古文「し」の識別 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「し」識別ドリル アイキャッチ 古文ドリル

過去連体形・サ変連用形などを100問で見分ける

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解説記事「古文「し」の識別 100題識別」を読む

このドリルでわかること

はじめに:「し」の正体(5パターン)

古文の「し」は識別問題の頻出テーマ。大きく 5種類 あります。

種類 接続/品詞 判別ポイント
① 過去の助動詞「き」 連体形「し」 連用形接続 下が体言/「ぞ・なむ・や・か」結び 行き人/ありける
② サ変動詞「す」 連用形「し」 一語のサ変 「す」一語の活用 旅行けり/勉強たり
③ 副助詞「し」 強調 取り除いても文意が通る 思へば/ありとあらゆる
④ 形容詞シク活用 連用形「〜しく」 形容詞 「悲しく」「美しく」など く泣く/美く咲く
⑤ 形容詞ク活用 終止形「し」 形容詞 「美し」「高し」など終止 月清/山高

識別の鉄則

識別の鉄則

  1. 直前の語の活用形 を見る
  2. 連用形+「し」→ 過去「き」連体形
  3. サ変動詞「す」一語 → サ変連用形
  4. 下接語 を見る
  5. 「し」+体言 → 過去「き」連体形
  6. 「し」+「ぞ・なむ・や・か・こそ」 → 過去「き」連体形(係り結び)
  7. 副助詞「し」 は取り除いても文意が通る(強調用法)
  8. 形容詞のシク活用連用形 は「〜しく」の「く」が省略される稀な形でなく、通常は「〜しく」のまま
  9. 形容詞ク活用終止形「し」 は文末で「〜である」と訳せる

最初の20問はこの5パターンの基礎、後半に進むにつれて 過去「き」と完了「つ」の絡み、係り結び、入試レベルへ進みます。


「識別の鉄則」は文法的に正しい順序。
こちらは 試験本番で3秒で答えを出す ための実戦テクニックです。

コツ① 「し」の後ろを最初に見る(鉄板8割パターン)

「し」が出てきたら、まず 直後 に視線を飛ばす。 – 後ろが体言(名詞)→ ほぼ 過去「き」連体形(例:行きし/散りし) – 後ろが「か/かど/かば」→ 「しか」一語、過去已然形(例:行きしかば) – 文末で句点 → 形容詞ク活用終止形(例:月清。山高。)

ここまでで8割は片付きます。

コツ② 「〜し+けり/たり/たまふ/ぬ」が来たら即サ変連用形

「し」の直前が漢語2字以上(旅行・勉強・出仕・結婚・食事)+ 直後が助動詞や敬語なら、サ変動詞「す」の連用形「し」。 – 旅行けり/勉強たり/出仕たまふ → 全部サ変連用形

「漢語+し+助動詞」の並びを見たら反射で答える。

コツ③ 「し」を取って意味が通れば副助詞

「し」がどこに入っても文意が変わらない感じがしたら、副助詞「し」(強調)を疑う。 – 我思へば → 「我思へば」でも通る → 副助詞 – 「のみ」「ばかり」「ぞ」「なほ」 → 副助詞のサイン

「のみ・ばかり・なほ・いま」など、すでに強調語と組んでいたら副助詞確定。

コツ④ 「〜しき/〜しく」は形容詞シク活用の語幹の一部

「美しき」「悲しく」「久しく」のように 「し」が単独で切り出せない ものは、形容詞シク活用の一部。 – これは「し」の識別問題というより、ひっかけ。冷静に「これは語幹だな」と気づくだけでOK。

試験本番でのチェック順序

  1. 「し」の 直後 を見る(体言/かば/句点/引用「と」)
  2. 体言が来てたら → 過去「き」連体形で確定
  3. 「しか」と続いていたら → 過去「き」已然形で確定
  4. 文末・句点なら → 形容詞ク活用終止形(清し・高し・寒し)

→ この順番で 3秒 で答えが出ます。

よくある引っかけ

  • 「漢語+し+助動詞」をサ変と気づけず過去にしてしまう(例:旅行しけり)
  • 「悲しき」「美しく」を「し」の識別と勘違いして答えてしまう(実はシク活用の語幹)
  • 「ごとし」「あやなし」「ありがたし」など、語末に「し」を含む形容詞・助動詞 を「し」の識別と混同する

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編(Q1〜Q20)

5パターンを識別する基本問題。


Q1.次の傍線部「し」を識別せよ。

昔、ありける男のこと。京に行き人。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「行き」は四段「行く」連用形。連用形+「し」、下が体言「人」 → 過去連体形。「行った人」。


Q2.次の傍線部「し」を識別せよ。

月清

答え:形容詞ク活用「清し」終止形 解説:「清し」(ク活用)の終止形。「月が清らかである」。文末で句点。


Q3.次の傍線部「し」を識別せよ。

旅行けり。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「旅行す」(サ変複合動詞)の連用形「旅行し」+過去「けり」。「旅行した」。


Q4.次の傍線部「し」を識別せよ。

く泣く。

答え:形容詞シク活用「悲し」連用形語尾「く」の前の「し」 解説:形容詞「悲し」(シク活用)の連用形「悲しく」。「し」は語幹の一部。「悲しく泣く」。


Q5.次の傍線部「し」を識別せよ。

思へば、なほ恋し。

答え:副助詞「し」 解説:「我思へば」の「し」を取り除いても「我思へば」で意味は通る → 強調の副助詞。「私が思うから、やはり恋しい」。


Q6.次の傍線部「し」を識別せよ。

京に住み人。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「住み」連用形+「し」+体言「人」 → 過去連体形。「京に住んでいた人」。


Q7.次の傍線部「し」を識別せよ。

山高

答え:形容詞ク活用「高し」終止形 解説:「高し」(ク活用)の終止形。文末。「山が高い」。


Q8.次の傍線部「し」を識別せよ。

学びたり。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「学ぶ」四段連用形「学び」+過去「き」連体形「し」+存続「たり」? …ではなく、「学びす」(複合サ変)と取れば連用「学びし」+「たり」。「学んでいた」。


Q9.次の傍線部「し」を識別せよ。

我のみ知る。

答え:副助詞「し」 解説:「のみ」の「し」は強調の副助詞。「のみ」と重ねて強調。「私だけが知っている」。


Q10.次の傍線部「し」を識別せよ。

風寒

答え:形容詞ク活用「寒し」終止形 解説:「寒し」(ク活用)の終止形。文末。「風が寒い」。


Q11.次の傍線部「し」を識別せよ。

夢。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「見」は上一段「見る」連用形(同形)+「し」+体言「夢」 → 過去連体形。「見た夢」。


Q12.次の傍線部「し」を識別せよ。

く咲く花。

答え:形容詞シク活用「美し」連用形「美しく」の語幹「美し」の「し」 解説:「美し」(シク活用)の連用形「美しく」+動詞「咲く」+体言「花」。「美しく咲く花」。


Q13.次の傍線部「し」を識別せよ。

帰り人。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「帰り」連用形+「し」+体言「人」 → 過去連体形。「帰った人」。


Q14.次の傍線部「し」を識別せよ。

仕うまつりこと。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「仕うまつり」連用形+「し」+体言「こと」 → 過去連体形。「お仕えしたこと」。


Q15.次の傍線部「し」を識別せよ。

我ぞ思ふ。

答え:副助詞「し」 解説:「我ぞ思ふ」でも意味が通る。「し」は強調の副助詞。「ぞ」と重ねて係り結びを強める。


Q16.次の傍線部「し」を識別せよ。

ふみを読みたり。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「読みす」(「読む」連用+サ変「す」連用)+「たり」。複合動詞のサ変連用形「し」+存続「たり」。「書物を読んでいた」。


Q17.次の傍線部「し」を識別せよ。

物悲き秋の夕暮れ。

答え:形容詞シク活用「物悲し」連体形「物悲しき」の語幹の一部「し」 解説:「物悲し」(シク活用)の連体形「物悲しき」+体言「秋」。「し」は語幹。 ※ シク活用の場合、連体形は「〜しき」となる。


Q18.次の傍線部「し」を識別せよ。

方。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「来(き)」カ変連用形+「し」+体言「方」 → 過去連体形。「過去の方面・来た方」。


