自己願望・他者願望・存在願望を100問で見分ける
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📖 先に理屈を固めたい人へ:「願望表現」まとめ解説 を読んでから解くと正答率が上がります。
このドリルでわかること
はじめに:願望表現の整理
古文の願望(〜したい/〜してほしい)を表す終助詞・連語:
| 形 | 接続 | 訳 | 主体 |
|---|---|---|---|
| ばや | 未然形 | 〜したい | 自分(1人称) |
| なむ(他者願望) | 未然形 | 〜してほしい | 他人(2/3人称) |
| てしがな/にしがな | 連用形 | 〜したい | 自分(強い願望) |
| もがな/がな | 体言・形容詞などの連用形・助詞(に・を など) | 〜があればなあ/〜であればなあ | 願望(存在) |
識別の鉄則
- 未然形+「ばや」で文が終わる(「〜ばやと思ふ」も同じ)→ 自分の願望「〜したい」
- 未然形+「なむ」 → 他者への願望「〜してほしい」
- 連用形+「てしがな/にしがな」 → 自分の強い願望
- 体言+「もがな/がな」 → 物事の存在を願う
注意:「なむ」の混同
「なむ」には複数の用法あり:
| 用法 | 接続 |
|---|---|
| 願望(他者)「なむ」 | 未然形 |
| 完了「ぬ」未然+推量「む」 | 連用形 |
| 係助詞「なむ」(強調) | 体言・連体形・助詞など(文中) |
| ナ変動詞の未然形の語尾「な」+推量「む」(死なむ・往なむ) | ナ変動詞「死ぬ」「往(い)ぬ」の一部 |
→ 直前の活用形で識別。ただし、上一段・上二段・下二段の動詞(見・過ぎ・明け など)は未然形と連用形が同じ形、カ変「来」は漢字では同じ字(未然形「こ」・連用形「き」)なので、形だけでは決まらない。主語(自分のことなら他者への願望ではない)・文脈・ふりがな・前後の語(下に体言・「を」・「とす」が続く、上に係助詞「ぞ・や・か」がある → 完了+推量)で決める。
上の「識別の鉄則」は、文法の理屈にそった見分け方。
こちらは 試験本番ですばやく答えを出す ための実戦テクニックです。
コツ① 文末の「ばや」を見つけたら未然形チェックだけでOK
文末(「〜ばやと思ふ」の「と」の前も含む)の「未然形+ばや」は、自分の願望「〜したい」。 例:「行かばや」→ 即「行きたい」と訳す。 ただし、文の途中で下に続く「ばや」は、接続助詞「ば」+係助詞「や」(〜ならば…か)のこともある。例:「折らばや折らむ」=折るならば折ろうか。
コツ② 「なむ」は直前の音で即判断
- 直前が アの音(四段・ラ変などの未然形) →「〜してほしい」(他者願望)
- 直前が イの音(四段・ラ変などの連用形) →「〜してしまうだろう」(完了+推量)
- 上一段・上二段・下二段(見・過ぎ・明け など)は未然形と連用形が同じ音、カ変「来」は漢字だと同じ字(こ/き)なので、音では決まらない。主語・文脈・ふりがな・前後の語で決める(サ変は「せなむ」が他者願望、「しなむ」が完了+推量)
- 「死なむ」「往(い)なむ」は、ナ変動詞の未然形の語尾「な」+推量「む」
- それ以外(体言・連体形・助詞の後)→ 係助詞(強調・訳さない)
例:「咲かなむ」→ ア音 → 「咲いてほしい」/「咲きなむ」→ イ音 → 「きっと咲くだろう」
コツ③ 「がな」「もがな」は前を見るだけ
- 前が 体言(名詞) → 「〜があればなあ」
- 前が 形容詞などの連用形(長く など)→ 「〜であればなあ」(長くもがな=長くあってほしい)
- 「てし」「にし」に付く「がな」→ 連用形+「てしがな」「にしがな」で「〜したいなあ」
「てしがな」「にしがな」は丸ごと1セットで「〜したい」と覚える。分解しない。
コツ④ 文末の「ばや」「がな」は願望/文中で、下が連体形で結ばれる「なむ」は係助詞
願望の終助詞は 文末(または「と思ふ」などの「と」の前)に来る。文中にあって、下の語が連体形で結ばれる「なむ」は係助詞。文末の「なむ」は、直前が未然形なら他者願望、連用形なら完了+推量(コツ②)。 文中でも、動詞に付いて下に「とす」「を」や体言が続く「なむ」(隠れなむとす・出でなむを待つ・散りなむ後)は完了+推量(「死なむ」などのナ変は、語尾「な」+推量「む」)。「〜なむと思ふ」「〜なむと祈る」のように「と」の前にある「なむ」は、文末と同じに見る。 例:「世にあらなむ」(文末・未然形)→ 願望/「春なむ来たる」(文中)→ 係助詞。
試験本番でのチェック順序
- 「ばや/なむ/がな/もがな/てしがな/にしがな」のどれかを特定
- 直前の語の活用形(未然か連用か体言か)を見る(未然形と連用形が同じ形の語は、主語・文脈・ふりがな・前後の語で決める)
- 表に当てはめて訳を決定
- 文末か文中かで係助詞「なむ」を除外
→ この順番で見れば、すばやく答えが出ます。
よくある引っかけ
- 「なむ」を見ると全部「〜してほしい」と訳す → 連用形接続は完了+推量「きっと〜だろう」
- 「来なむ」「明けなむ」を形だけで決める → 未然形と連用形が同じ形(字)の語は、主語・文脈・ふりがな・前後の語で決める(「来(こ)なむ」=来てほしい/「来(き)なむ」=きっと来るだろう)
- 「がな」を疑問「〜かな」と訳す → 古文の「がな」は、ほとんどが願望「〜があればなあ」
- 「ばや」を仮定「〜ならば」と混同 → 文末の「未然形+ばや」は終助詞で「〜したい」。ただし文の途中で下に続く「ばや」は、接続助詞「ば」+係助詞「や」(折らばや折らむ=折るならば折ろうか)のこともある
🎯 解き方のコツ(時短テクニック)
問題(Q1〜Q100)
ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。
【第1部】基礎編(Q1〜Q20)
Q1.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
琴を習はばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「習は」(四段「習ふ」未然形)+「ばや」。「琴を習いたい」。
Q2.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
春の野の花、とく咲かなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「咲か」(四段「咲く」未然形)+「なむ」。未然形+「なむ」=他者願望。「春の野の花が早く咲いてほしい」。
Q3.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
命の長き世もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「世」+「もがな」。「命の長い世があればなあ」。
Q4.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
われも歌の道を究めてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「究め」(下二段「究む」連用形)+「てしがな」。「私も和歌の道を究めたいなあ」。
Q5.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
われ、かの山に登らばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「登ら」(四段「登る」未然形)+「ばや」。「私はあの山に登りたい」。自己の動作に対する願望。
Q6.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
君も来(こ)なむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「来(こ)」(カ変「来」未然形)+「なむ」。未然形+「なむ」=他者願望。「あなたも来てほしい」。「来(き)なむ」と読めば、連用形+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」で「きっと来るだろう」になる。漢字の「来」は読みで決まる。
Q7.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
君が代千代もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「千代」+「もがな」。「あなたの御代が千年もあればなあ(千年も続いてほしい)」。
Q8.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
仏に祈らばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「祈ら」未然+「ばや」。「仏に祈りたい」。
Q9.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
心安く生きてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「生き」連用+「てしがな」。「心安く生きたいなあ」。
Q10.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
月見ばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「見」未然+「ばや」。「月を見たい」。
Q11.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
月、山の端近くなりて、隠れなむとす。
答え:(識別注意)完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:下二段「隠る」は未然形も連用形も「隠れ」で同じ形なので、形だけでは決まらない。下に「とす」が続く「〜なむとす」は「今にも〜してしまいそうだ」の言い方で、連用形「隠れ」+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。願望の終助詞「なむ」に「とす」は付かない。「月が山の端に近くなって、今にも隠れてしまいそうだ」。
Q12.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
心ある友もがな。
答え:願望「もがな」(存在願望) 解説:体言「友」+「もがな」。「心ある友があればなあ」。体言+もがなの典型。
Q13.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
古き友、見ばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「見」(上一段「見る」未然形)+「ばや」。「昔なじみの友に会いたい」(「見る」はここでは「会う」)。
Q14.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
この笛を吹きてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「吹き」(四段「吹く」連用形)+「てしがな」。「この笛を吹きたいなあ」。
Q15.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
我れ静かに眠らばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「眠ら」(四段「眠る」未然形)+「ばや」。「私は静かに眠りたい」。自己の動作に対する願望。
Q16.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
春雨降らなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「降ら」未然+「なむ」。「春雨が降ってほしい」。
Q17.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
わが庵を訪ふ人もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「人」+「もがな」。「私の庵を訪ねてくる人がいればなあ」。
Q18.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
君と心を通はさばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「通はさ」(四段「通はす」未然形)+「ばや」。「あなたと心を通わせたい」。
Q19.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
世を捨てて、山に籠もりてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「籠もり」(四段「籠もる」連用形)+「てしがな」。「世を捨てて(出家して)、山にこもりたいなあ」。
Q20.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
都へ文やるたよりもがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「たより」+「もがな」。「たより」は「つて・よい機会」。「都へ手紙を送るつてがあればなあ」。
基礎編 /20
【第2部】標準編(Q21〜Q50)
Q21.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
都を見ばやと思ふ。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「見」未然+「ばや」。「都を見たいと思う」。
Q22.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
雨止まなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「止ま」未然+「なむ」。「雨が止んでほしい」。
