係助詞・願望・完了+推量を100問で見抜く
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📖 識別の理屈を先に押さえたい方へ
このドリルでわかること
はじめに:「なむ」の4用法
古文の「なむ」は、 複数の用法 を持つ識別最頻出語。
| 用法 | 接続 | 訳 |
|---|---|---|
| ① 完了「ぬ」未然+推量「む」 | 連用形+「なむ」 | 〜してしまうだろう(きっと〜だろう)/自分のことなら「〜してしまおう」 |
| ② 願望(他者)「なむ」 | 未然形+「なむ」 | 〜してほしい |
| ③ 係助詞「なむ」 | 体言・連体形・助詞・形容詞などの連用形(文の途中) | 強調(〜こそ) |
| ④ ナ変動詞未然+推量「む」 | 「死なむ」「往(い)なむ」(「な」はナ変動詞の未然形の語尾) | 死ぬだろう/自分のことなら「死のう」「立ち去ろう」 |
識別の鉄則
識別の鉄則
- 連用形+なむ → 完了「ぬ」未然+推量「む」
- 未然形+なむ → 願望(他者へ)「〜してほしい」
- 体言・連体形等+なむ → 係助詞(強調)
- 「死なむ・往なむ」 → ナ変動詞
→ 直前の活用形 が決定的。ただし、上一段・上二段・下二段の動詞(見・起き・過ぎ・出で・忘れ など)や、下二段型の助動詞「る・らる・す・さす」(忘られ など)は未然形と連用形が同じ形、カ変「来」は漢字では同じ字(未然形「こ」・連用形「き」)なので、形だけでは決まらない。主語(自分のことなら他者への願望ではない)・文脈・ふりがな・前後の語(下に体言・「を」・「とす」が続く、上に係助詞「ぞ・や・か」がある → 完了+推量)で決める。下に体言や「を」が続く「む」は連体形で、婉曲(〜ような)と訳す。下に「に・は・も・こそ」が続けば、仮定(〜としたら)と訳す。
上の「識別の鉄則」は、文法の理屈にそった見分け方。
こちらは 試験本番ですばやく答えを出す ための実戦テクニックです。
コツ① まず 直前の活用形 だけ見る(多くはこれで決まる)
「なむ」の識別は 直前 で決まる。 – 直前が 連用形(四段・ラ変なら「〜き/〜ひ/〜り」などイ段の音) → 完了「ぬ」未然+推量「む」(〜してしまうだろう) – 直前が 未然形(四段・ラ変なら「〜か/〜は/〜ら」などア段の音) → 願望「なむ」(〜してほしい) – 直前が 体言・連体形・助詞など(文の途中) → 係助詞「なむ」(強調)
→ 四段・ラ変の動詞なら、末尾の音で 連用形か未然形か を判定するのが最速。上一段・上二段・下二段(見・起き・過ぎ・出で・忘れ など)は未然形と連用形が同じ音、カ変「来」は漢字だと同じ字(こ/き)なので、音では決まらない。主語・文脈・ふりがな・下に続く語で決める(サ変は「せなむ」が願望、「しなむ」が完了+推量)。
コツ② 「死なむ/往なむ」だけは特殊(暗記しろ)
ナ変動詞「死ぬ/往ぬ」の未然形「死な/往な」+「む」 → ナ変+推量「む」。 「死ぬだろう/行ってしまうだろう」と訳す。自分のことなら意志で「死のう/立ち去ろう」(「む」の意味は主語などで決まる)。
→ 「死なむ」「往なむ」「去なむ」を見たら即・ナ変で確定。
コツ③ 係助詞「なむ」は 文末が連体形 で結ぶ
体言や連体形・助詞(と・に・を など)・形容詞の連用形(をかしく など)に「なむ」がついて、文末が連体形になっていれば 係り結びの係助詞。 例:月なむ清く照る / 都なむ思ふ
→ 「なむ+…連体形。」のリズムを見つけたら即・係助詞。
コツ④ 訳の自然さで最終確認
迷ったら3パターンで訳してみる。 – 「〜してしまうだろう」(完了+推量) … 動作の確定的予想 – 「〜してほしい」(願望) … 他者への希望 – 「〜こそ」(係助詞) … 強調・係り結び
→ 文脈で最も自然な訳を選ぶ。
試験本番でのチェック順序
- 「死なむ/往なむ」 → ナ変+む(即答)
- 直前が 連用形(四段・ラ変ならイ段の音) → 完了「ぬ」未然+推量「む」
- 直前が 未然形(四段・ラ変ならア段の音) → 願望(他者へ)
- 直前が 体言・連体形・助詞など → 係助詞(強調)
→ 未然形と連用形が同じ形の動詞(見・過ぎ・出で など。漢字で書いた「来」も)は、主語・文脈・下に続く語で決める。この順番で見れば、すばやく答えが出ます。
よくある引っかけ
- カ変「来」は「こなむ」(未然=願望)/「きなむ」(連用=完了+推量)で読みが違う。漢字の「来なむ」は、ふりがなや文脈で決める
- 「降らなむ」(未然形+願望=降ってほしい)と「降りなむ」(連用形+完了+推量=きっと降るだろう)は一字違い