Q19.次の傍線部「し」を識別せよ。

月夜清

答え:形容詞ク活用「清し」終止形 解説:「清し」(ク活用)の終止形。「月夜が清らかである」。


Q20.次の傍線部「し」を識別せよ。

散り桜。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「散り」連用形+「し」+体言「桜」。「散った桜」。


基礎編 /20


【第2部】標準編(Q21〜Q50)

過去「き」と完了「つ」の絡み、サ変との見分け、係り結びを含む応用問題。


Q21.次の傍線部「しか」を識別せよ。

行きしかば、知らず。

答え:過去の助動詞「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「行き」(四段連用)+「しか」(過去「き」已然形)+「ば」(原因)。「行ったので、知らない」。


Q22.次の傍線部「し」を識別せよ。

く眠る。

答え:形容詞シク活用「美し」連用形「美しく」の語幹の一部「し」 解説:「美し」(シク活用)連用形「美しく」+動詞「眠る」。「し」は語幹の一部であり、助動詞や独立した「し」ではない。「美しく眠る」。


Q23.次の傍線部「し」を識別せよ。

あり日。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「あり」ラ変連用形+「し」+体言「日」 → 過去連体形。「過ぎ去った日/在りし日」。


Q24.次の傍線部「せ」を識別せよ。

いざ給へ、行かたまへ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「行か」(四段「行く」未然)+尊敬「す」連用「せ」+尊敬「たまへ」命令。「さあ、お行きなさいませ」。使役「す」の活用は「せ/せ/す/する/すれ/せよ」で、連用形は「せ」。


Q25.次の傍線部「し」を識別せよ。

物言ひ人ぞある。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「言ひ」連用形+「し」+体言「人」+係助詞「ぞ」+ラ変「ある」連体(ぞの結び)。「物を言った人がいる」。


Q26.次の傍線部「し」を識別せよ。

旅しければ、疲れぬ。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「旅す」(旅行する、の意のサ変)連用形「し」+過去「き」連体形「し」? …正格には「旅す」連用形「し」+過去「けり」已然形「けれ」+「ば」。「旅をしたので、疲れた」。


Q27.次の傍線部「し」を識別せよ。

風強

答え:形容詞ク活用「強し」終止形 解説:「強し」終止形。文末。「風が強い」。


Q28.次の傍線部「し」を識別せよ。

思ひことを書きとめぬ。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「思ひ」連用形+「し」+体言「こと」。「思ったことを書きとめてしまった」。


Q29.次の傍線部「し」を識別せよ。

春来を知らず。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「来(き)」カ変連用形+「し」+準体助詞「を」(〜ことを)。「春が来たことを知らない」。


Q30.次の傍線部「し」を識別せよ。

き朝。

答え:形容詞シク活用「悲し」連体形「悲しき」の語幹の一部「し」 解説:「悲し」(シク活用)連体形「悲しき」+体言「朝」。「し」は語幹の一部。「悲しい朝」。シク活用の連体形は「〜しき」。


Q31.次の傍線部「し」を識別せよ。

雨降り夜。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「降り」連用形+「し」+体言「夜」。「雨が降った夜」。


Q32.次の傍線部「し」を識別せよ。

笛吹き人。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「吹き」連用形+「し」+体言「人」。「笛を吹いた人」。


Q33.次の傍線部「し」を識別せよ。

我ばかりおもふ。

答え:副助詞「し」 解説:「ばかり」(限定)+「し」(強調)。「私だけが思う」。「し」を取り除いても文意が通る。


Q34.次の傍線部「し」を識別せよ。

出仕たまふ。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「出仕す」サ変連用形+尊敬「たまふ」。「出仕なさる」。


Q35.次の傍線部「し」を識別せよ。

物言ひかど、答へず。

答え:過去の助動詞「き」已然形「しか」+接続助詞「ど」(逆接) 解説:「言ひ」連用形+「しか」(過去已然)+「ど」。「物を言ったけれども、答えない」。


Q36.次の傍線部「し」を識別せよ。

風の音聞こえ

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「き」の終止形は「き」、連体形は「し」、已然形は「しか」。文末「し」は、係り結びの結びとして、または余情・詠嘆の含みを残して文末に連体形「し」が来ることがある。ここも連体形。「風の音が聞こえたことだ」。


Q37.次の傍線部「し」を識別せよ。

夜。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「寝(ね)」下二段連用形+「し」+体言「夜」。「眠った夜」。


Q38.次の傍線部「し」を識別せよ。

田植ゑ所。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 or 過去「き」連体形「し」 正答:両解釈可能。 – 「田植ゑ」(下二段「田植ゑる」連用形)+過去「き」連体形「し」+体言「所」 → 過去連体形 – 「田植ゑす」(複合サ変)連用形「田植ゑし」+体言「所」 → サ変連用形 文脈による:「田植ゑした所」「田植ゑをした場所」どちらも成立。


Q39.次の傍線部「し」を識別せよ。

文を読みこと。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「読み」連用形+「し」+体言「こと」。「文章を読んだこと」。


Q40.次の傍線部「し」を識別せよ。

露こぼれ葉。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「こぼれ」下二段「こぼる」連用形+「し」+体言「葉」。「露がこぼれた葉」。


Q41.次の傍線部「し」を識別せよ。

あひ知り人なり。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「あひ知り」(複合動詞)連用形+「し」+体言「人」+断定「なり」。「知り合いだった人である」。


Q42.次の傍線部「し」を識別せよ。

物書き手。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「書き」連用形+「し」+体言「手」。「物を書いた手」。


Q43.次の傍線部「し」を識別せよ。

いと美き花。

答え:形容詞シク活用「美し」連体形「美しき」の語幹の一部「し」 解説:「美し」(シク活用)連体形「美しき」+体言「花」。「とても美しい花」。


Q44.次の傍線部「しか」を識別せよ。

風吹きしかば、波立ちぬ。

答え:過去の助動詞「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「吹き」(四段連用)+「しか」(過去「き」已然形)+「ば」(原因)+「立ち」(四段連用)+完了「ぬ」。「風が吹いたので、波が立った」。


Q45.次の傍線部「し」を識別せよ。

都に住み頃。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「住み」連用形+「し」+体言「頃」。「都に住んでいた頃」。


Q46.次の傍線部「し」を識別せよ。

御所に参り朝。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「参り」連用形+「し」+体言「朝」。「御所に参った朝」。


Q47.次の傍線部「し」を識別せよ。

知り事。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「知り」連用形+「し」+体言「事」。「知っていたこと」。


Q48.次の傍線部「し」を識別せよ。

答へ人。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「答へ」下二段「答ふ」連用形+「し」+体言「人」。「答えた人」。


Q49.次の傍線部「し」を識別せよ。

仕うまつりかな。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「仕うまつり」連用形+「し」+詠嘆「かな」(連体形接続)。「お仕えしたことだなあ」。


Q50.次の傍線部「し」を識別せよ。

いま思ふ。

答え:副助詞「し」 解説:「いま」(=今)+「し」(強調)。「今こそ思う」。「し」を取れば「いま思ふ」で文意は通る。


標準編 /30


【第3部】応用編(Q51〜Q80)

係り結び・敬語・引用が絡む応用問題。


Q51.次の傍線部「し」を識別せよ。

ありと聞きものを、見ねば信ぜず。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「聞き」連用形+「し」+準体助詞「もの」+逆接「を」。「あると聞いていたのに、見ないので信じない」。


Q52.次の傍線部「し」を識別せよ。

春来かど、花咲かず。

答え:過去の助動詞「き」已然形「しか」+逆接「ど」 解説:「来(き)」カ変連用形+「しか」(過去已然)+「ど」。「春が来たけれども、花が咲かない」。


Q53.次の傍線部「し」を識別せよ。

名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしや。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「あり」連用形+「し」+係助詞「や」+「なし」+係助詞「や」。「あったか、ないか」。伊勢物語の歌の改変。 ※ 原歌は「ありやなしや」だが、過去形入りなら「ありしやなしや」となる。


Q54.次の傍線部「し」を識別せよ。

行幸たまひことあり。

答え:①前の「し」=サ変動詞「す」連用形 ②後の「し」=過去の助動詞「き」連体形 解説:「行幸し」(サ変連用)+尊敬「たまひ」連用+過去「き」連体「し」+体言「こと」。「行幸なさったことがある」。


Q55.次の傍線部「し」を識別せよ。

心ぞ思ひ

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「思ひ」連用形+「し」、係助詞「ぞ」の結び(連体形)。「心で思ったのだ」。


Q56.次の傍線部「し」を識別せよ。

言ひ人とこそ思へ。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「言ひ」連用形+「し」+体言「人」+引用「と」+係助詞「こそ」+已然形「思へ」(こその結び)。「言った人だと思うのだ」。


Q57.次の傍線部「し」を識別せよ。

あはれと思ひ人。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:形容動詞「あはれなり」語幹+引用「と」+「思ひ」連用+「し」+体言「人」。「しみじみと思った人」。


Q58.次の傍線部「し」を識別せよ。

春の夜の夢ばかりなる手枕に、かひなくたたむ名こそ惜しけれ――この歌、誰が詠ぜぞ。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「詠ぜ」(サ変「詠ず」未然形)…ではなく「詠ぜし」と取るなら、「詠ぜ」サ変未然形+過去「き」連体「し」+係助詞「ぞ」(疑問)。「誰が詠じたのか」。


Q59.次の傍線部「し」を識別せよ。

名にし負ふ。

答え:副助詞「し」 解説:「名に」+「し」+「負ふ」。「し」は強調の副助詞。「名にし負はばいざ言問はむ」の有名表現。「名前として持っているならば」。


Q60.次の傍線部「し」を識別せよ。

月光清と仰せらる。

答え:形容詞ク活用「清し」終止形 解説:「清し」終止形+引用「と」+尊敬「仰せらる」。「月の光が清らかだ、とお命じになる」。


Q61.次の傍線部「し」を識別せよ。

都にとどまり人なし。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「とどまり」連用形+「し」+体言「人」+「なし」。「都にとどまった人はいない」。


Q62.次の傍線部「し」を識別せよ。

物食ひ所。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 or サ変「食ひす」連用形 正答:「食ひ」は四段「食ふ」連用形。「食ひし」は通常「過去き連体」と解する。「物を食った所」。


Q63.次の傍線部「し」を識別せよ。

結婚たまふ。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「結婚す」サ変連用形+尊敬「たまふ」。「結婚なさる」。


Q64.次の傍線部「し」を識別せよ。

人言ひかど、無視せり。

答え:過去の助動詞「き」已然形「しか」+逆接「ど」 解説:「言ひ」連用+「しか」+「ど」。「人が言ったけれども、無視した」。


Q65.次の傍線部「し」を識別せよ。

なほ思ふ。

答え:副助詞「し」 解説:「なほ」(=やはり)+「し」(強調)+「思ふ」。「やはり強く思う」。「し」を取っても通る。


Q66.次の傍線部「し」を識別せよ。

物思ふ秋ぞ悲き。

答え:形容詞シク活用「悲し」連体形「悲しき」の語幹の一部「し」 解説:「悲し」(シク)連体形「悲しき」+係助詞「ぞ」の結び(連体形)。「物思ふ秋が悲しいのだ」。


Q67.次の傍線部「し」を識別せよ。

いみく美き。

答え:傍線部「し」は形容詞「美し」連体形「美しき」の語幹の一部「し」 解説:「いみじく」(シク活用連用形)+「美しき」(シク活用連体形)。「とても美しい」。


Q68.次の傍線部「し」を識別せよ。

帰りかな。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「帰り」連用形+「し」+詠嘆「かな」(連体形接続)。「帰ったことだなあ」。


Q69.次の傍線部「し」を識別せよ。

嘆き夜。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「嘆き」連用+「し」+体言「夜」。「嘆いた夜」。


Q70.次の傍線部「し」を識別せよ。

山高と聞く。

答え:形容詞ク活用「高し」終止形 解説:「高し」終止+引用「と」。「山が高いと聞く」。


Q71.次の傍線部「し」を識別せよ。

食事たまふ。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「食事す」サ変連用+尊敬「たまふ」。「食事なさる」。


Q72.次の傍線部「し」を識別せよ。

ありやなしや。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「あり」ラ変連用形+「し」+係助詞「や」+「なし」+係助詞「や」。「あったか、ないか」。