Q23.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
花散りなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「散り」連用+「なむ」。連用接続なので完了「ぬ」未然「な」+推量「む」。「花が散ってしまうだろう」。
Q24.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
老いせぬ世もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「世」+「もがな」。「老いない世があればなあ」。物事の存在を願う。
Q25.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
帝に仕へてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「仕へ」連用+「てしがな」。「帝にお仕えしたいなあ」。
Q26.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
経を読まばやと思ひて。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「読ま」未然+「ばや」。「お経を読みたい」。
Q27.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
鳥啼かなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「啼か」未然+「なむ」。「鳥が鳴いてほしい」。
Q28.次の傍線部「がな」を識別せよ。
古き友がな。
答え:願望「がな」 解説:体言「友」+「がな」(もがなの「も」省略形)。「古い友があればなあ」。
Q29.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
旅に出でばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「出で」(下二段「出づ」未然)+「ばや」。「旅に出たい」。
Q30.次の傍線部「にしがな」を識別せよ。
古き世を見にしがな。
答え:自己強願望「にしがな」 解説:「見」連用+「にしがな」。「てしがな」とほぼ同義。「古き世を見たいなあ」。
Q31.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
風和らがなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「和らが」(四段「和らぐ」未然形)+「なむ」。未然形+なむ=他者願望。「風が和らいでほしい」。
Q32.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
心を尽くさばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「尽くさ」未然+「ばや」。「心を尽くしたい」。
Q33.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
いつしか春もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「春」+「もがな」。「早く春があればなあ」。
Q34.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
都に住みてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「住み」連用+「てしがな」。「都に住みたいなあ」。
Q35.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
雨降りなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「降り」連用+「なむ」。連用接続なので完了+推量。「雨が降ってしまうだろう」。
Q36.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
人にも告げばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「告げ」(下二段未然)+「ばや」。「人にも告げたい」。
Q37.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
心を慰むるものもがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「もの」+「もがな」。「心を慰めるものがあればなあ」。
Q38.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
月さやかに照らなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「照ら」未然+「なむ」。「月が明るく照ってほしい」。
Q39.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
一目見ばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「見」未然+「ばや」。「ひと目見たい」。
Q40.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
心ゆくまで遊びてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「遊び」連用+「てしがな」。「心ゆくまで遊びたいなあ」。
Q41.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
波静まらなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「静まら」(四段「静まる」未然形)+「なむ」。未然形+なむ=他者願望。「波が静まってほしい」。
Q42.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
いま一度逢はばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「逢は」(四段「逢ふ」未然形)+「ばや」。「もう一度会いたい」。
Q43.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
君に逢ふよしもがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「よし」+「もがな」。「よし」は「手だて・方法」。「あなたに会う手だてがあればなあ」。
Q44.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
雪降りなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「降り」連用+「なむ」。「雪が降ってしまうだろう」。
