼす」=天が私を滅ぼす(こと)。(『史記』項羽本紀で、追いつめられた項羽が言うことば)

現代語訳Q71.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

道之不ルハレ行ハレ、已ニ知レリレ之ヲ矣。
ア 正しい道を行かないことを、もうとっくに人に知らせた
イ 正しい道が行われないことは、もうとっくに分かっている
ウ 正しい道にこれから向かうことは、もうとっくに知っている

▶ 答え:イ 傍線部「之」は主語・述語の間(訳さない・「が」)。主語「道」と述語「不行(行はれざる)」の間にある。書き下し「道の行はれざるは、已に之を知れり」=(世の中に)正しい道が行われないことは、もうとっくに分かっている。後半の「之」は代名詞「これ」。(『論語』微子。「矣」は置き字)

書き下しQ72.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

仁之勝ツ二不仁ニ一
ア 仁之を勝ちて仁ならず
イ 仁不仁に勝つに之く
ウ 仁の不仁に勝つ

▶ 答え:ウ 傍線部「之」は主語・述語の間(訳さない・「が」)。書き下し「仁の不仁に勝つ」=仁が不仁に勝つ(こと)。「不仁」は「ふじん」と読む一つの語。(『孟子』告子上。このあと「猶ほ水の火に勝つがごとし」と続く)

現代語訳Q73.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

孟子之ク二平陸ニ一。
ア 孟子の領地である平陸
イ 孟子が平陸からやって来る
ウ 孟子が平陸(という町)へ行く

▶ 答え:ウ 傍線部「之」は動詞「ゆく(行く)」。送り仮名「ク」と返り点から「平陸に之く」と読む。書き下し「孟子平陸に之く」=孟子が平陸という町へ行く。(『孟子』公孫丑下)

書き下しQ74.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

吾欲スレ之カント二南海ニ一。
ア 吾之を南海に欲す
イ 吾南海に之かんと欲す
ウ 吾が欲する南海

▶ 答え:イ 傍線部「之」は動詞「ゆく(行く)」。「南海」から「之」へ、さらに「欲」へと返って読む。書き下し「吾南海に之かんと欲す」=私は南海へ行きたいと思う。

現代語訳Q75.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

曾子之妻之クレ市ニ。
ア 曾子の妻の市場
イ 曾子の妻が市場へ出かける
ウ 曾子の妻がこれを市場で売る

▶ 答え:イ 傍線部の「之」は動詞「ゆく(行く)」。はじめの「之」は連体修飾の「の」(曾子之妻=曾子の妻)で、同じ字でも位置で働きが変わる。書き下し「曾子の妻市に之く」=曾子の妻が市場へ出かける。(『韓非子』外儲説左上)

書き下しQ76.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

是レ知ル也。
ア 是れ知るなり
イ 是れ知らんや
ウ 是れ知るや

▶ 答え:ア 傍線部「也」は断定の「なり」。文末の「也」で、疑問の語がないので「なり」と読む。書き下し「是れ知るなり」=これが(本当に)知るということだ。(『論語』為政。「之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為す」に続く結び)

現代語訳Q77.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

舜モ人也、我モ亦タ人也。
ア 舜も人間であり、私もまた人間である
イ 舜は人間だろうか、私もまた人間だろうか
ウ 舜が人間であるはずがない、私こそが人間なのだ

▶ 答え:ア 傍線部「也」は断定の「なり」。書き下し「舜も人なり、我も亦た人なり」=(聖人の)舜も人間であり、私もまた人間である。(『孟子』離婁下)

書き下しQ78.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

苛政ハ猛二於虎ヨリモ一也。
ア 苛政は虎よりも猛なるか
イ 苛政は虎よりも猛なり
ウ 苛政は虎よりも猛ならんや

▶ 答え:イ 傍線部「也」は断定の「なり」(「猛なり」の「なり」)。疑問の語がないので「なり」と読む。書き下し「苛政は虎よりも猛なり」=むごい政治は虎よりも恐ろしい。(『礼記』檀弓下。「於」は比較を表す置き字)