- 上一段・上二段・下二段(見・起き・過ぎ・出で・忘れ)は未然形と連用形が同じ形。主語が自分(われ)なら他者への願望ではない。下に体言・「を」が続けば、連体形の「む」(婉曲)で完了+推量
- 形容詞の連用形「〜く」(をかしく など)に付き、下が連体形で結ばれる「なむ」は係助詞(完了「ぬ」は「〜く」には付かない)
- 文末が連体形で結ぶ → 係助詞のサイン(係り結びを見逃すな)
🎯 解き方のコツ(時短テクニック)
問題(Q1〜Q100)
ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。
【第1部】基礎編(Q1〜Q20)
Q1.「なむ」を識別せよ。
春来(こ)なむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:カ変「来」未然形「こ」+「なむ」(願望)。「春が来てほしい」。
Q2.「なむ」を識別せよ。
雨降らなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「降ら」未然+「なむ」。「雨が降ってほしい」。
Q3.「なむ」を識別せよ。
月なむ清く照る。
答え:係助詞「なむ」(強調) 解説:体言「月」+「なむ」。「月こそ清く照る」(強調)。連体形「照る」で結ぶ(連体形結び)。
Q4.「なむ」を識別せよ。
死なむ。
答え:ナ変動詞「死ぬ」未然形「死な」+推量「む」 解説:ナ変「死ぬ」未然「死な」+「む」。「死ぬだろう」。
Q5.「なむ」を識別せよ。
物言ひなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「言ひ」連用+「な」(完了ぬ未然)+「む」。「言ってしまうだろう」。
Q6.「なむ」を識別せよ。
待つ人、明日は来(き)なむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「来(き)」はカ変「来」の連用形。連用形+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。「私が待っている人は、明日はきっと来るだろう」。「来(こ)なむ」と読めば、未然形+他者への願望で「来てほしい」になる(Q1)。漢字の「来」は読みで決まる。
Q7.「なむ」を識別せよ。
春なむ待ちける。
答え:係助詞「なむ」(強調) 解説:体言「春」+「なむ」+過去「けり」連体形「ける」(係り結びの結び)。「春を待っていたのだ」。
Q8.「なむ」を識別せよ。
風吹かなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「吹か」未然+「なむ」。「風が吹いてほしい」。
Q9.「なむ」を識別せよ。
人々は早く帰りなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「帰り」(四段「帰る」連用形)+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。主語が「人々」(3人称)なので推量。「人々は早く帰ってしまうだろう」。
Q10.「なむ」を識別せよ。
鐘の音なむ遠く聞こゆる。
答え:係助詞「なむ」(強調) 解説:体言「音」(鐘の音)+係助詞「なむ」。結びは下二段「聞こゆ」の連体形「聞こゆる」(終止形なら「聞こゆ」)。「鐘の音が遠くに聞こえるのだ」。
Q11.「なむ」を識別せよ。
心安く眠らなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「眠ら」未然+「なむ」。「心安く眠ってほしい」。
Q12.「な」を識別せよ(「なむ」と見比べよう)。
物言ひなば、咎めらる。
答え:完了「ぬ」未然「な」+接続助詞「ば」(仮定) 解説:四段「言ふ」連用形「言ひ」+完了「ぬ」未然形「な」+「ば」(順接仮定)。「もし物を言ってしまったら、咎められる」。「なむ」ではないが、「な」の識別力を試す引っかけ問題。
Q13.「なむ」を識別せよ。
我れ往なむ。
答え:ナ変動詞「往ぬ」未然形「往な」+意志「む」 解説:ナ変「往ぬ」未然+「む」。主語が「我れ」(1人称)なので「む」は意志。「私は立ち去ろう」。
Q14.「なむ」を識別せよ。
知りなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「知り」連用+「な」+「む」。「知ってしまうだろう」。
Q15.「なむ」を識別せよ。
君なむ思ふ。
答え:係助詞「なむ」(強調) 解説:「君」+「なむ」+連体「思ふ」。
Q16.「なむ」を識別せよ。
月、今しばし照らなむと思ふ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「照ら」(四段「照る」未然形)+「なむ」+引用「と」。未然形+「なむ」=他者への願望。「月がもう少しの間照っていてほしいと思う」。
Q17.「なむ」を識別せよ。
空かき曇りぬ。雨も降りなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「降り」(四段「降る」連用形。未然形なら「降ら」)+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。「空が急に曇った。雨もきっと降るだろう」。Q2「雨降らなむ」(未然形+願望=降ってほしい)と一字違い。
Q18.「なむ」を識別せよ。
われも、かの山の桜を見なむ。
答え:完了「ぬ」未然+意志「む」 解説:上一段「見る」は未然形も連用形も「見」なので、形だけでは決まらない。主語が「われ」(自分)なので、他者への願望の「なむ」ではない(願望の「なむ」は、ほかの人や物に「〜してほしい」と望む)。連用形「見」+完了「ぬ」未然形「な」+意志「む」。「私も、あの山の桜をきっと見よう」。
Q19.「なむ」を識別せよ。
雨止まなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「止ま」未然+「なむ」。「雨が止んでほしい」。
Q20.「なむ」を識別せよ。
花咲かなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「咲か」未然+「なむ」。「花が咲いてほしい」。
基礎編 /20
【第2部】標準編(Q21〜Q50)
直前語と結びを意識した識別。
Q21.「なむ」を識別せよ。
花咲きなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「咲き」連用+「な」+「む」。「花が咲いてしまうだろう」。
Q22.「なむ」を識別せよ。
わが言ふことを、人も聞かなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「聞か」(四段「聞く」未然形)+「なむ」。未然形+「なむ」=他者への願望。「私の言うことを、人も聞いてほしい」。
Q23.「なむ」を識別せよ。
我が宿なむよき。
答え:係助詞「なむ」(強調) 解説:体言「我が宿」+「なむ」+連体「よき」。「我が宿こそよい」。
Q24.「なむ」を識別せよ。
病重ければ、かの翁はほどなく死なむ。
答え:ナ変「死ぬ」未然+推量「む」 解説:「死な」(ナ変「死ぬ」未然形)+「む」。主語が「かの翁」(3人称)なので「む」は推量。「病が重いので、あの老人はまもなく死ぬだろう」。
Q25.「なむ」を識別せよ。
使ひの者、急ぎ行きなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「行き」(四段「行く」連用形)+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。主語が「使ひの者」(3人称)なので推量。「使いの者は、急いで行ってしまうだろう」。
Q26.「なむ」を識別せよ。
子もすこやかに育たなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「育た」未然+「なむ」。「子も健やかに育ってほしい」。
Q27.「なむ」を識別せよ。
我が宿になむ梅咲きける。
答え:係助詞「なむ」 解説:格助詞「に」+係助詞「なむ」。過去「けり」の連体形「ける」で結ぶ。係助詞「なむ」は体言だけでなく助詞の下にも付く。「私の家に梅が咲いたのだ」(強調)。
Q28.「なむ」を識別せよ。
かの人は明日往なむと、われは思ふ。
答え:ナ変「往ぬ」未然+推量「む」 解説:「往な」(ナ変「往ぬ」未然形)+「む」。「と」の中の主語は「かの人」(3人称)、思うのは「われ」なので「む」は推量。「あの人は明日立ち去るだろうと、私は思う」。
Q29.「なむ」を識別せよ。
われ、うきことをば、とく忘れなむ。
答え:完了「ぬ」未然+意志「む」 解説:下二段「忘る」は未然形と連用形が同じ「忘れ」なので、形だけでは決まらない。主語が「われ」(自分)なので、他者への願望の「なむ」ではない。連用形「忘れ」+完了「ぬ」未然形「な」+意志「む」。「私は、つらいことを早く忘れてしまおう」。
Q30.「なむ」を識別せよ。
月の都へ帰らなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「帰ら」未然+「なむ」。「月の都へ帰ってほしい」。
Q31.「なむ」を識別せよ。
雪なむ降りける。
答え:係助詞「なむ」 解説:体言「雪」+「なむ」+連体「降りける」。
Q32.「なむ」を識別せよ。
我れも死なむ。
答え:ナ変「死ぬ」未然+意志「む」 解説:「死な」(ナ変「死ぬ」未然形)+「む」。主語が「我れ」(1人称)なので「む」は意志。「私も死のう」。
Q33.「なむ」を識別せよ。
言ひなむとすれど、声出でず。
答え:完了「ぬ」未然+意志「む」 解説:「言ひ」連用+「な」+「む」。「言ってしまおうとするが、声が出ない」。
Q34.「なむ」を識別せよ。
故里の花、わが帰るまで散らで待たなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「待た」(四段「待つ」未然形)+「なむ」。未然形+「なむ」=他者への願望(ここでは花に望む)。「散らで」の「で」は打消の接続助詞(〜ないで)。「故郷の花が、私が帰るまで散らずに待っていてほしい」。
Q35.「なむ」を識別せよ。
雪降る夜なむ心細き。
答え:係助詞「なむ」 解説:「夜」+「なむ」+連体「心細き」。
Q36.「なむ」を識別せよ。
急ぎ往なむ。
答え:ナ変「往ぬ」未然+意志「む」 解説:「往な」未然+「む」。「急いで立ち去ろう」。
Q37.「なむ」を識別せよ。
さる事を聞かば、人も涙を落としなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「落とし」(四段「落とす」連用形。未然形なら「落とさ」)+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。「そんなことを聞いたら、人もきっと涙を落とすだろう」。
Q38.「なむ」を識別せよ。
梅の香、袖に移らなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「移ら」(四段「移る」未然形)+「なむ」。未然形+「なむ」=他者への願望。「梅の香りが袖に移ってほしい」。
Q39.「なむ」を識別せよ。
今日なむ祭りある。
答え:係助詞「なむ」 解説:体言「今日」+「なむ」+連体「ある」。「今日こそ祭りがある」。
Q40.「なむ」を識別せよ。
われ、早く立ちなむ。
答え:完了「ぬ」未然+意志「む」 解説:「立ち」(四段「立つ」連用形)+完了「ぬ」未然形「な」+意志「む」。主語が「われ」(1人称)なので意志。「私は、早く出発してしまおう」。
Q41.「なむ」を識別せよ。
われ、この君に仕へなむ。
答え:完了「ぬ」未然+意志「む」 解説:下二段「仕ふ」は未然形と連用形が同じ「仕へ」なので、形だけでは決まらない。主語が「われ」(自分)なので、他者への願望の「なむ」ではない。連用形「仕へ」+完了「ぬ」未然形「な」+意志「む」。「私は、この君にきっとお仕えしよう」。
Q42.「なむ」を識別せよ。
鳥も鳴かなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「鳴か」未然+「なむ」。「鳥も鳴いてほしい」。
Q43.「なむ」を識別せよ。
雨なむ降る。
答え:係助詞「なむ」 解説:体言「雨」+「なむ」+連体「降る」。
Q44.「なむ」を識別せよ。
死なむと思へど、生きながらふ。
答え:ナ変「死ぬ」未然+意志「む」 解説:「死な」未然+「む」。「死のうと思うが、生き長らえている」。
Q45.「なむ」を識別せよ。
友は、なほ待ちなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「待ち」(四段「待つ」連用形)+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。主語が「友」(3人称)なので推量。「友は、まだきっと待っているだろう」。
Q46.「なむ」を識別せよ。
旅行く人の、この川を安く渡らなむと祈る。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「渡ら」(四段「渡る」未然形)+「なむ」+引用「と」。未然形+「なむ」=他者への願望。「旅に行く人が、この川を無事に渡ってほしいと祈る」。
Q47.「なむ」を識別せよ。
鶯なむ鳴く。
答え:係助詞「なむ」 解説:「鶯」+「なむ」+連体「鳴く」。
Q48.「なむ」を識別せよ。
京へ往なむと思ひ立つ。
答え:ナ変「往ぬ」未然+意志「む」 解説:「往な」+「む」。「京へ行こうと思い立つ」。
Q49.「なむ」を識別せよ。
この雨は、ほどなく止みなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「止み」(四段「止む」連用形。未然形なら「止ま」)+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。「この雨は、まもなくきっと止むだろう」。Q19「雨止まなむ」(未然形+願望=止んでほしい)と一字違い。
Q50.「なむ」を識別せよ。
心安らかに過ごさなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「過ごさ」未然+「なむ」。「心安らかに過ごしてほしい」。
標準編 /30
【第3部】応用編(Q51〜Q80)
引っかけパターン・敬語・係り結び。
Q51.「なむ」を識別せよ。
いと心細く、京へ帰りなむと思ふ。
答え:完了「ぬ」未然+意志「む」 解説:「帰り」四段「帰る」連用+完了「ぬ」未然「な」+意志「む」。連用形接続。1人称「思ふ」と連動。「きっと帰ろうと思う」(強意+意志)。
Q52.「なむ」を識別せよ。
鳥のこゑなむいとあはれなる。
答え:係助詞「なむ」 解説:「鳥のこゑ」+「なむ」+連体形「あはれなる」。「鳥の声がしみじみとしている」。
Q53.「なむ」を識別せよ。
雪深ければ往なむにも、足ふみがたし。
答え:ナ変「往ぬ」未然+推量「む」(連体形・仮定) 解説:「往な」(ナ変「往ぬ」未然形)+「む」。「む」は下に助詞「に」が続く文中の連体形なので仮定(もし〜としたら)。「雪が深いので、立ち去るにしても、足を踏み出すのが難しい」。「立ち去ろうにも」と意志のように訳すこともある。
Q54.「なむ」を識別せよ。
月隠れなむほどに。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」(連体形・婉曲) 解説:下二段「隠る」は未然形と連用形が同じ「隠れ」だが、下に体言「ほど」が続くので「なむ」は連体形。願望の終助詞「なむ」は活用せず体言には続かないので、連用形「隠れ」+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」の連体形。体言の前の「む」は婉曲(〜ような)。「月が沈んでしまうような頃に」。
Q55.「なむ」を識別せよ。
わが思ふ人、今宵だに訪はなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「訪は」(四段「訪ふ(とふ)」未然形)+「なむ」。未然形+「なむ」=他者への願望。「だに〜なむ」は「せめて〜だけでも〜してほしい」。「私の思う人が、せめて今夜だけでも訪ねてきてほしい」。
Q56.「なむ」を識別せよ。
都の事なむ忘れざりし。
答え:係助詞「なむ」 解説:「都の事」+「なむ」+連体「忘れざりし」。
Q57.「なむ」を識別せよ。
いざ往なむよ。
答え:ナ変「往ぬ」未然+意志「む」 解説:「往な」(ナ変「往ぬ」未然形)+「む」。「いざ」(さあ)と呼応し、誘う相手が書かれていないので意志。「さあ、行こうよ」。(「よ」で相手に呼びかけているとみて、勧誘とする説もある)
Q58.「なむ」を識別せよ。
涙の落ちなむを、人に見られじ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」(連体形・婉曲) 解説:上二段「落つ」は未然形と連用形が同じ「落ち」だが、下に「を」が続くので「なむ」は連体形(「〜のを」の形)。願望の終助詞「なむ」は活用せず「を」には続かないので、連用形「落ち」+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」の連体形(婉曲)。「涙がこぼれてしまうようなのを、人に見られまい」。
Q59.「なむ」を識別せよ。
春なむ来にける。
答え:係助詞「なむ」 解説:「春」+「なむ」+連体「来にける」。「春が来てしまった」(強調)。
Q60.「なむ」を識別せよ。
迎への舟の、とく着かなむと待つ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「着か」(四段「着く」未然形)+「なむ」+引用「と」。未然形+「なむ」=他者への願望。「迎えの舟が、早く着いてほしいと待つ」。
Q61.「なむ」を識別せよ。
あはれ世の中なむかなしき。