Q45.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
春の野に出でばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「出で」(下二段未然)+「ばや」。「春の野に出たい」。
Q46.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
文を書きてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「書き」連用+「てしがな」。「手紙を書きたいなあ」。
Q47.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
君、とく帰らなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「帰ら」(四段「帰る」未然形)+「なむ」。未然形+「なむ」=他者願望。「あなたに早く帰ってきてほしい」。
Q48.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
心安き世もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「世」+「もがな」。「心安らかな世があればなあ」。
Q49.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
しばし眠らばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「眠ら」未然+「ばや」。「しばらく眠りたい」。
Q50.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
風吹きなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「吹き」連用+「なむ」。「風が吹いてしまうだろう」。連用接続→完了+推量。
標準編 /30
【第3部】応用編(Q51〜Q80)
係り結び・敬語・複雑な文構造を伴う問題。
Q51.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
何事も忘ればやと思ふ。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「忘れ」(下二段未然)+「ばや」。「何事も忘れたいと思う」。
Q52.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
散らば惜しからむ。桜、散らざらなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「散らざら」は「散ら」(四段「散る」未然形)+打消「ず」未然形「ざら」。未然形+「なむ」=他者願望なので、「散らざらなむ」は「散らないでほしい」。「散ったら惜しいだろう。桜よ、散らないでほしい」。
Q53.次の傍線部「もぞ」を識別せよ(「もがな」と見比べよう)。
玉の緒よ絶えなば絶えね、ながらへば忍ぶることの弱りもぞする。
答え:係助詞「も」+係助詞「ぞ」(危惧「〜すると困る」)。「もがな」ではない 解説:「もぞ」は係助詞「も」+「ぞ」で危惧の意。「もがな」ではない。識別の引っかけ。「絶えね」の「ね」は完了「ぬ」命令形(絶えてしまうなら絶えてしまえ)。
Q54.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
春を待たばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「待た」未然+「ばや」。「春を待ちたい」。
Q55.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
千年も生きてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「生き」連用+「てしがな」。「千年も生きたいなあ」。
Q56.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
雪も消えぬ。今は春も来(き)なむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「来(き)」(カ変「来」連用形)+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。「雪も消えた。今はもう春もきっと来るだろう」。「来(こ)なむ」と読めば、未然形+他者願望の「なむ」で「来てほしい」になる。
Q57.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
君と同じ志もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「志」+「もがな」。「君と同じ志があればなあ」。
Q58.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
かの人に伝へばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「伝へ」(下二段未然)+「ばや」。「あの人に伝えたい」。
Q59.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
風吹かなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「吹か」未然+「なむ」。「風が吹いてほしい」。
Q60.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
御目にかかりてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「かかり」連用+「てしがな」。「お目にかかりたいなあ」。
Q61.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
京に帰らばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「帰ら」未然+「ばや」。「京に帰りたい」。
Q62.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
あはれなる人もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「人」+「もがな」。「心動かす人があればなあ」。
Q63.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
御身安らかになりたまはなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「たまは」(四段尊敬「給ふ」未然)+「なむ」。敬語連動の他者願望。「お身体安らかでいらっしゃってほしい」。