現代語訳Q79.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

非ザル二戦ヒ之罪ニ一也。
ア 戦い方がまずかったせいではないのか
イ 戦い方がまずかったせいではないのだ
ウ どうして戦い方がまずかったせいでないことがあろうか

▶ 答え:イ 傍線部「也」は断定の「なり」。文末の「也」で疑問の語がないので「なり」と読む。書き下し「戦ひの罪に非ざるなり」=(負けたのは)戦い方がまずかったせいではないのだ。(『史記』項羽本紀。「此れ天の我を亡ぼすにして」に続く項羽のことば)

書き下しQ80.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

何為レゾ不ルレ去ラ也。
ア 何為れぞ去らざるや
イ 何為れぞ去らざるなり
ウ 何をか為して去らざるなり

▶ 答え:ア 傍線部「也」は疑問の「や」。疑問の語「何為(なんすれぞ)」があるので、文末の「也」は「や」と読む。書き下し「何為れぞ去らざるや」=どうして(この土地を)去らないのか。(『礼記』檀弓下。この問いの答えから「苛政は虎よりも猛なり」が導かれる)

現代語訳Q81.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

何ノ謂ヒゾ也。
ア 何も言うことはない
イ それは何かを言うことである
ウ どういう意味か

▶ 答え:ウ 傍線部「也」は疑問の「や」。疑問の語「何」があるので「や」と読む。書き下し「何の謂ひぞや」=どういう意味か。(『論語』で、孔子のことばの意味をたずねるときの言い方)

書き下しQ82.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

其ノ故ハ何ゾ也。
ア 其の故は何なり
イ 其の何の故なるや
ウ 其の故は何ぞや

▶ 答え:ウ 傍線部「也」は疑問の「や」。疑問の語「何」があるので「何ぞや」と読む。書き下し「其の故は何ぞや」=その理由は何か。

現代語訳Q83.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

富ト与ハレ貴キ、是レ人之所ロレ欲スル也。
ア 富と高い身分とは、人が欲しがるものである
イ 富を身分の高い人に与えることは、人が望むことである
ウ 富と高い身分とでは、人はどちらを欲しがるだろうか

▶ 答え:ア 傍線部「与」は並列の「と」(AとB)。「A与B」は「AとBと」と読み、「与」は下の字から返って読む。書き下し「富と貴きとは、是れ人の欲する所なり」=財産と高い身分とは、人が欲しがるものである。(『論語』里仁)

書き下しQ84.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

鬻グ二楯ト与ヲ一レ矛。
ア 楯を鬻ぎて矛を与ふ
イ 楯と矛とを鬻ぐ
ウ 楯の矛を鬻ぐ

▶ 答え:イ 傍線部「与」は並列の「と」(AとB)。「楯与矛」は「楯と矛と」と読む。書き下し「楯と矛とを鬻ぐ」=盾と矛を売る。(『韓非子』難一の「矛盾」の話。「楚人に楯と矛とを鬻ぐ者有り」の一部)

現代語訳Q85.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

兄ト与レ弟皆賢ナリ。
ア 兄は弟に賢さを分け与えた
イ 兄と弟とは、どちらも賢い
ウ 兄と弟とでは、どちらが賢いか

▶ 答え:イ 傍線部「与」は並列の「と」(AとB)。書き下し「兄と弟と皆賢なり」=兄と弟とは、どちらも賢い。「孰(いづ)れか」などの疑問の語がないので、比較・選択ではない。

書き下しQ86.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

則チ与フ二斗卮酒ヲ一。
ア 則ち斗卮酒と与にす
イ 則ち斗卮酒に与ふ
ウ 則ち斗卮酒を与ふ

▶ 答え:ウ 傍線部「与」は動詞「与ふ(あたえる)」。送り仮名「フ」と一二点に注意。書き下し「則ち斗卮酒を与ふ」=そこで一斗入りの大杯の酒を与えた。(『史記』項羽本紀「鴻門の会」で、項王の言いつけにより、そばの者が樊噲に酒を与える場面)

現代語訳Q87.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

堯以テ二天下ヲ一与フレ舜ニ。
ア 堯は天下を舜に与えた
イ 堯は天下と舜とを手に入れた
ウ 堯は天下と舜とを比べた

▶ 答え:ア 傍線部「与」は動詞「与ふ(あたえる)」。書き下し「堯天下を以て舜に与ふ」=堯は天下を舜に与えた(譲った)。(『孟子』万章上で、弟子の万章が孟子にたずねたことばの一部)

書き下しQ88.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

能ク与フ二人ニ規矩ヲ一。
ア 能く人と規矩とあり
イ 能く人に規矩を与ふ
ウ 能く人に与ふる規矩

▶ 答え:イ 傍線部「与」は動詞「与ふ(あたえる)」。一二点で「人に規矩を」を先に読み、最後に「与ふ」へ返る。書き下し「能く人に規矩を与ふ」=人にコンパスや定規を与えることはできる。(『孟子』尽心下。このあと「人をして巧みならしむること能はず(人を上手にさせることはできない)」と続く)

現代語訳Q89.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

為スニレ政ヲ以テスレ徳ヲ。
ア 政治によって、徳が行われる
イ 政治のために、徳を身につける
ウ 政治を行うには、徳によって行う

▶ 答え:ウ 傍線部「為」は動詞「なす・つくる・治む」。ここは「(政治を)行う」の意味。書き下し「政を為すに徳を以てす」=政治を行うには、(刑罰ではなく)徳によって行う。(『論語』為政)

書き下しQ90.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

吾能ク為ル二之ガ足ヲ一。
ア 吾能く之が足を為る
イ 吾能く之の為に足る
ウ 吾能く之が足と為る

▶ 答え:ア 傍線部「為」は動詞「なす・つくる・治む」。ここは「つくる」の意味。書き下し「吾能く之が足を為る」=私はそれ(蛇の絵)に足をかき加えることができる。(『戦国策』斉策の「蛇足」の話)

現代語訳Q91.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

是レ不ルレ為サ也、非ザルレ不ルニレ能ハ也。
ア これは誰かのためにしないのであって、できないからではない
イ これは人にさせられないのであって、できないのではない
ウ これはしないのであって、できないのではない

▶ 答え:ウ 傍線部「為」は動詞「なす・つくる・治む」。ここは「する」の意味。書き下し「是れ為さざるなり、能はざるに非ざるなり」=これは(やろうとしないから)しないのであって、できないのではない。(『孟子』梁恵王上)

書き下しQ92.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

為タルコトレ君難ク、為タルコトレ臣不レ易カラ。
ア 君たること難く、臣たること易からず
イ 君の為に難く、臣の為に易からず
ウ 君を為むること難く、臣を為むること易からず

▶ 答え:ア 傍線部「為」は断定の「たり」。「君たる(君主である)こと」と読む。書き下し「君たること難く、臣たること易からず」=君主であることは難しく、臣下であることも容易ではない。(『論語』子路)

現代語訳Q93.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

為タル二人ノ子一者ハ、懐キテ二仁義ヲ一以テ事フ二其ノ父ニ一。
ア 人の子である者は、仁義を心にいだいて父に仕える
イ 人の子のためを思う者は、仁義を心にいだいて父に仕える
ウ 人に子として育てられた者は、仁義を心にいだいて父に仕える

▶ 答え:ア 傍線部「為」は断定の「たり」。「人の子たる者」=人の子である者。書き下し「人の子たる者は、仁義を懐きて以て其の父に事ふ」=人の子である者は、仁義を心にいだいてその父に仕える。(『孟子』告子下)

