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結論:基礎を終えた人の「最後の総仕上げ」に向く演習集
これは単語帳や文法の入門書ではなく、すでに古文の基礎を一通り終えた人が、共通テスト本番に近い問題で実戦感覚を磨くための演習問題集です。収録はオリジナル問題10題と少なめで、その分1題ごとの解説が手厚いのが持ち味。「短期」と銘打つだけあって、集中すれば1〜2週間で一周できる分量なので、直前期の追い込みや、模試の前後に形式に慣れておきたい人の相棒になります。
基本情報
| 書名 | 短期攻略 大学入学共通テスト 古文 〈三訂版〉 |
|---|---|
| 出版社 | 駿台文庫 |
| 著者 | 菅野三恵・柳田縁 |
| シリーズ | 駿台受験シリーズ |
| ページ数 | 約208ページ |
| 定価 | 1,320円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 共通テスト(標準〜難関・演習型) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(基礎が固まった人の「仕上げ演習」に最適) |
この本の特徴(中身)
中身は、駿台の講師陣が作ったオリジナル問題が10題。物語・説話・歌論・軍記・近世の随筆など、できるだけ多くのジャンルの文章に触れられるよう工夫されていて、共通テストで狙われやすい「複数の文章を読み比べる問題」や「先生と生徒の対話形式の問題」「和歌の理解」もカバーしています。問題は易しいものから難しいものへと段階的に並んでいるので、前から順に解いていけば自然と力がつく作りです。三訂版では新たに「合格のカギ」という、文法や和歌の基礎を要点だけ整理したコーナーが加わり、解く前の確認や解いた後の復習に使えるようになりました。古文の世界が楽しくなる関連コラムも挟まれています。
👍 良い点
- 解説が本当に丁寧。問題数を10題にしぼっている分、1題あたりの解説ページがたっぷり取られていて、「なぜその選択肢が正解で、他がダメなのか」を根拠つきで追えます。独学でもつまずきにくい。
- 共通テストの新しい出題形式に対応。複数の文章を読み比べる問題や、先生と生徒の対話形式の問題など、過去問だけでは数が少ない最新形式を、本番に寄せた作りで練習できます。
- 短期間で一周できる分量。10題なので、毎日1題ずつでも2週間かからず終わります。直前期に「形式に慣れる」目的を一気に達成できるのが強みです。
🤔 気になる点
- 単語・文法の入門用ではない。本書は問題演習が中心で、単語や助動詞の一覧をイチから教えてくれる本ではありません。基礎が抜けている段階で手を出すと、解説を読んでも消化しきれません。
- 問題数が10題と少ない。じっくり1題を味わう設計なので、とにかく数をこなして場数を踏みたい人には物足りなく感じることがあります。これ1冊で演習量が十分とは言い切れません。
- オリジナル問題なので過去問そのものではない。本番に寄せてはいますが、実際の共通テスト・センター試験の過去問演習は別途必要です。本書はあくまで形式に慣れるための補助と考えるのが正解です。
合う人・合わない人
合う人:単語と文法(とくに助動詞・敬語)を一通り終えていて、「あとは共通テスト形式の問題で本番感覚をつかみたい」という人。短期間で集中して仕上げたい人や、解説をじっくり読んで弱点を潰すタイプの人に向きます。古文をある程度読めるけれど、共通テストの独特な設問形式に不安がある受験生にちょうどよい一冊です。
合わない人:古文単語をまだほとんど覚えていない人、助動詞や敬語の文法があやふやな人には早すぎます。まずは単語帳と文法の基礎を固めてから。また、できるだけ多くの問題を解いて演習量を稼ぎたい人は、これ1冊では足りないので、過去問や他の問題集と組み合わせる前提で考えてください。
『マーク式基礎問題集 古文』(河合出版)との違い
同じ共通テスト向けの演習書として、河合出版の『マーク式基礎問題集 古文』がよく比べられます。大きな違いは難易度の入り口です。河合の方は本番よりやや易しめで、ジャンル別・分野別に弱点を潰しながら「解き方の基本」を身につける作り。一方この『短期攻略』は本番と同等かやや難しめで、形式に慣れた人が実戦力を磨く仕上げ向きです。順番でいうと、基礎演習に河合『マーク式基礎問題集』→ 仕上げにこの『短期攻略』と橋渡しするのが理想的。古文がまだ不安なら河合から、ある程度読めるなら短期攻略から始める、と切り分けるとよいでしょう。
おすすめの使い方
- 解く前に「合格のカギ」で基礎を確認。文法や和歌の要点ページに目を通し、抜けがないかチェックしてから問題に入ります。
- 1題を時間を計って本番のように解く。1日1題のペースで、共通テスト本番の時間配分を意識して解答。終わったらすぐ答え合わせをします。
- 解説を「なぜ」で読み込み、間違えた根拠を言葉にする。正解の選択肢だけでなく、外した選択肢がなぜダメかまで解説で確認し、自分の弱点をノートに書き出すと定着します。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★☆☆ |
| 入門のしやすさ | ★★☆☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★★★★ |
| 総合 | ★★★★☆(共通テスト形式の仕上げ演習に優秀。基礎が未完成の人や演習量重視の人には向かない) |
塾長としての評価は「人を選ぶが、ハマる人にはとても良い一冊」です。10題という割り切った構成と手厚い解説のおかげで、基礎が固まった生徒が短期間で共通テストの形式に慣れるには理想的。とくに対話形式や複数テクストといった新傾向を、丁寧な解説つきで練習できる価値は大きいです。一方で、単語・文法がまだの段階で買うと宝の持ち腐れになりますし、これ1冊で演習量が完結するわけではありません。立ち位置を正しく理解して使えば、費用対効果の高い仕上げ教材だと思います。
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まとめ
『短期攻略 大学入学共通テスト 古文〈三訂版〉』は、基礎を終えた受験生が共通テスト本番の感覚を短期間でつかむための、丁寧な解説つき演習集です。入門書ではない点と、過去問演習は別に必要な点だけ押さえておけば、直前期の心強い味方になります。なお、単語や文法がまだ不安だという人は、いきなりこの本に進む前に当サイトの無料の古文文法・単語まとめで土台を固めてから挑戦すると、解説の理解がぐっと楽になりますよ。



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