Q64.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
一人にて居らばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「居ら」(ラ変「居り」未然)+「ばや」。「ひとりでいたい」。
Q65.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
都の様を見てしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「見」連用+「てしがな」。「都の様子を見たいなあ」。
Q66.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
御文届かなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「届か」未然+「なむ」。「お手紙が届いてほしい」。
Q67.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
風静かなる夜もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「夜」+「もがな」。「風静かな夜があればなあ」。
Q68.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
この絵を、宮に御覧ぜさせばや。
答え:願望(自己)「ばや」(敬語連動) 解説:「御覧ぜ」(サ変「御覧ず」未然形)+使役「さす」未然形「させ」+「ばや」。「御覧ぜさす」は「(貴人に)ご覧に入れる」。「この絵を、宮様にご覧に入れたい」と、敬語を交えた自己願望。
Q69.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
月を見むとて、雲晴れなむと祈る。
答え:(識別注意)願望(他者)「なむ」 解説:「晴れ」は下二段「晴る」の未然・連用同形なので、形だけでは決まらない。月を見ようとして、雲が晴れることを「祈る」場面なので、未然形「晴れ」+他者願望の終助詞「なむ」。「月を見ようと思って、雲が晴れてほしいと祈る」。
Q70.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
此の人と語らひてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「語らひ」連用+「てしがな」。「この人と語り合いたいなあ」。
Q71.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
文を書かばやと思へど、暇なし。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「書か」未然+「ばや」。「手紙を書きたいと思うけれど、暇がない」。
Q72.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
御代長く続かなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「続か」未然+「なむ」。「御代が長く続いてほしい」。
Q73.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
春ごとの花もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「花」+「もがな」。「春ごとの花があればなあ」。
Q74.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
御供に侍らばや。
答え:願望(自己)「ばや」(謙譲連動) 解説:「侍ら」(ラ変「侍り」未然、謙譲)+「ばや」。「お供に控えたい」と謙譲を交えた自己願望。
Q75.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
御簾の中に入りてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「入り」連用+「てしがな」。「御簾の中に入りたいなあ」。
Q76.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
風止みなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「止み」連用+「なむ」。「風が止んでしまうだろう」。連用接続→完了+推量。
Q77.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
御文奉らばや。
答え:願望(自己)「ばや」(謙譲連動) 解説:「奉ら」(四段「奉る」未然、謙譲)+「ばや」。「お手紙を差し上げたい」。
Q78.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
いつまでも変はらぬ友もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「友」+「もがな」。「いつまでも変わらない友があればなあ」。
Q79.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
この雨に、桜の盛りも過ぎなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「過ぎ」は上二段「過ぐ」の未然形・連用形(同じ形)なので、形だけでは決まらない。「この雨で」とこれから起こることを推し量っていて、盛りが過ぎるのを願う場面ではないので、連用形「過ぎ」+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。「この雨で、桜の盛りもきっと過ぎてしまうだろう」。
Q80.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
古今の歌を学ばばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「学ば」未然+「ばや」。「古今の和歌を学びたい」。
応用編 /30
【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)
難関大頻出パターン。複合敬語・係り結び・係り受けの注意問題。
Q81.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
御目にかからばやと申す。
答え:願望(自己)「ばや」(謙譲連動) 解説:「かから」未然+「ばや」。下に謙譲「申す」を伴う。「お目にかかりたいと申し上げる」。
Q82.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