書き下しQ94.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

為ニレ人ノ謀リテ而不ルレ忠ナラ乎。
ア 人を為めて謀りて忠ならざるか
イ 人の為に謀りて忠ならざるか
ウ 人と為りて謀りて忠ならざるか

▶ 答え:イ 傍線部「為」は「ために」(目的・利益)。書き下し「人の為に謀りて忠ならざるか」=人のために考えてやって、まごころを尽くさなかったのではないか。(『論語』学而。曾子が毎日反省した三つのことの一つ。「而」は置き字)

現代語訳Q95.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

父ハ為ニレ子ノ隠シ、子ハ為ニレ父ノ隠ス。
ア 父は子となって身を隠し、子は父となって身を隠す
イ 父は子のために(罪を)隠し、子は父のために隠す
ウ 父は子に隠され、子は父に隠される

▶ 答え:イ 傍線部「為」は「ために」(目的・利益)。書き下し「父は子の為に隠し、子は父の為に隠す」=父は子のために(その罪を)隠し、子は父のために隠す。(『論語』子路)

書き下しQ96.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

為ル二虎ノ所ト一レ食ラフ。
ア 虎の為に食らふ所
イ 虎と為りて食らふ所
ウ 虎の食らふ所と為る

▶ 答え:ウ 傍線部「為」は受身「る・らる」(為〜所)。「為A所B」は「AのBする所と為る」と読み、「AにBされる」と訳す。書き下し「虎の食らふ所と為る」=虎に食われる。

現代語訳Q97.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

先ンズレバ即チ制シレ人ヲ、後ルレバ則チ為ル二人ノ所ト一レ制スル。
ア 先手をとれば人を支配し、遅れれば人のために支配する
イ 先手をとれば人を支配し、遅れれば人に支配される
ウ 先手をとれば人を支配し、遅れれば人を支配する立場になる

▶ 答え:イ 傍線部「為」は受身「る・らる」(為〜所)。書き下し「先んずれば即ち人を制し、後るれば則ち人の制する所と為る」=先手をとれば人を支配し、遅れをとれば人に支配される。(『史記』項羽本紀)

書き下しQ98.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

以テレ羊ヲ易ヘヨレ之ニ。
ア 以て羊の之に易へよ
イ 羊を易へて之を以てせよ
ウ 羊を以て之に易へよ

▶ 答え:ウ 傍線部「以」は手段・方法の「もって」。書き下し「羊を以て之に易へよ」=羊でこれ(牛)の代わりにせよ。(『孟子』梁恵王上。いけにえにされる牛をかわいそうに思った王のことば)

現代語訳Q99.次の漢文の現代語訳として最も適切なものを、後のア〜ウから選べ。

以テ二子之矛ヲ一、陥サバ二子之楯ヲ一、何如。
ア あなたの矛で、あなたの盾を突き通したらどうなるか
イ あなたの矛のせいで、あなたの盾を突き通したらどうなるか
ウ あなたの矛だと思って、あなたの盾を突き通したらどうなるか

▶ 答え:ア 傍線部「以」は手段・方法の「もって」。書き下し「子の矛を以て、子の楯を陥さば何如」=あなたの矛で、あなたの盾を突き通したらどうなるか。(『韓非子』難一の「矛盾」の話)

書き下しQ100.次の漢文の書き下し文として正しいものを、後のア〜ウから選べ。

以テレ徳ヲ報ユレ怨ミニ。
ア 徳に報いて怨みを以てす
イ 以て徳の怨みに報ゆ
ウ 徳を以て怨みに報ゆ

▶ 答え:ウ 傍線部「以」は手段・方法の「もって」。書き下し「徳を以て怨みに報ゆ」=恩徳によって、うらみに報いる。(『論語』憲問で、ある人が孔子にたずねたことば)

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