古文「き」の識別 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「き」識別ドリル アイキャッチ 古文ドリル

過去「き」の変則活用を100問で完全理解

このページは「誰でも古典塾」が無料で配布する古典文法ドリルです。問題用PDF・解答用PDFを無料でダウンロードできます。印刷して手元で解いてもOK、このページに表示された問題を画面で解いてもOK。

📥 PDFダウンロード(無料・印刷可)

📝 問題編PDFをダウンロード

✅ 解答編PDFをダウンロード

A4・問題用は解答スペース付き/解答用は答えと解説

このドリルでわかること

はじめに:過去の助動詞「き」

過去の助動詞「き」は、 連用形接続(カ変・サ変は例外あり)。 活用が変則的で、入試の頻出識別テーマ。

活用形 用例
未然 行かば(反実仮想)
連用 (なし)
終止 行き
連体 行き
已然 しか 行きしか
命令 (なし)

意味:自分が経験した過去(実体験)


カ変・サ変の例外

動詞 未然「せ」 連体「し」 已然「しか」
カ変「来(く)」 こ・き接続不可 来(こ)/来(き) 来(こ)しか
サ変「す」 (せ)=せし しか

→ 「来し」「せし」のように特殊形を取る。


識別の鉄則

識別の鉄則

  1. 直前は連用形(カ変・サ変のみ例外)
  2. 「し」が出てきたら多くは過去連体形(「形容詞語幹+し」と混同注意)
  3. 「しか」は已然形+ば(過去原因・確定)
  4. 「せば〜まし/なまし/けむ」は未然形(反実仮想)
  5. 「し」が体言の前 → 連体形ほぼ確定
  6. 「しか」が「ども」を伴うと逆接(〜したけれども)

「き」と「けり」の違い

助動詞 ニュアンス
自分が経験した過去
けり 伝聞・気づき(〜たのだなあ)

例: – 行き:(自分が)行った – 行きけり:行ったのだなあ(気づき・伝聞)


識別注意:紛らわしい「し」「しか」

  • 副助詞「し」(強意):「今も」「春くれば」
  • 形容詞シク活用語尾「し」:「美」「悲
  • サ変動詞「す」連用形「し」:「ものし給ふ」の「し」
  • 副詞「しか」:「しか思ふ」(そう思う)

→ 直前接続・下接語で判断する。


「識別の鉄則」は文法的に正しい順序。
こちらは 試験本番で3秒で答えを出す ための実戦テクニックです。

コツ① 「し」を見たら まず連体形 と疑え

過去「き」の連体形「」が古文で最頻出。 – 「+体言」 → 過去連体形でほぼ確定(行きし人・見し花・思ひし夜) – 「+句点」 → 過去終止形「き」ではないので、別の語の可能性

→ 「し」を見たら 直後を確認。体言があれば連体形・過去で即答。

コツ② 「しか」3点セットで覚える

  • しかば」 → 已然形+ば → 過去の 原因・確定(〜したので)
  • しかども」 → 已然形+ども → 過去の 逆接(〜したけれども)
  • しか」単独で文末 → こその結び(已然形)

→ 「しか」が出てきたら 已然形 で即答。

コツ③ 「せば〜まし」は反実仮想の合図

「せば」「ましかば」「ませば」が前にあって、文末に「まし」があれば、未然形+反実仮想。 「」は「き」の未然形。 例:「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」

→ 「せば」を見たら未然形・反実仮想で即答。

コツ④ カ変・サ変の特殊形は 丸暗記

  • カ変「来」 → 「し」「しか」「し」「しか」(こ/き両方OK)
  • サ変「す」 → 「し」「しか」(必ず「せ」)

→ 「せし」「せしか」を見たら サ変「す」+過去「き」 で即答。

試験本番でのチェック順序

  1. 「し」+体言 → 過去「き」連体形
  2. 「しか」+ば/ども → 過去「き」已然形
  3. 「せば」〜「まし」 → 過去「き」未然形+反実仮想
  4. 「せし」「こし」 → サ変・カ変+過去「き」

