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結論:漢文が苦手な人を、共通テストの土俵まで連れて行く「講義の本」
この本は、ひとことで言えば漢文を一からやり直したい人のための「しゃべる教科書」です。問題をたくさん解かせるドリル型ではなく、先生の話し言葉で「なぜそう読むのか」をかみくだいて説明していくタイプ。返り点の読み方から句形(漢文特有の言い回しのパターン)、単語、漢詩までを順番にたどり、最後に共通テスト形式の演習で仕上げます。漢文をほとんど習っていない、または苦手意識が強い高校生の「最初の1冊」として相性がよい本です。
基本情報
| 書名 | 大学入学共通テスト 飯塚敏夫 漢文講義の実況中継 |
|---|---|
| 出版社 | 語学春秋社 |
| 著者 | 飯塚敏夫 |
| シリーズ | 実況中継シリーズ |
| 定価 | 1,650円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 基礎〜標準(共通テスト・講義系) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(漢文が苦手で「読み方から」習いたい人に) |
この本の特徴(中身)
構成は、共通テストの説明 → 漢文訓読のルール(返り点・送り仮名など)→ 主要な句形 → 単語 → 漢詩 → 共通テスト対策の演習、という流れで、迷わず順番に進めるよう作られています。著者は予備校で漢文を教えてきたベテランで、語り口がやわらかくユーモアもあるため、活字の参考書なのに「先生の声が聞こえてくる」ような読み心地です。別冊として句形などをまとめた「漢文公式とことんサブノート」が付くので、本編で理解したことを、その小冊子で繰り返し確認・暗記できるのも実用的なポイントです。
👍 良い点
- 授業をそのまま再現する語り口で、独学でも挫折しにくい。話し言葉で「ここはこう考える」と一つずつ説明してくれるので、漢文の授業を真面目に聞いていなかった人でも置いていかれにくい。
- 必要なことを正しい順番で並べてくれる。返り点 → 句形 → 単語 → 漢詩 → 演習、と土台から積む流れになっていて、何から手をつければいいか分からない人の道しるべになる。
- 別冊サブノートで「覚える作業」まで面倒を見てくれる。本編で理解した句形や公式を小冊子に集約してあるので、通学中や直前期の見直しに使える。
🤔 気になる点
- 講義中心ぶん、解く量は多くない。読んで納得はできるが、共通テスト本番レベルの実戦演習量はこの1冊だけでは足りず、過去問や予想問題集の併用がほぼ前提になる。
- ページが厚く、読み切る根気がいる。「サクッと最短で点だけ取りたい」人には説明がていねいすぎて回りくどく感じることがある。短期決戦型には向かない。
- あくまで共通テスト基礎〜標準のレベル。難関大の二次・私大で出る難しい漢文や、突っ込んだ読解までは1冊でカバーしきれず、レベルが上がれば別の演習書が必要。
合う人・合わない人
合う人:漢文をほとんど習っていない、あるいは「返り点を見るだけで嫌になる」レベルの苦手な高校1〜2年生、共通テストで漢文を使うが今は手つかずの人。読みながらじっくり理解を積み上げたいタイプに向いています。
合わない人:すでに句形をひと通り覚えていて「あとは問題を解いて点を伸ばすだけ」の人、漢文に時間をかけられず最短ルートで仕上げたい人、難関大の難しい漢文読解まで一気に到達したい人には、講義部分が冗長に感じられます。
『漢文早覚え速答法』との違い
同じく漢文が苦手な人向けの定番に『漢文早覚え速答法(共通テスト対応版)』があります。こちらは「いがよみ公式」など暗記のショートカットを前面に出した、短時間で点を取りにいく“速攻型”。対して本書は、なぜそう読むのかを腰を据えて説明する“じっくり理解型”です。とにかく早く点が欲しいなら速答法、ちゃんと納得しながら漢文の地力をつけたいなら本書、という使い分けがおすすめ。時間に余裕があるなら本書で理解 → 直前期に速答法系で要点を高速復習、という二段使いも有効です。
おすすめの使い方
- まず本編を、別冊サブノートを横に置きながら順番に読み進める。1日1回分など範囲を区切り、返り点と句形は声に出して読んで体に入れる。
- 1周したら別冊サブノートだけを繰り返し、句形・公式・単語をテストして暗記を固める。あいまいな項目は本編の該当ページに戻って読み直す。
- 土台ができたら共通テストの過去問・予想問題に進み、間違えた箇所を本書の該当テーマに戻って確認する。この「演習→本書で復習」の往復で得点を安定させる。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★★★ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★☆☆ |
| 入門のしやすさ | ★★★★★ |
| 演習・実戦 | ★★☆☆☆ |
| 総合 | ★★★★☆(入門・読みやすさは抜群。ただし実戦演習は別途、過去問などで補う前提の1冊。) |
塾長としての評価は、「漢文の最初の1冊」としては自信を持っておすすめできる、というものです。話し言葉のていねいな解説は、漢文に苦手意識のある生徒の心理的なハードルを大きく下げてくれます。一方で、講義型ゆえに本番形式の演習量は控えめなので、これ1冊で完結はしません。本書で「読み方の土台」を作り、過去問や予想問題で「点を取る練習」を重ねる、という役割分担で使うのが正解です。その前提で使えば、漢文を得点源に変える力のある良書です。
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まとめ
まとめると、本書は漢文が苦手な人を共通テストの基礎レベルまで連れて行く「講義の本」。読みやすさと入門のしやすさが大きな魅力で、独学の最初の1冊に向いています。逆に、仕上げの演習は過去問などで補う必要がある点だけ覚えておいてください。なお当サイトでは、句形や返り点を整理した漢文の無料まとめ教材も公開しているので、本書と合わせて復習に役立ててもらえればと思います。



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