Q73.次の傍線部「し」を識別せよ。

よかりこと。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「よかり」(形容詞「よし」連用形)+「し」+体言「こと」。「よかったこと」。 ※ 形容詞連用形+「き」は普通に成立。


Q74.次の傍線部「し」を識別せよ。

春雨降りかど、花散らず。

答え:過去の助動詞「き」已然形「しか」+逆接「ど」 解説:「降り」連用+「しか」+「ど」。「春雨が降ったけれども、花は散らない」。


Q75.次の傍線部「し」を識別せよ。

我のみ怒り、人は笑へり。

答え:副助詞「し」 解説:「のみ」(限定)+「し」(強調)。「私だけが怒り、人は笑っている」。


Q76.次の傍線部「し」を識別せよ。

詠じ歌、世に伝はる。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 or サ変連用「し」 正答:「詠じ」(サ変「詠ず」連用形「詠じ」)+過去「き」連体形「し」+体言「歌」。「詠じた歌」。 ※ サ変動詞連用形+過去「き」の組み合わせ。


Q77.次の傍線部「し」を識別せよ。

散り花、また咲くべし。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「散り」連用+「し」+体言「花」。「散った花、また咲くだろう」。


Q78.次の傍線部「し」を識別せよ。

笛吹きぞあはれなる。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 + 係助詞「ぞ」 解説:「吹き」連用+「し」+係助詞「ぞ」+ナリ活用形容動詞「あはれなる」連体形(ぞの結び)。「笛を吹いた人がしみじみと趣ある」。


Q79.次の傍線部「し」を識別せよ。

嘆きかばこそ、目も赤かれ。

答え:過去の助動詞「き」已然形「しか」+「ばこそ」(強調確定) 解説:「嘆き」連用+「しか」+「ばこそ」(〜だからこそ)。下の「赤かれ」は形容詞「赤し」已然形(係助詞「こそ」の結び)。「嘆いたからこそ、目も赤いのだ」。


Q80.次の傍線部「し」を識別せよ。

あり昔。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「あり」連用+「し」+体言「昔」。「過ぎ去った昔」。


応用編 /30


【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)


Q81.次の傍線部「し」を識別せよ。

都にあり人を思ひ出づるに、涙ぞこぼるる。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「あり」連用+「し」+体言「人」。「都にいた人を思い出すと、涙がこぼれる」。


Q82.次の傍線部「し」を識別せよ。

月の都に住み人にやあらむ。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「住み」連用+「し」+体言「人」+断定「に」+係助詞「や」+ラ変未然「あら」+推量「む」。竹取物語の文体。「月の都に住んでいた人なのであろうか」。


Q83.次の傍線部「し」を識別せよ。

玉のごと

答え:比況の助動詞「ごとし」終止形 解説:「ごとし」(比況、〜のようだ)の終止形。「玉のようだ」。形容詞ク活用に類する活用をする助動詞。 ※ 「し」が「ごとし」の一部であることに注意。


Q84.次の傍線部「し」を識別せよ。

名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと(伊勢物語)――この歌、京を離れ男の心ぞあはれなる。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「離れ」下二段連用+「し」+体言「男」+格助詞「の」+体言「心」+係助詞「ぞ」+形容動詞「あはれなる」連体形(ぞの結び)。「京を離れた男の心がしみじみと趣がある」。


Q85.次の傍線部「し」を識別せよ。

いと尊と人皆涙を流す。

答え:形容詞ク活用「尊し」終止形 解説:「尊し」終止+引用「と」。「とても尊いと、人々が皆涙を流す」。


Q86.次の傍線部「し」を識別せよ。

よし思はじ。

答え:副助詞「し」 解説:「よし」(=もう・たとえ)+「し」(強調)+打消推量「思はじ」。「もう絶対に思うまい」。「し」は気持ちを強める。


Q87.次の傍線部「し」を識別せよ。

詠み人多かれども、心に残るは少なし。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「詠み」連用+「し」+体言「人」+形容詞已然「多かれ」+逆接「ども」。「詠んだ人は多いけれども、心に残るのは少ない」。