→ この順番で 3秒 で答えが出ます。

よくある引っかけ

  • 形容詞シク活用の語尾「」(美・悲)と過去連体「」は別物 → 直前が動詞連用形か形容詞語幹かで判別
  • 副助詞「」(強意):「今も」「春くれば」 → 動詞連用形に下接していない
  • 副詞「しか」(そう):「しか思ふ」 → 文頭近くにあり下接語と関係しない

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編(Q1〜Q20)

純粋な四活用形の識別。


Q1.次の傍線部「き」を識別せよ。

我れ昨日、京に行き

答え:過去「き」終止形 解説:「行き」連用+「き」。文末で終止。「私は昨日、京に行った」。


Q2.次の傍線部「し」を識別せよ。

行き人。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「行き」連用+「し」+体言「人」。「行った人」。


Q3.次の傍線部「しか」を識別せよ。

行きしかば、人ありき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「行き」連用+「しか」+「ば」。「行ったので、人がいた」。


Q4.次の傍線部「せ」を識別せよ。

月見ば、心慰めなまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「見」連用+「せ」+「ば」+「なまし」。「月を見たならば、心が慰められるだろうに」。


Q5.次の傍線部「き」を識別せよ。

昨夜、夢を見

答え:過去「き」終止形 解説:「見」連用+「き」。「昨夜、夢を見た」。


Q6.次の傍線部「し」を識別せよ。

方。

答え:過去「き」連体形「し」(カ変例外) 解説:カ変「来」連用「き」+「し」+体言「方」。「過ぎ去った(来た)方角・過去」。


Q7.次の傍線部「しか」を識別せよ。

友、訪ね来しかば、喜びけり。

答え:過去「き」已然形「しか」(カ変例外) 解説:カ変「来」+「しか」+「ば」。「友が訪ねて来たので、喜んだ」。


Q8.次の傍線部「き」を識別せよ。

我れ京に住み

答え:過去「き」終止形 解説:「住み」連用+「き」。「私は京に住んでいた」。


Q9.次の傍線部「し」を識別せよ。

我が思ひ人。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「思ひ」連用+「し」+体言「人」。「私が思った人」。


Q10.次の傍線部「しか」を識別せよ。

月見しかば、心安らぎぬ。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「見」連用+「しか」+「ば」。「月を見たので、心が安らいだ」。


Q11.次の傍線部「ませ」を識別せよ。

春咲かませば、雪解けなまし。

答え:反実仮想「まし」未然形「ませ」+接続助詞「ば」 解説:「咲か」未然+「ませ」+「ば」+「なまし」。「もし春が咲いたならば、雪が解けるだろうに」。明確な反実仮想構文。


Q12.次の傍線部「き」を識別せよ。

嵐に倒れ

答え:過去「き」終止形 解説:下二段「倒る」連用「倒れ」+「き」。「嵐で倒れた」。


Q13.次の傍線部「し」を識別せよ。

唐土に渡り僧。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「渡り」連用+「し」+体言「僧」。「中国に渡った僧」。


Q14.次の傍線部「しか」を識別せよ。

雨降りしかば、出でられず。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「降り」連用+「しか」+「ば」。「雨が降ったので、出かけられなかった」。


Q15.次の傍線部「せ」を識別せよ。

古典を学びば、いかに賢からまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「学び」連用+「せ」+「ば」+「まし」。「古典を学んでいたならば、どんなに賢かろうに」。


Q16.次の傍線部「き」を識別せよ。

物書き

答え:過去「き」終止形 解説:「書き」連用+「き」。「文を書いた」。


Q17.次の傍線部「し」を識別せよ。

嘆き夜。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「嘆き」連用+「し」+体言「夜」。「嘆いた夜」。


Q18.次の傍線部「しか」を識別せよ。

月隠れしかば、夜暗かりき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「隠れ」連用+「しか」+「ば」。「月が隠れたので、夜が暗かった」。


Q19.次の傍線部「き」を識別せよ。

笛を吹き

答え:過去「き」終止形 解説:「吹き」連用+「き」。「笛を吹いた」。


Q20.次の傍線部「し」を識別せよ。

過ぎ春。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:上二段「過ぐ」連用「過ぎ」+「し」+体言「春」。「過ぎ去った春」。


基礎編 /20


【第2部】標準編(Q21〜Q50)

サ変・カ変例外、係り結び、文末の連体留めなどが混じる。


Q21.次の傍線部「し」を識別せよ。

給ひける。

答え:サ変「す」連用形「し」(「き」ではない) 解説:サ変「ものす」(あることをする)の連用形。下に「給ふ」尊敬補助動詞が来る。過去の「し」ではない引っかけ。


Q22.次の傍線部「し」を識別せよ。

我が見夢、忘れがたし。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:上一段「見る」連用「見」+「し」+体言「夢」。


Q23.次の傍線部「しか」を識別せよ。

知りしかども、言はず。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ども」(逆接) 解説:「しか+ども」は「〜たけれども」と逆接。「知っていたけれども、言わなかった」。


Q24.次の傍線部「せ」を識別せよ。

心あらば、いかにあはれと思はまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:ラ変「あり」未然「あら」+「せ」+「ば」+「まし」。「思いやりがあったら、どんなに哀れと思うだろうに」。


Q25.次の傍線部「し」を識別せよ。

くれば、花咲く。

答え:副助詞「し」(強意、過去「き」ではない) 解説:「春が来ると」を強める副助詞。下に動詞「くれ」(カ変已然)が来る。直前体言で連用接続でないので過去「き」連体形ではない。


Q26.次の傍線部「き」を識別せよ。

親に孝ある人なり

答え:過去「き」終止形 解説:断定「なり」連用+「き」。「親孝行な人だった」。


Q27.次の傍線部「し」を識別せよ。

我れ思ひこと、皆実となれり。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「思ひ」連用+「し」+体言「こと」。「私が思ったことは、皆実現した」。


Q28.次の傍線部「しか」を識別せよ。

鶯鳴きしかば、春来にけり。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「鳴き」連用+「しか」+「ば」。「鶯が鳴いたので、春が来たと気づいた」。


Q29.次の傍線部「せ」を識別せよ。

雨降らば、行かざらまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「降ら」未然+「せ」+「ば」+「まし」。「雨が降ったなら、行かなかったろうに」。


Q30.次の傍線部「し」を識別せよ。

いと楽しきことなりけり。

答え:形容詞シク活用「楽し」連体形「楽しき」語尾の「し」(過去「き」ではない) 解説:シク活用形容詞「楽し」連体形「楽しき」に含まれる「し」。過去の助動詞「き」と混同しないこと。


Q31.次の傍線部「き」を識別せよ。

帝、御覧じ

答え:過去「き」終止形 解説:「御覧ず」サ変連用「御覧じ」+「き」。「帝はご覧になった」。


Q32.次の傍線部「し」を識別せよ。

帝、御覧じ御文。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:サ変「御覧ず」連用+「し」+体言「御文」。「帝がご覧になった御文」。


Q33.次の傍線部「しか」を識別せよ。

月隠れしかども、なほ仰ぐ。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ども」(逆接) 解説:「しか+ども」逆接。「月が隠れたけれども、なお見上げる」。


Q34.次の傍線部「せ」を識別せよ。

心知らば、必ず告げまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「知ら」未然+「せ」+「ば」+「まし」。「事情を知っていたら、必ず告げただろうに」。


Q35.次の傍線部「し」を識別せよ。

行く春を惜しみ

答え:過去「き」連体形「し」(文末の連体留め) 解説:和歌などで「ぞ・なむ・や・か」がなくても文末を連体形で結ぶ余情表現。「行く春を惜しんだ」。


Q36.次の傍線部「し」を識別せよ。

「我が見人」と詠ふ。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「見」連用+「し」+体言「人」。


Q37.次の傍線部「しか」を識別せよ。

物言ひしかば、答へなまし。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(順接確定条件) 解説:「言ひ」連用+「しか」(已然)+「ば」。「物を言ったので、答えただろうに」。


Q38.次の傍線部「き」を識別せよ。

父、世を捨て

答え:過去「き」終止形 解説:下二段「捨つ」連用「捨て」+「き」。「父は世を捨てた(出家した)」。


Q39.次の傍線部「し」を識別せよ。

世に語り伝ふることこそ、心ありぬべけれ。さ思ひ昔。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「思ひ」連用+「し」+体言「昔」。「そう思った昔」。


Q40.次の傍線部「しか」を識別せよ。

友、来しかば、酒酌み交はしけり。

答え:過去「き」已然形「しか」(カ変例外)+接続助詞「ば」(原因) 解説:カ変「来」+「しか」+「ば」。「友が来たので、酒を酌み交わした」。


Q41.次の傍線部「せ」を識別せよ。

我れ若くあらば、いかにせまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:ラ変「あり」未然「あら」+「せ」+「ば」+「まし」。「私が若かったら、どうしただろうに」。


Q42.次の傍線部「し」を識別せよ。

我れ書かせし書。

答え:過去「き」連体形「し」(使役「す」連用「せ」+「し」) 解説:使役「す」連用「せ」+過去「き」連体「し」。「私が書かせた書物」。


Q43.次の傍線部「き」を識別せよ。

命長くもあり

答え:過去「き」終止形 解説:ラ変「あり」連用+「き」。「命長く(生き長らえる)こともあった」。


Q44.次の傍線部「し」を識別せよ。

方行く末。

答え:過去「き」連体形「し」(カ変例外) 解説:カ変「来」+「し」+体言「方」。「過去と未来」。慣用句。


Q45.次の傍線部「しか」を識別せよ。

雪降り積もりしかば、道見えず。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「積もり」連用+「しか」+「ば」。「雪が降り積もったので、道が見えない」。


Q46.次の傍線部「せ」を識別せよ。

命あらば、また会はまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「あら」未然+「せ」+「ば」+「まし」。「命があったら、また会うだろうに」。


Q47.次の傍線部「し」を識別せよ。

花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふる眺めせ間に。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:サ変「す」連用「せ」+「し」+体言「間」。「ぼんやり物思いにふけっていた間に」。小野小町の名歌。


Q48.次の傍線部「しか」を識別せよ。

都を出でしかば、心細し。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:下二段「出づ」連用「出で」+「しか」+「ば」。「都を出たので、心細い」。


Q49.次の傍線部「き」を識別せよ。

古き世に栄え

答え:過去「き」終止形 解説:「栄え」連用+「き」。「昔の世に栄えていた」。


Q50.次の傍線部「し」を識別せよ。

行かむる。

答え:使役の助動詞「しむ」連体形「しむる」の一部「し」(過去「き」ではない) 解説:使役「しむ」は未然形接続。「行か+しむる」。「し」は使役助動詞の語頭であり、過去「き」とは無関係。識別注意。


標準編 /30


【第3部】応用編(Q51〜Q80)

係り結び・複合語・敬語・複雑な接続の組み合わせ。


Q51.次の傍線部「し」を識別せよ。

ぞ/知り

答え:過去「き」連体形「し」(係り結び「ぞ」の結び) 解説:「ぞ」係助詞→連体形結び。「知っていたのだ」。


Q52.次の傍線部「し」を識別せよ。

なむ/聞き

答え:過去「き」連体形「し」(係り結び「なむ」の結び) 解説:「なむ」係助詞→連体形結び。「聞いたのだ」。


Q53.次の傍線部「しか」を識別せよ。

こそ/思ひしか

答え:過去「き」已然形「しか」(係り結び「こそ」の結び) 解説:「こそ」係助詞→已然形結び。「思ったのだ」。


Q54.次の傍線部「し」を識別せよ。

や/見

答え:過去「き」連体形「し」(係り結び「や」の疑問) 解説:「や」係助詞→連体形結び。「見たのか(いや見ていない)」。


Q55.次の傍線部「し」を識別せよ。

か/聞こえ

答え:過去「き」連体形「し」(係り結び「か」の疑問) 解説:「か」係助詞→連体形結び。「聞こえたのか」。


Q56.次の傍線部「しか」を識別せよ。

思ひしかど、言はざりき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ど」(逆接) 解説:「しか+ど」逆接。「思ったけれども、言わなかった」。


Q57.次の傍線部「し」を識別せよ。

我が捨て家、人住まず。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「捨て」連用+「し」+体言「家」。「私が捨てた家」。


Q58.次の傍線部「せ」を識別せよ。

もし行かましかば、悔いず。

答え:過去「き」未然形「せ」+「ましか」+「ば」(反実仮想) 解説:「せましかば〜まし」は反実仮想の強調形。「もし行っていたら、悔やまなかっただろう」。


Q59.次の傍線部「ん」を識別せよ。

命のあらかぎり、君を思はむ。

答え:推量(婉曲・連体形)「む(ん)」 解説:「あら」未然+推量「む」連体形「ん」+「かぎり」。「命のあるかぎり、君を思おう」。


Q60.次の傍線部「し」を識別せよ。

桜散りころ、雪降りき。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「散り」連用+「し」+体言「ころ」。「桜が散ったころ」。


Q61.次の傍線部「しか」を識別せよ。

親病みしかば、看取り侍りき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「病み」連用+「しか」+「ば」。「親が病んだので、看病いたしました」。


Q62.次の傍線部「し」を識別せよ。

我れ仕う奉り君。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「仕う奉り」連用+「し」+体言「君」。「私がお仕えした主君」。


Q63.次の傍線部「せ」を識別せよ。

もし神あらば、なほ祈らまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「あら」未然+「せ」+「ば」+「まし」。「もし神がいたら、なお祈るだろうに」。


Q64.次の傍線部「し」を識別せよ。

古へに聞こえ人々。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「聞こえ」連用+「し」+体言「人々」。「古に有名だった人々」。


Q65.次の傍線部「しか」を識別せよ。

言ひしかば、いと恥づかし。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「言ひ」連用+「しか」+「ば」。「言ったので、たいそう恥ずかしい」。


Q66.次の傍線部「し」を識別せよ。

露ばかり残り思ひ。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「残り」連用+「し」+体言「思ひ」。「露ほど残っていた思い」。


Q67.次の傍線部「き」を識別せよ。

心の鬼に責められ

答え:過去「き」終止形 解説:「責められ」(受身「らる」連用)+「き」。「自責の念に苦しめられた」。


Q68.次の傍線部「し」を識別せよ。

道のほとりに紫の生ひたり草。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:完了「たり」連用+「し」+体言「草」。「道のほとりに紫色に生えていた草」。


Q69.次の傍線部「しか」を識別せよ。

もの言ひしかば、聞き入れまし。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(順接確定条件) 解説:「言ひ」連用+「しか」(已然)+「ば」。「ものを言ったので、聞き入れただろうに」。


Q70.次の傍線部「し」を識別せよ。

その後、影をだに見人なし。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「見」連用+「し」+体言「人」。「その後、影さえも見た人はいない」。


Q71.次の傍線部「しか」を識別せよ。

「来や」と言ひしかば、来ぬ。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「言ひ」連用+「しか」+「ば」。「『来るか』と言ったので、来た」。


Q72.次の傍線部「せ」を識別せよ。

我れ知らば、教へまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「知ら」未然+「せ」+「ば」+「まし」。「私が知っていたなら、教えるだろうに」。


Q73.次の傍線部「し」を識別せよ。

暮るるほどに着き舟。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「着き」連用+「し」+体言「舟」。「日暮れ時に着いた舟」。


Q74.次の傍線部「し」を識別せよ。

かなしき。

答え:副助詞「し」(強意、過去「き」ではない) 解説:「命がかなしい」を強める副助詞。直前体言で連用接続でないので過去ではない。


Q75.次の傍線部「しか」を識別せよ。

思ひしかど、口に出さず。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ど」(逆接) 解説:「思ひ」連用+「しか」+「ど」。「思ったけれど、口に出さなかった」。


Q76.次の傍線部「し」を識別せよ。

帝の見夢に告げあり。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「見」連用+「し」+体言「夢」。「帝が見た夢にお告げがあった」。


Q77.次の傍線部「せ」を識別せよ。

風吹かば、波立たまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「吹か」未然+「せ」+「ば」+「まし」。「風が吹いていたら、波も立ったろうに」。


Q78.次の傍線部「し」を識別せよ。

いま散らむ。

答え:副助詞「し」(強意) 解説:「今ちょうど散るだろう」を強める副助詞。直前副詞「いま」。


Q79.次の傍線部「しか」を識別せよ。

心強かりしかど、涙落ちぬ。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ど」(逆接) 解説:形容詞「強し」カリ活用連用「強かり」+「しか」+「ど」。「気丈であったけれども、涙が落ちた」。


Q80.次の傍線部「し」を識別せよ。

我れ恋ひ人、もはやあらず。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:上二段「恋ふ」連用「恋ひ」+「し」+体言「人」。「私が恋した人は、もういない」。


応用編 /30


【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)

難関大頻出。複合パターン・古典作品からの抜粋。


Q81.次の傍線部「し」を識別せよ。(伊勢物語)

昔、男ありけり。京にありわびて東の方に住むべき国求めにとて行きけり。…さても、なほ東へ行きけり。三河の国八橋といふ所に至りぬ。…旅をし思ふ。

答え:副助詞「し」(強意) 解説:「し+ぞ」は強意の副助詞「し」+係助詞「ぞ」。直前体言「旅」+「し」+「ぞ」+動詞「思ふ」(連体結び)。「(こんな)旅をこそ思うのだ」。過去ではない。


Q82.次の傍線部「し」を識別せよ。(古今集・在原業平)

月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身に

答え:副助詞「し」(強意) 解説:「身にして」の「し」は強意副助詞。動詞ではなく副助詞。難関頻出の識別ポイント。


Q83.次の傍線部「し」を識別せよ。(古今集・小野小町)

思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りば覚めざらましを

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「知り」連用+「せ」+「ば」+「まし」。「夢と知っていたなら、覚めなかったろうに」。反実仮想の典型。


Q84.次の傍線部「し」を識別せよ。(百人一首・崇徳院)

瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむと思ふ

答え:(過去「し」を含まない歌、参考問題) 解説:この歌に過去「き」は含まれない。直前の問題からの転換例として「ぞ〜思ふ」の係り結びを確認。


Q85.次の傍線部「し」を識別せよ。(土佐日記)

京に思ふ人なきにしもあらず。さるは、便りごとに物も絶えかど。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ど」(逆接)の「しか」 解説:「得」(下二段連用)+「しか」+「ど」。「便りごとに、品物を絶えず受け取っていたけれど」。


Q86.次の傍線部「し」を識別せよ。(更級日記)

あづま路の道のはてよりも、なほ奥つかたに生ひ出でたり人。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:完了「たり」連用+「し」+体言「人」。「東路の道の果てよりさらに奥のほうに育った人」。作者菅原孝標女自身。


Q87.次の傍線部「し」を識別せよ。(源氏物語・桐壺)

いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。

答え:(過去「し」を含まない、参考問題) 解説:「たまひける」は「けり」連体形。過去「き」ではない。「き」と「けり」の混同に注意。


Q88.次の傍線部「しか」を識別せよ。(徒然草)

いみじき名馬なれども、悪しき名のうたて覚ゆなり。ことに名利を求めめば、いみじき名馬なりと思ひしかども、なほ売り給ひつ。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ども」(逆接) 解説:「思ひ」連用+「しか」+「ども」。「立派な名馬だと思ったけれども、やはり売ってしまった」。


Q89.次の傍線部「し」を識別せよ。(枕草子)

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる

答え:(過去「し」を含まない、参考問題) 解説:「たる」は完了「たり」連体形。識別の引っかけとして確認。


Q90.次の傍線部「せ」を識別せよ。(古今集・紀貫之)

結ぶ手のしづくに濁る山の井のあかでも人に別れぬるかな。…逢はずあらばあひしまさらず。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「あら」未然+「せ」+「ば」。「逢わずにいたなら、こうも会いたいとは思わなかったろうに」(の趣旨)。難関頻出。


Q91.次の傍線部「し」を識別せよ。(大鏡)

御年五十六にて隠れさせたまひにしかば、御諡を村上の御門と申す。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:完了「ぬ」連用「に」+「しか」+「ば」。「に+しか+ば」は「〜てしまったので」。「お亡くなりになってしまったので」。最頻出パターン。


Q92.次の傍線部「し」を識別せよ。(平家物語)

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。…おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし

答え:比況の助動詞「ごとし」終止形語尾の「し」(過去「き」ではない) 解説:「ごとし」(比況)は形容詞型活用で、終止形に「し」を含む。過去ではない引っかけ。


Q93.次の傍線部「しか」を識別せよ。(方丈記)

元暦の頃、大なゐふること侍りしかば、よに有り難き事なりき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:丁寧「侍り」連用+「しか」+「ば」。「元暦の頃、大地震がございましたので、世にもまれな出来事だった」。


Q94.次の傍線部「し」を識別せよ。(伊勢物語・芥川)

白玉か何ぞと人の問ひ時露と答へて消えなましものを。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「問ひ」連用+「し」+体言「時」。「『あれは真珠か何か』と人が尋ねた時に」。


Q95.次の傍線部「せ」を識別せよ。(伊勢物語・芥川)

白玉か何ぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを。…あらもあらず、あらすもあらず。

答え:使役「す」未然形「せ」(過去「き」未然形と区別注意) 解説:「あらす」(あらせる、使役)の未然「あらせ」+「ず」。文脈上「ば」を伴わないので過去「き」未然形「せ」ではない。難問。


Q96.次の傍線部「し」を識別せよ。(源氏物語・若紫)

雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠の内に込めたりつるものを。

答え:(過去「し」を含まない、参考問題) 解説:「つる」は完了「つ」連体形。「き」連体「し」との混同に注意。


Q97.次の傍線部「しか」を識別せよ。(大鏡)

入道殿は、…我が御身も、いとよく舞ひたましかば、はやくよりよろづの遊びをもしたまひき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:尊敬「たまふ」連用+「しか」+「ば」。「ご自身もたいそう上手に舞いなさったので」。難関大の藤原道長関連頻出。


Q98.次の傍線部「し」を識別せよ。(源氏物語・桐壺)

朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにや、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚らせたまはず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり。…前の世にも、御契りや深かりけむ、世になく清らなる玉の男御子さへ生まれたまひぬ。

答え:(過去「し」を含まない、参考問題) 解説:「たまひぬ」は完了「ぬ」終止形。識別の引っかけ。


Q99.次の傍線部「し」を識別せよ。(古今集・在原業平)

名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと

答え:副助詞「し」(強意) 解説:「名に+し+負はば」の「し」は強意副助詞。「(その)名を持つというのなら」。難関大頻出の副助詞「し」識別。直前体言「名に」(格助詞「に」付き)で連用形ではない。


Q100.次の傍線部「しか」を識別せよ。(源氏物語・桐壺)

楊貴妃のためしも引き出でつべくなりゆくに、いとはしたなきこと多かれど、かたじけなき御心ばへのたぐひなき頼みにて、まじらひたまふ。父の大納言は亡くなりて、母北の方なむいにしへの人のよしあるにて、親うち具し、さしあたりて世のおぼえはなやかなる御方々にもいたう劣らず、なにごとの儀式をももてなしたまひけれど、とりたててはかばかしき後見しなければ、事ある時はなほよりどころなく心細げなり。…前の世にも御契りや深かりけむ、世になく清らなる玉の男御子さへ生まれたまひにしかば、いつしかと心もとながらせたまひて、急ぎ参らせて御覧ずるに、めづらかなる児の御容貌なり。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:完了「ぬ」連用「に」+「しか」+「ば」。「に+しか+ば」の典型構文。「(玉のような男御子が)お生まれになったので」。源氏物語冒頭・難関大頻出の最重要箇所。


入試レベル編 /20


もっとドリルを解きたい方へ

「誰でも古典塾」では、テーマ別に 35テーマ × 100題 = 3,500題 のドリルを無料配布しています。

👉 古文ドリル一覧ページを見る

👉 古典文法 識別解説の一覧ページを見る

コメント

タイトルとURLをコピーしました