わが君の御代ぞ、久しく栄えなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「栄え」は下二段「栄ゆ」の未然形・連用形(同じ形)なので、形だけでは決まらない。上に係助詞「ぞ」があるので、文末は連体形で結ぶ。終助詞「なむ」は活用しないので結びにならない。連用形「栄え」+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」の連体形(「ぞ」の結び)。「わが君の御代こそ、きっと長く栄えるだろう」。
Q83.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
いかでこの物語を人々に伝へてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「伝へ」(下二段連用)+「てしがな」。「いかで〜てしがな」は「なんとかして〜したいものだ」。「なんとかしてこの物語を人々に伝えたいものだなあ」。
Q84.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
風雅の心もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「心」+「もがな」。「風雅の心があればなあ」。
Q85.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
帝に奏せばや。
答え:願望(自己)「ばや」(謙譲連動) 解説:「奏せ」(サ変「奏す」未然、絶対敬語)+「ばや」。「帝に奏上したい」。
Q86.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
御前にて舞ひなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「舞ひ」(四段連用)+「なむ」。「御前にて舞ってしまうだろう」。連用→完了+推量。
Q87.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
御簾を上げばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「上げ」(下二段「上ぐ」未然)+「ばや」。「御簾を上げたい」。
Q88.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
宮の御前に参りてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「参り」(四段「参る」連用形、謙譲)+「てしがな」。「宮様の御前に参上したいなあ」。
Q89.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
この文の返りごと、とくせなむ。
答え:願望(他者)「なむ」 解説:「せ」はサ変「す」の未然形(連用形なら「し」)。未然形+「なむ」=他者願望。「この手紙の返事を早くしてほしい」。「しなむ」なら、連用形+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」で「きっとしてしまうだろう」。
Q90.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
千歳の松もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「松」+「もがな」。「千年の松があればなあ」。
Q91.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
身を清めばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「清め」(下二段「清む」未然形)+「ばや」。「(自分の)身を清めたい」。
Q92.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
われ、今日もむなしく暮らし果てなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「果て」(下二段「果つ」)は未然形と連用形が同じ形。主語が「われ」で自分のことなので、他人への願望の「なむ」ではない。連用形「果て」+完了「ぬ」未然形「な」+推量「む」。「私は今日もむなしく一日を過ごし終えてしまうだろう」。
Q93.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
後の世には、極楽に生まれてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「生まれ」(下二段「生まる」連用形)+「てしがな」。「来世には、極楽に生まれたいものだなあ」。
Q94.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
いとほしと思はばや。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「思は」(四段未然)+「ばや」。「いとおしいと思いたい」。
Q95.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
月の出でなむを待つ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「出で」は下二段「出づ」の未然形・連用形(同じ形)なので、形だけでは決まらない。下に「を」が続くので「なむ」は連体形。願望の終助詞「なむ」は活用せず「を」には続かないので、連用形「出で」+完了「ぬ」未然形「な」+推量(婉曲)「む」の連体形。「月が出るのを待つ」。
Q96.次の傍線部「もがな」を識別せよ。
いみじき才もがな。
答え:願望「もがな」 解説:体言「才」+「もがな」。「すばらしい才能があればなあ」。
Q97.次の傍線部「ばや」を識別せよ。
都に上らばやと思ひ立つ。
答え:願望(自己)「ばや」 解説:「上ら」未然+「ばや」。「都に上りたいと思い立つ」。
Q98.次の傍線部「てしがな」を識別せよ。
御供に従ひてしがな。
答え:自己強願望「てしがな」 解説:「従ひ」連用+「てしがな」。「お供に従いたいなあ」。
Q99.次の傍線部「なむ」を識別せよ。
我が思ふこと叶ひなむ。
答え:完了「ぬ」未然+推量「む」 解説:「叶ひ」連用+「なむ」。「思うことが叶うだろう」。連用→完了+推量。
Q100.次の傍線部「ばや・なむ・てしがな・もがな」のうち、文中の願望表現を識別せよ。
歌を詠まばや、御代久しからなむ、のどかに暮らしてしがな、よき友もがな。
答え:「ばや」自己願望/「なむ」他者願望/「てしがな」自己強願望/「もがな」存在願望 解説:4種すべてが一文に。「歌を詠みたい/御代が久しくあってほしい/のどかに暮らしたいなあ/よい友があればなあ」。どれも読点の前で言い切っている(「ばや」も下に続かないので願望)。「久しから」は形容詞「久し」の未然形で、未然形+「なむ」=他者願望。願望表現総合問題。
入試レベル /20
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