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結論:基礎を固めた人の「本番形式リハーサル」用
この本は、文法・単語・句形といった基礎をひと通り終えた人が、共通テスト独特の出し方に体を慣らすための問題集です。ゼロから古文・漢文を学ぶ入門書ではありません。共通テストは「複数の文章を読み比べる」「会話形式で考えさせる」など、昔のセンター試験とは違うクセがあります。そのクセに、著者オリジナルの予想問題3回分を解いて本番のリハーサルをする——これがこの本のいちばんの役割です。
基本情報
| 書名 | 改訂版 大学入学共通テスト 国語[古文・漢文]予想問題集 |
|---|---|
| 出版社 | KADOKAWA(中経出版) |
| 著者 | 矢野雅子 |
| シリーズ | 大学入学共通テスト 予想問題集(KADOKAWA) |
| ページ数 | 約280ページ |
| 定価 | 1,320円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 共通テスト(標準・予想問題3回) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(基礎を終えた人の「本番形式の仕上げ」に向く) |
この本の特徴(中身)
中身は大きく分けて、共通テストとセンター試験の違いや解き方を説明する「分析編」、実際の共通テスト(第1日程)の問題、そして著者が作ったオリジナル予想問題3回分、という構成です。本冊(解説)と別冊(問題)が分かれているので、問題だけを取り外して本番のように解けます。古文・漢文ともに、和歌や漢詩、複数の文章を比べて読む問題など、共通テストで実際に問われやすいタイプがしっかり入っています。解説は答えの丸暗記ではなく、「なぜその選択肢が正解で、他はなぜ違うのか」という考え方の道筋を見せてくれるので、解きっぱなしになりにくいのが良いところです。
👍 良い点
- オリジナル予想問題が3回分。本番と同じ時間・形式で「通し」で解く練習がたっぷりでき、時間配分の感覚をつかめます。
- 解説が「考え方」中心。正解の根拠と、ひっかけの選択肢を切る理由まで書いてあるので、なぜ間違えたのかを自分で振り返れます。
- 共通テスト特有の出題に的を絞っている。文章の読み比べや会話形式など、過去問だけでは数が足りない新傾向の練習を補えます。
🤔 気になる点
- 入門者には向かない。文法・単語・句形の知識がない状態で解くと、解説を読んでも消化しきれません。先に基礎の参考書を一冊終えておく必要があります。
- 「改訂版」は2021年1月の試験をもとにした版。共通テストはその後も傾向が動いているため、最新の出題形式と細部がずれている可能性があります。最新版が出ていないか書店で確認するのがおすすめです。
- 解説が丁寧なぶん、量が多く感じる人も。サクサク答え合わせだけしたい人や、薄く何冊もこなしたい人にはやや重く感じられます。
合う人・合わない人
合う人:古文・漢文の基礎(文法・単語・句形)を一通り終えて、いよいよ本番形式の演習に入りたい高校生・受験生。過去問だけでは演習量が足りず、本番そっくりの問題をもう何回分か解いて自信をつけたい人。解説をしっかり読み込んで「考え方」ごと身につけたい人に向いています。
合わない人:これから古文・漢文を一から始める人、文法や単語がまだあやふやな人。まずは基礎固めの参考書を終えてから、この本に進むのが順番です。また、とにかく最新年度ぴったりの傾向だけを追いたい人は、より新しい版や最新の予想問題集も合わせて確認してください。
『大学入学共通テスト 国語 実戦対策問題集(駿台・青本)』との違い
駿台や河合塾が出している実戦問題集(いわゆる青本・黒本)は、予備校が総力をあげて作るぶん収録回数が多く、模試由来の問題が中心で「とにかく量を解きたい」人向きです。一方この矢野先生の本は、古文・漢文に絞って3回分と回数はしぼりつつ、一問一問の解説の手厚さと「考え方の見せ方」に強みがあります。使い分けとしては、まずこの本で考え方の型を身につけ、そのうえで青本・黒本で量をこなして仕上げる、という二段構えが効率的です。
おすすめの使い方
- まず分析編を読み、共通テスト古文・漢文の出題のクセ(読み比べ・会話形式など)を頭に入れる。
- 予想問題を1回分、必ず時間を計って本番のように通しで解く。途中で辞書や答えは見ない。
- 解いた後は答え合わせだけで終わらせず、解説の「考え方の流れ」を読み込み、間違えた選択肢を切る理由まで自分の言葉で説明できるようにする。これを3回分くり返す。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★☆☆ |
| 入門のしやすさ | ★★☆☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★★★★ |
| 総合 | ★★★★☆(本番形式の演習と解説は優秀。ただし基礎を終えた人向けで、入門には不向き。) |
塾長としての評価は、「基礎を終えた人の仕上げ用としておすすめ」です。共通テスト古文・漢文は、知識があっても出し方に慣れていないと点が伸びません。その「慣れ」を作るための本番形式の演習量と、考え方まで踏み込んだ解説のバランスが良い一冊です。減点があるとすれば、入門者には荷が重い点と、改訂版が少し前の試験をもとにしている点。ここを承知のうえで「基礎の次の一手」として使えば、十分に元が取れる本だと思います。
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まとめ
まとめると、この本は古文・漢文の基礎を終えた受験生が、本番そっくりの予想問題3回分で実戦感覚を仕上げるのに向いた一冊です。ゼロから始める本ではないので、文法・単語・句形にまだ不安がある人は、まず基礎固めから。当サイトでは、共通テスト古文・漢文の文法や句形を無料で復習できる教材やまとめシートも用意しているので、この本に入る前の土台づくりに、ぜひ活用してみてください。
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