Q88.次の傍線部「し」を識別せよ。

我ぞ知る、唐土に渡り人。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「渡り」連用+「し」+体言「人」。「中国に渡った人を、私こそ知っている」。


Q89.次の傍線部「し」を識別せよ。

たまふ御方。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「物す」(複合サ変、=いらっしゃる・行く・ある・する等の婉曲的表現)連用形「し」+尊敬「たまふ」連体形+体言「御方」。「いらっしゃる御方」。サ変「す」の連用形は「し」。


Q90.次の傍線部「し」を識別せよ。

あけぼのの空に消え雲のごとし。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「消え」下二段連用+「し」+体言「雲」+比況「ごとし」。「明け方の空に消えた雲のようだ」。


Q91.次の傍線部「し」を識別せよ。

来し方行く末、つらつら思ふに、悲きこと多し。

答え:形容詞シク活用「悲し」連体形「悲しき」の語幹の一部「し」 解説:「悲しき」(シク連体)+体言「こと」+形容詞「多し」終止。「過去や未来をよくよく思うと、悲しいことが多い」。


Q92.次の傍線部「し」を識別せよ。

仏に祈りかひあり。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「祈り」連用+「し」+体言「かひ」(=甲斐)。「仏に祈った甲斐がある」。


Q93.次の傍線部「し」を識別せよ。

ありがたと人みな申しけり。

答え:形容詞ク活用「ありがたし」終止形 解説:「ありがたし」(=めったにない)終止+引用「と」。「めったにないと人々が皆申し上げた」。枕草子「ありがたきもの」の枕詞。


Q94.次の傍線部「し」を識別せよ。

いみじき心地す。

答え:傍線部「し」=形容詞「悲し」連体形「悲しき」の語幹の一部 解説:「いみじく」(シク連用)+「悲しき」(シク連体)+体言「心地」+サ変「す」。「ひどく悲しい気持ちがする」。


Q95.次の傍線部「し」を識別せよ。

旅寝夜の夢のさめがてに、月見るほどぞあはれなる。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「旅寝」(名詞、または下二段「旅寝す」連用形)+過去「き」連体形「し」+体言「夜」+格助詞「の」+体言「夢」。「し」の直後が体言「夜」なので、過去「き」連体形で確定。「旅寝した夜の夢が覚めきれないうちに、月を見るほどがしみじみと趣がある」。


Q96.次の傍線部「し」を識別せよ。

もろこしに渡りかの僧、なほ我が国を恋ふ。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「渡り」連用+「し」+連体「かの」+体言「僧」。「中国に渡ったあの僧は、やはり我が国を恋しがる」。


Q97.次の傍線部「し」を識別せよ。

言ひ人にぞ似たる。

答え:過去の助動詞「き」連体形「し」 解説:「言ひ」連用+「し」+体言「人」+格助詞「に」+係助詞「ぞ」+動詞「似たる」連体形(ぞの結び)。「言った人に似ている」。


Q98.次の傍線部「し」を識別せよ。

春の夜の闇はあやな

答え:形容詞ク活用「あやなし」終止形 解説:「あやなし」(=道理がない、わけがわからない)ク活用終止形。古今集の有名な歌「春の夜の闇はあやなし梅の花…」。「春の夜の闇は道理がない(梅の花の色は見えないが香りは隠せない)」。


Q99.次の傍線部「し」を識別せよ。

月夜よ、夜よと人の告げかば、出で見れば、げに明るし。

答え:①「よし」の「し」=形容詞ク活用終止形 ②「告げしかば」の「し」=過去「き」已然形「しか」の一部 解説: – 「よし」(ク終止)×2:「月夜が良い、夜が良い」 – 「告げしかば」:「告げ」連用+「しか」(過去已然)+「ば」(原因)。「告げたので」 全体:「月夜が良い、夜が良いと人が告げたので、出て見ると、本当に明るい」。


Q100.次の傍線部「し」を識別せよ。

行く川のながれは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久くとどまりたるためしなし。

答え:形容詞シク活用「久し」連用形「久しく」の語幹の一部「し」 解説:方丈記冒頭。「久しく」(シク連用)+「とどまり」連用+「たる」(存続「たり」連体)+体言「ためし」。「長くとどまっている例はない」。


入試レベル /20


合計 /100


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