答え:係助詞「なむ」 解説:「世の中」+「なむ」+連体「かなしき」。「世の中こそ悲しい」。
Q62.「なむ」を識別せよ。
死なむこそ、いみじけれ。
答え:ナ変「死ぬ」未然+推量「む」(連体形・仮定) 解説:「死な」(ナ変「死ぬ」未然形)+「む」。「む」は下に係助詞「こそ」が続く文中の連体形なので仮定(もし〜としたら)。「いみじけれ」は「こそ」の結び(形容詞「いみじ」の已然形)。「死ぬとしたら、それこそひどく悲しいことだ」。(「死ぬようなこと」と婉曲にとる説もある)
Q63.「なむ」を識別せよ。
年月経れば、われもやがて人に忘られなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「忘られ」は四段「忘る」の未然形「忘ら」+受身の助動詞「る」。「る」は未然形も連用形も「れ」なので、形だけでは決まらない。主語が「われ」(自分)で、自分が忘れられることを推し量っているので、他者への願望ではない。受身(忘れられる)は自分の意志でできることではないので、主語が「われ」でも意志ではなく推量。連用形「れ」+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。「年月が経つと、私もまもなく人に忘れられてしまうだろう」。
Q64.「なむ」を識別せよ。
我が君もすこやかにおはせなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「おはせ」未然+「なむ」。「我が君も健やかでいらっしゃってほしい」。
Q65.「なむ」を識別せよ。
この川をば、音無川となむいひける。
答え:係助詞「なむ」 解説:格助詞「と」+係助詞「なむ」。結びは過去「けり」の連体形「ける」。係助詞「なむ」は、体言だけでなく「と」などの助詞の下にも付く。「この川を、音無川と言ったのだ」。
Q66.「なむ」を識別せよ。
かくてもありなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「あり」はラ変「あり」の連用形(未然形なら「あら」)。連用形+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。「ありなむ」は「きっと(それで)よいだろう・かまわないだろう」の意味でよく使う。「このままでもきっとかまわないだろう」。未然形の「あらなむ」(Q78)なら他者への願望。
Q67.「なむ」を識別せよ。
いざ給へ、往なむ。
答え:ナ変「往ぬ」未然+勧誘「む」 解説:「往な」(ナ変「往ぬ」未然形)+「む」。「いざ給へ」(さあ、いらっしゃい)と相手を誘っているので「む」は勧誘(自分も一緒に行くので意志とする説もある)。「さあいらっしゃい、(一緒に)行きましょう」。
Q68.「なむ」を識別せよ。
花の色、いとをかしくなむ見ゆる。
答え:係助詞「なむ」 解説:形容詞「をかし」の連用形「をかしく」+係助詞「なむ」。結びは下二段「見ゆ」の連体形「見ゆる」(終止形なら「見ゆ」)。連用形の下でも、形容詞の「〜く」に付いて下が連体形で結ばれる「なむ」は係助詞(完了「ぬ」は形容詞の「〜く」には付かない)。「花の色が、とても趣深く見えるのだ」。
Q69.「なむ」を識別せよ。
世の中、つねにのどかならなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「のどかなら」(形容動詞「のどかなり」の未然形)+「なむ」。未然形+「なむ」=他者への願望。「世の中がいつも穏やかであってほしい」。連用形なら「のどかなりなむ」(きっと穏やかであるだろう=完了+推量)。
Q70.「なむ」を識別せよ。
いとさまよく言ひなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「言ひ」連用+「な」+「む」。「とても上手に言ってしまうだろう」。
Q71.「なむ」を識別せよ。
君なむかしこき人にておはする。
答え:係助詞「なむ」 解説:体言「君」+係助詞「なむ」。結びはサ変「おはす」の連体形「おはする」(終止形なら「おはす」)。「にて」の「に」は断定「なり」の連用形。「かしこし」はここでは「賢い・すぐれている」。「あなたは賢い方でいらっしゃるのだ」。
Q72.「なむ」を識別せよ。
山深く往なむ。
答え:ナ変「往ぬ」未然+意志「む」 解説:「往な」+「む」。「山深く立ち去ろう」。
Q73.「なむ」を識別せよ。
鶯の声聞こえなむ頃。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」(連体形・婉曲) 解説:下二段「聞こゆ」は未然形と連用形が同じ「聞こえ」だが、下に体言「頃」が続くので「なむ」は連体形。願望の終助詞「なむ」は活用せず体言には続かないので、連用形「聞こえ」+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」の連体形(婉曲)。「鶯の声が聞こえるような頃」。
Q74.「なむ」を識別せよ。
雪深く積もらなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「積もら」未然+「なむ」。「雪が深く積もってほしい」。
Q75.「なむ」を識別せよ。
月の都の人なむ、迎へに来る。
答え:係助詞「なむ」 解説:体言「月の都の人」+係助詞「なむ」。結びはカ変「来」の連体形「来(く)る」(終止形なら「来(く)」)。「月の都の人が、迎えに来るのだ」。
Q76.「なむ」を識別せよ。
早く死なむと願ふ。
答え:ナ変「死ぬ」未然+意志「む」 解説:「死な」+「む」。「早く死のうと願う」。
Q77.「なむ」を識別せよ。
月もやがて入りなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「入り」(四段「入る」連用形。未然形なら「入ら」)+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。「月もまもなく沈んでしまうだろう」。
Q78.「なむ」を識別せよ。
故里より便りもあらなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「あら」未然+「なむ」。「故里より便りがあってほしい」。
Q79.「なむ」を識別せよ。
雲井なむ遠き。
答え:係助詞「なむ」 解説:「雲井」+「なむ」+連体「遠き」。「雲井こそ遠い」。
Q80.「なむ」を識別せよ。
夜も更けぬ。われも今は宿へ往なむ。
答え:ナ変「往ぬ」未然+意志「む」 解説:「往な」(ナ変「往ぬ」未然形)+「む」。主語が「われ」(1人称)なので「む」は意志。「夜も更けた。私も今は宿へ帰ろう」。「更けぬ」の「ぬ」は完了「ぬ」の終止形。
応用編 /30
【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)
難関大頻出。
Q81.「なむ」を識別せよ。
このことなむ、げに世に語り伝ふべき。
答え:係助詞「なむ」(強意) 解説:体言「こと」+係助詞「なむ」+連体形結び「伝ふべき」(「べし」の連体形)。「このことこそ、本当に世に語り伝えるのがよい」と強調。
Q82.「なむ」を識別せよ。
あはれ、花も夢のごとくに散りなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「散り」(四段「散る」連用形。未然形なら「散ら」)+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。「ああ、花も夢のようにはかなく散ってしまうだろう」。
Q83.「なむ」を識別せよ。
心ばへ深くおはせなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「おはせ」(サ変未然)+「なむ」。「思いやり深くいらっしゃってほしい」。
Q84.「なむ」を識別せよ。
木の葉の色づきなむのちに、また参らむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」(連体形・婉曲) 解説:「色づき」(四段「色づく」連用形)+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」の連体形。下に体言「のち」が続くので婉曲(〜ような)。「木の葉が色づいてしまったような後に、また参上しよう」。
Q85.「なむ」を識別せよ。
あれなむいみじき翁にてはべる。
答え:係助詞「なむ」 解説:「あれ」(指示代名詞)+「なむ」+連体「はべる」。「あれが大変な翁です」。
Q86.「なむ」を識別せよ。
われ、親を残して、いかでか先に死なむ。
答え:ナ変「死ぬ」未然+意志「む」 解説:「死な」(ナ変「死ぬ」未然形)+「む」。「いかでか」の「か」は係助詞で、「む」はその結びの連体形。主語が「われ」(1人称)なので意志で、「いかでか〜む」は反語。「私は親を残して、どうして先に死のうか、いや、死にはしない」。
Q87.「なむ」を識別せよ。
御文遣はさなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「遣はさ」未然+「なむ」。「御文を遣わしてほしい」。
Q88.「なむ」を識別せよ。
かかる有様を見なむ人は、いかが思はむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」(連体形・婉曲) 解説:上一段「見る」は未然形も連用形も「見」だが、下に体言「人」が続くので「なむ」は連体形。願望の終助詞「なむ」は活用せず体言には続かないので、連用形「見」+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」の連体形(婉曲)。「このような有様を見るような人は、どう思うだろうか」。
Q89.「なむ」を識別せよ。
雪なむ降りて、山も白かりける。
答え:係助詞「なむ」 解説:「雪」+「なむ」+連体「白かりける」。
Q90.「なむ」を識別せよ。
賢き人なむ世を捨つる。
答え:係助詞「なむ」 解説:「賢き人」+「なむ」+連体「捨つる」。「賢い人こそ世を捨てる」。
Q91.「なむ」を識別せよ。
我れひとり残されて、いかにしなむ。
答え:完了「ぬ」未然+意志「む」(疑問) 解説:「し」サ変「す」連用形+完了「ぬ」未然「な」+意志「む」。連用形接続。「私一人残されて、どうしようかしら」。
Q92.「なむ」を識別せよ。
今日なむ心安く侍る。
答え:係助詞「なむ」 解説:「今日」+「なむ」+連体「侍る」。
Q93.「なむ」を識別せよ。
この病にては、わが命ぞやがて尽きなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:上二段「尽く」は未然形と連用形が同じ「尽き」なので、形だけでは決まらない。上に係助詞「ぞ」があるので、文末は連体形で結ぶ。願望の終助詞「なむ」は活用しないので結びにならない。連用形「尽き」+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」の連体形(「ぞ」の結び)。「この病では、私の命はまもなく尽きてしまうだろう」。
Q94.「なむ」を識別せよ。
死なむ命惜しまず。
答え:ナ変「死ぬ」未然+推量「む」(連体形・婉曲) 解説:「死な」(ナ変「死ぬ」未然形)+「む」。下に体言「命」が続くので「む」は連体形で婉曲(〜ような)。「死ぬような命を惜しまない」。
Q95.「なむ」を識別せよ。
人の心、変はらずもあらなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「あら」(ラ変「あり」の未然形)+「なむ」。未然形+「なむ」=他者への願望。「変はらずもあらなむ」は、打消「ず」の連用形+係助詞「も」+「あら」+「なむ」で「変わらないでいてほしい」。「あの人の心が、変わらないでいてほしい」。
Q96.「なむ」を識別せよ。
故院なむかく仰せられし。
答え:係助詞「なむ」 解説:「故院」+「なむ」+連体「仰せられし」。
Q97.「なむ」を識別せよ。
今宵は、われここに寝(ね)なむ。
答え:完了「ぬ」未然+意志「む」 解説:「寝(ね)」は下二段「寝(ぬ)」の未然形・連用形(同じ形)なので、形だけでは決まらない。主語が「われ」(自分)なので、他者への願望の「なむ」ではない。連用形「寝」+完了「ぬ」未然形「な」+意志「む」。「今夜は、私はここで寝てしまおう」。
Q98.「なむ」を識別せよ。
宮、今日はここに泊まり給はなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「給は」は尊敬の補助動詞「給ふ」(四段)の未然形(連用形なら「給ひ」)。未然形+「なむ」=他者への願望。「宮様が、今日はここにお泊まりになってほしい」。「泊まり給ひなむ」なら、連用形+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」で「きっとお泊まりになるだろう」。
Q99.「なむ」を識別せよ。
秋来れば、燕もみな去(い)なむ。
答え:ナ変「去ぬ」未然+推量「む」 解説:「去(い)な」(ナ変「去ぬ(いぬ)」の未然形。「往ぬ」と同じ語)+「む」。主語が「燕」(3人称)なので「む」は推量。「秋が来ると、燕もみな去ってしまうだろう」。
Q100.「なむ」を識別せよ。
あはれと思ふ事なむ多かりける。
答え:係助詞「なむ」 解説:「事」+「なむ」+連体「多かりける」。「しみじみと思うことが多かった」。
入試レベル /20
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