『漢文 入試精選問題集(河合塾SERIES)』を塾長が正直レビュー|句法のあとに効く二次・難関の演習

教材レビュー
本記事はプロモーション(広告)を含みます。紹介する教材は、塾長が古文・漢文の指導の観点から選び、正直に評価したものです。

※当サイトの解説・ドリル・定期テスト対策はすべて無料です。このコーナーは、市販教材についての塾長の正直レビューです。

生徒

生徒先生、漢文の句法(返り点とか「不」「未」みたいなやつ)は一通りやったんですけど、実際の入試問題になると急に解けなくなります。本番に近い問題で練習できる、ちょうどいい問題集ってありますか?
先生

先生いいタイミングですね。そういう「句法は終わったけど実戦が不安」という人には、漢文 入試精選問題集(河合塾SERIES・河合出版)がよく合います。全国の大学入試から良問だけを選び抜いて、やさしい順に並べてくれている演習問題集です。基礎を固めたあと、本物の入試問題で力を試す「最初の一冊」として定番ですよ。

結論:句法を終えた人が、入試問題で実戦力を付けるための演習集

この本は、漢文をこれから始める人の「入門書」ではありません。返り点・再読文字・基本句法といった土台をひと通り終えた人が、実際の大学入試問題で腕試しをするための演習問題集です。全国の入試から選ばれた良問が、やさしい問題から難しい問題へと順番に並んでいるので、句法の知識を「解ける力」に変える橋渡しとして使えます。狙うレベルは標準から応用、つまり国公立の二次試験や難関私大を見すえた人向けです。

基本情報

書名 漢文 入試精選問題集(河合塾SERIES)
出版社 河合出版(河合塾SERIES)
著者 河合塾国語科
シリーズ 河合塾SERIES 入試精選問題集
ページ数 約196ページ(別冊解答つき)
定価 1,015円(税込)※2026年6月時点
レベル 標準〜応用(二次・難関)
塾長のおすすめ度 ◯(句法を終えた人の「実戦の最初の一冊」に)

この本の特徴(中身)

中身は、全国の大学入試から精選した問題(おおむね30題前後)を、やさしい順に配置した構成です。最大の魅力は解説の手厚さ。別冊の解答・解説には、設問の答えだけでなく、本文の解説・書き下し文・現代語訳(全文の口語訳)・解釈のポイント・設問ごとの考え方まで載っているので、答え合わせをして終わりではなく、「なぜその答えになるのか」を一問ずつ確認できます。記述式(自分の言葉で説明させる)問題も相当数含まれているため、マークだけでなく二次の記述対策の入口にもなります。

👍 良い点

  • 本物の入試問題で練習できる。全国の大学入試から選んだ良問だけを集めているので、参考書用に作られた練習問題とは手ごたえが違い、本番の文章量・問われ方にそのまま慣れられます。
  • 別冊解説が非常に丁寧。答えだけでなく、書き下し文・全文の現代語訳・解釈のポイント・設問の考え方まで載っているので、塾や先生に質問できない人でも独学で復習を完結させやすいです。
  • やさしい順に並んでいて挫折しにくい。いきなり難問から始まらず、易しい問題から段階的に難度が上がるので、句法を終えたばかりの人でも一問ずつ自信をつけながら進められます。

🤔 気になる点

  • 句法・基礎の説明はほぼ無い。あくまで「演習」用なので、返り点や基本句法をまだ覚えていない段階で手を出すと、解説を読んでも消化しきれません。先に入門書や句法の参考書を一冊終えておく必要があります。
  • 問題数はそれほど多くない。良問を厳選している分、収録数は絞られています。これ一冊で漢文の演習量をすべてまかなうというより、薄く濃く回す位置づけの本です。
  • 共通テスト“だけ”の人にはやや重い。記述問題も含み、二次・難関私大を意識した作りなので、共通テストのマーク対策が目的なら、マーク式に特化した別の問題集の方が効率的な場合があります。

合う人・合わない人

合う人:句法・基本文法をひと通り終えて、これから国公立二次や難関私大の漢文に向けて実戦演習を始めたい高校生。記述(自分の言葉で説明する問題)の入口を経験しておきたい人にも向きます。独学で、解説を読み込んで自分で復習を完結させたいタイプの人にも合います。
合わない人:まだ返り点・再読文字・基本句法が頭に入っていない漢文の初学者。また、志望校が共通テストのみで記述が不要な人は、マーク式に特化した問題集の方が近道になることがあります。

『得点奪取 漢文(記述対策)』との違い

同じ河合出版の『得点奪取 漢文(記述対策)』は、その名の通り記述・論述に特化した本で、現代語訳や説明問題の「答案の書き方」「採点基準」まで踏み込んで教えてくれます。一方こちらの『入試精選問題集』は、記述も含みつつマーク・記述をひっくるめて入試漢文全体を一通り演習する総合型です。使い分けの目安は、まず本書で入試問題に幅広く慣れ、国公立二次でガッツリ記述が必要な人だけ、仕上げに『得点奪取』で答案の作り込みを鍛える――という二段構えがおすすめです。

おすすめの使い方

  1. ステップ1:先に句法を固める。本書を開く前に、入門書や句法の参考書で返り点・再読文字・基本句法を一周しておく。土台が無いと解説が頭に入りません。
  2. ステップ2:時間を計って1題ずつ解く。やさしい問題から順に、本番のつもりで解答。分からなくてもまず最後まで自力で取り組み、当てずっぽうでも答えを書き切る。
  3. ステップ3:別冊で全文を読み直す。答え合わせのあと、書き下し文と現代語訳を見ながら本文を全部読み直し、間違えた設問は「なぜそうなるか」を声に出して説明できるまで復習する。
先生

先生漢文の演習は「解いた数」より「復習の深さ」で差がつきます。1題終えたら、別冊の現代語訳を見ながら本文を頭から音読し直してください。同じ文章を3回音読すると、句法が“知識”から“感覚”に変わります。新しい問題に進むより、解いた1題をしゃぶり尽くす方が伸びますよ。

塾長の総合評価

読みやすさ ★★★★☆
網羅性 ★★★☆☆
入門のしやすさ ★★☆☆☆
演習・実戦 ★★★★★
総合 ★★★★☆(二次・難関の実戦演習に優秀。ただし句法を終えてから使う本で、初学者には重い。)

塾の現場で見ていても、漢文は「句法は覚えたのに点が伸びない」という生徒がとても多いです。その原因の多くは、覚えた知識を本物の入試問題で使う練習が足りないこと。この本は、まさにそのギャップを埋めるための演習集として完成度が高いです。良問厳選で、別冊解説も独学で復習が完結するレベルに丁寧。一方で、基礎の説明は省かれているので「最初の一冊」にはなりません。句法を終えた人が二次・難関に向けて踏み出す“2冊目以降”の定番として、安心しておすすめできる一冊です。

漢文 入試精選問題集(河合塾SERIES) 表紙

📖 漢文 入試精選問題集(河合塾SERIES)

楽天で見るAmazonで見る

あわせて読みたい(無料)

まとめ

まとめると、『漢文 入試精選問題集』は、句法・基礎を終えた人が国公立二次や難関私大に向けて実戦演習を積むための定番問題集です。良問厳選・解説丁寧で、独学でも回しやすい反面、初学者がいきなり使う本ではありません。まずは句法を固めることが先決。基礎固めの段階の人や、句法の確認から始めたい人は、当サイトで無料公開している漢文の句形・読み方のまとめ教材を一周してから本書に進むと、ぐっと取り組みやすくなりますよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました