古文「参る」の意味と識別|参上する・差し上げる・召し上がるの見分け方

古文 参るの識別 本動詞3用法 古典文法

古文の「参る」は、敬語の識別問題で頻出のテーマです。「参る」は本動詞として使われ、直前の語が目的地なら謙譲「参上する」、差し出す物なら謙譲「差し上げる」、飲食物なら尊敬「召し上がる」と訳し分けます。「〜申し上げる」と訳す補助動詞の働きは、「参る」ではなく別の一語「参らす」(下二段活用)が受け持ちます。

生徒
生徒「参る」って意味がいっぱいあって、いつも訳でつまずきます…。
先生
先生コツはひとつだけ。直前の語を見るんじゃ。目的地・物・飲食物のどれかで訳が決まる。それさえ掴めば「参る」は怖くないぞ。
古典って何くん
古典って何くん

「参る」って「行く」の謙譲?「申し上げる」の謙譲?どっち?

古典の先生
古典の先生

「参る」は本動詞じゃ。目的地なら「参上する」、物なら「差し上げる」、飲食物なら尊敬の「召し上がる」。「申し上げる」の働きは別の語「参らす」の仕事じゃよ。

この記事では「参る」の識別を、最終確認できる早見表 → 全体像をつかむ判別フローチャート → 基本パターンを一覧するSTEP 0 → 本丸のSTEP 1・2(本動詞「参る」と別語「参らす」) → 例文で仕上げる、の順で解説します。

【結論】古文「参る」の識別、これで完結

古文「参る」の識別、これで完結。参るは本動詞:目的地→参上する/差し出す物→差し上げる/飲食物→尊敬・召し上がる。補助動詞「〜申し上げる」は別語「参らす」

「参る」の判別は、直前の語が「目的地・差し出す物・飲食物」のどれかを見るだけ。本動詞の3パターン+別語「参らす」で全て片づきます。

  • 目的地+参る → 本動詞・謙譲「参上する」(例:内裏に参る)
  • 差し出す物+参る → 本動詞・謙譲「差し上げる」(例:御文を参る)
  • 飲食物+参る(主語は貴人) → 本動詞・尊敬「召し上がる」(例:御薬参る)
  • 「〜申し上げる」の補助動詞は別語「参らす」(連用形+参らす。例:思ひ参らす)。「参る」自体に補助動詞の用法はない

「参る」は原則謙譲語で、話し手(または身分の低い者)が動作の対象である貴人への敬意を表します。例外は飲食の場面だけで、このときは貴人の動作を高める尊敬語「召し上がる」になります。

「参る」の識別:判別フローチャート【図解】

判別フローチャート:まず「参る」か「参らす」かを確認。連用形+参らす→補助動詞(〜申し上げる)/参るなら本動詞:目的地→参上する・物→差し上げる・飲食物→召し上がる

まず「参る」か「参らす」かを確認します。連用形に付く「参らす」なら補助動詞、「参る」なら本動詞で、直前の体言が何かで訳が決まります。

  • 連用形+「参らす」の時 → 補助動詞「〜申し上げる」(「参る」とは別の一語)
  • 「参る」の時 → 本動詞。目的地→「参上する」/物→「差し上げる」/飲食物→「召し上がる」

語(参る/参らす)と直前の体言で決まるので識別はシンプル。文脈で迷っても、形でほぼ決まります。

先生
先生迷ったら形からじゃ。文脈で悩む前に、まず「参る」か「参らす」か、次に直前が体言か連用形か。順番に見れば必ず決まる。

【STEP 0】「参る」の基本パターン早見表

STEP 0 『参る』の基本パターン早見表。①本動詞・謙譲(参上する)例「内裏に参る」 ②本動詞・謙譲(差し上げる)例「御文を参る」 ③本動詞・尊敬(召し上がる)例「御薬参る」 +別語「参らす」=補助動詞(〜申し上げる)例「思ひ参らす」

STEP 1・2に進む前に、「参る」の基本パターンを頭に入れておきます。直前を確認すれば、必ずこの①〜③+別語「参らす」のどれかに収まります。

  • ①本動詞・謙譲(参上する):目的地の体言の後。例「内裏に参る」(内裏に参上する)
  • ②本動詞・謙譲(差し上げる):差し出す物の後。例「御文を参る」(お手紙を差し上げる)
  • ③本動詞・尊敬(召し上がる):飲食物の後。例「御薬参る」(お薬を召し上がる)
  • 別語「参らす」=補助動詞(〜申し上げる):連用形の後。例「思ひ参らす」(思い申し上げる)

STEP 1で①〜③の本動詞「参る」を、STEP 2で別語「参らす」を詳しく見ていきます。

【STEP 1】体言+参る=本動詞(参上する/差し上げる/召し上がる)

STEP 1 体言+参る=本動詞「参上する」。目的地・対象を表す体言の後ろに来る!

直前に体言(名詞)が来る「参る」は本動詞です。体言が目的地なら「行く」の謙譲語「参上する」、差し出す物なら「与ふ」の謙譲語「差し上げる」、飲食物(主語は貴人)なら「飲む・食ふ」の尊敬語「召し上がる」と訳します。

  • 訳:参上する/差し上げる(謙譲)。飲食物なら召し上がる(尊敬)
  • 主語:謙譲なら話し手・身分の低い者。尊敬「召し上がる」なら貴人
  • 敬意の方向:謙譲は動作の対象(貴人)へ。尊敬「召し上がる」は動作の主体(貴人)へ

例文:「内裏に参る」(内裏に参上する=参内する)、「御文を参る」(お手紙を差し上げる)、「御薬参る」(お薬を召し上がる)。「に参る」「へ参る」のように目的地を示す格助詞が直前にあれば「参上する」の典型形。

【STEP 2】「〜申し上げる」は別語「参らす」=補助動詞

STEP 2 連用形+参らす=補助動詞「〜申し上げる」。「参らす」は参るとは別の一語(下二段活用)。例:思ひ参らす(思い申し上げる)、待ち参らす(お待ち申し上げる)

「〜申し上げる」と訳す補助動詞の働きは、「参る」ではなく別の一語「参らす」(下二段活用)が受け持ちます。直前が動詞の連用形(思ひ・頼み など)で、続く語が「参らす」なら補助動詞。文全体に謙譲の意を添えて「〜申し上げる」と訳します。「参る」自体に補助動詞の用法はありません

生徒
生徒じゃあ「〜申し上げる」を「参る」って答えたら、間違いなんですね!
先生
先生その通り。補助動詞は「参らす」の仕事じゃ。連用形のあとに来ていたら、まず「参らす」を疑うんじゃぞ。
  • 形:動詞の連用形+参らす(「参る」とは別の一語・下二段活用)
  • 訳:〜申し上げる
  • 主語:話し手・身分の低い者
  • 敬意の方向:動作の対象(貴人)への謙譲

例文:「思ひ参らす」(思い申し上げる)、「待ち参らす」(お待ち申し上げる)など。同じ「〜申し上げる」の働きをする謙譲の補助動詞に「〜奉る」「〜申す」「〜聞こゆ」があります。また「参らす」には本動詞「差し上げる」の用法もあります(御文を参らす)。

例文5選で確認

本動詞「参る」と別語「参らす」の用例を5つの例文で確認します。まず「参る」か「参らす」か、次に直前の語が何かに注目して判定しましょう。

例文1:内裏に参る

正体:本動詞・謙譲 訳:内裏に参上する

直前「内裏に」は目的地を示す体言+格助詞。本動詞「行く」の謙譲語と確定。

例文2:思ひ参らす

正体:補助動詞・謙譲「参らす」(参るとは別の一語) 訳:思い申し上げる

「思ひ」は四段動詞「思ふ」の連用形。連用形+参らすで補助動詞と確定。「参る」ではなく、下二段の一語「参らす」である点に注意

例文3:御前に参る

正体:本動詞・謙譲 訳:御前に参上する

直前「御前に」は体言+格助詞。本動詞と確定。

例文4:御薬参る

正体:本動詞・尊敬 訳:お薬を召し上がる

直前「御薬」は飲食物。主語は貴人で、「飲む」の尊敬語「召し上がる」と確定。謙譲ではなく尊敬である点に注意

例文5:御文を参らす

正体:本動詞・謙譲 訳:お手紙を差し上げる

「参らす」は学校文法では下二段活用の一語の謙譲動詞として扱います(参らせ/参らせ/参らす/参らする/参らすれ/参らせよ)。語源的には「参る+使役の『す』」から生じた語ですが、現代の高校文法では一語の動詞として整理します。本動詞は「差し上げる」、補助動詞は「〜申し上げる」と訳します。

よくある誤解・ミスポイント

「〜申し上げる」の補助動詞を「参る」と答えない

「参る」自体に補助動詞の用法はありません。「〜申し上げる」と訳す補助動詞の働きは、別の一語「参らす」(下二段活用)が受け持ちます(思ひ参らす・待ち参らす)。識別問題で「〜申し上げる」の補助動詞を問われたら、「参らす」「奉る」「申す」「聞こゆ」の中から答えましょう。

「参る」の意味は「行く」だけではない

「参る」は「行く」の謙譲だけでなく、「与ふ」(与える)の謙譲として「差し上げる」の意味でも使われます。直前の体言が目的地なら「参上する」、差し出す物なら「差し上げる」と訳し分けます。

「参り給ふ」など重なった敬語に注意

「参り給ふ」のように「参る」のあとに尊敬「給ふ」が続くと、謙譲+尊敬の二重敬語になります。話し手が、貴人が貴人に対して参上する動作を、その貴人に敬意を払いつつ謙譲表現で描く、というやや複雑な構造です。

「飲む/食ふ」の意味の「参る」もある

「参る」は「飲む/食ふ」の尊敬語(召し上がる)としても使われます(早見表の③)。「御薬参る」(お薬を召し上がる)、「御酒参る」(お酒を召し上がる)など。これは謙譲ではなく尊敬で、敬意は動作の主体(召し上がる貴人)に向かいます。

テスト直前|「参る」3秒チェックリスト

  • □ 語は「参らす」(連用形の後)? → 補助動詞(〜申し上げる)。「参る」とは別の一語
  • □ 「参る」の直前が目的地? → 本動詞・謙譲(参上する)
  • □ 「参る」の直前が差し出す物? → 本動詞・謙譲(差し上げる)
  • □ 「参る」の直前が飲食物(主語は貴人)? → 本動詞・尊敬(召し上がる)
  • □ 敬意の方向:謙譲は動作の対象へ/尊敬「召し上がる」は動作の主体へ

なぜ「参る」は謙譲にも尊敬にもなるのか

「参る」を難しく感じるのは、謙譲語にも尊敬語にもなるからです。ここをすっきり整理しておきましょう。もともと「参る」は、身分の低い者が高貴な所へ「進み行く」という動作を、へりくだって表す言葉でした。そこから、貴人のいる場所へ「行く・来る」を低めて言う「参上する」、貴人のもとへ物を進める「差し上げる」という二つの謙譲の意味が生まれます。どちらも「貴人の方へ進める」という共通のイメージでつながっています。

いっぽう「召し上がる」は、貴人の前に食べ物・飲み物が「進め置かれる」場面から、貴人がそれを口にする動作そのものを高めて言うようになったものです。つまり同じ「参る」でも、動作するのが誰かで性質が変わります。へりくだる動作(行く・差し上げる)の主語は身分の低い者、高める動作(召し上がる)の主語は貴人です。主語をつかめば、謙譲か尊敬かは自然に決まります。

  • 主語が身分の低い者 → 謙譲(参上する・差し上げる)。敬意は動作の対象(=貴人)
  • 主語が貴人 → 尊敬(召し上がる)。敬意は動作の主体(=貴人)
  • 迷ったら「直前の語が飲食物か」を確認。飲食物なら尊敬「召し上がる」

原文で読む「参る」の用例

実際の古文では、「参る」がどんな形で出てくるのでしょうか。代表的な型を、一節とその現代語訳でつかんでおきましょう。文の意味を取りながら、直前の語に必ず目を向けるのがコツです。

①「参上する」型

原文の一節:「明けぬれば、急ぎて宮に参る。」
現代語訳:夜が明けたので、急いで宮中へ参上する

直前の「宮に」が目的地を示しています。「〜に参る」「〜へ参る」のように、場所を表す体言+格助詞「に・へ」が前にあれば、「行く・来る」の謙譲「参上する」と判断できます。なお、宮中(内裏)へ参上することは特に「参内(さんだい)」とも言います。

②「差し上げる」型

原文の一節:「をかしき花を折りて、姫君に参る。」
現代語訳:美しい花を折って、姫君に差し上げる

ここでは「花を」という差し出す物が前に来ています。物を表す体言+「を」のあとに「参る」が来たら、「与ふ」の謙譲「差し上げる」です。同じ「に」でも、①は到達点(場所)を示す「に」、②は受け手(人)を示す「に」である点に注意しましょう。物が文中にあるかどうかで見分けます。

③「召し上がる」型

原文の一節:「上、御湯漬けなど参る。」
現代語訳:帝が、お湯漬けなどを召し上がる

主語が「上(=帝)」という貴人で、直前が「御湯漬け」という飲食物です。この場合は尊敬「召し上がる」。敬意は召し上がる帝へ向かいます。なお「参る」には、貴人のために髪を整える・着付けをするなどの動作を高めて「お〜になる」と訳す用法もありますが、入試で中心に問われるのは①〜③の三つです。

④別語「参らす」型

原文の一節:「いつしかとのみ待ち参らす。」
現代語訳:早く(お会いしたい)とばかりお待ち申し上げる

「待ち」は動詞「待つ」の連用形。その後ろの「参らす」は、本動詞「参る」とは別の一語(下二段活用)で、ここでは補助動詞「〜申し上げる」として働いています。連用形+「参らす」の形を見たら、まず補助動詞を疑いましょう。

いっしょに覚えたい「与ふ・行く・飲食」の敬語

「参る」をしっかり身につけるには、同じ意味グループの敬語もセットで整理しておくと一気に得点力が上がります。下の表で、ふつうの言い方(普通語)と敬語の対応を確認しましょう。

  • 行く・来(=参上する)の謙譲:参る/まうづ(詣づ)。対になる尊敬は「おはす・おはします」
  • 与ふ(=差し上げる)の謙譲:参る/奉る(たてまつる)/参らす
  • 飲む・食ふ(=召し上がる)の尊敬:参る/聞こし召す(きこしめす)/召す
  • 「〜申し上げる」の補助動詞:参らす/奉る/申す/聞こゆ

とくに「奉る」は「参る」と並んで重要で、本動詞「差し上げる」、補助動詞「〜申し上げる」のほか、衣服・飲食物では尊敬「お召しになる・召し上がる」の意味にもなります。「参る」「奉る」はどちらも謙譲と尊敬の両方を持つ多義の敬語、と覚えておくと混乱しません。

入試・定期テストでの問われ方

「参る」は敬語の中でも頻出です。出題のされ方には決まったパターンがあるので、先に知っておきましょう。

  1. 口語訳(現代語訳):傍線部の「参る」を訳させる。直前の語を見て「参上する/差し上げる/召し上がる」を選ぶ
  2. 敬語の種類:謙譲語か尊敬語かを答えさせる。飲食物の場面だけが尊敬
  3. 敬意の方向:「誰から誰への敬意か」。地の文なら作者から、会話文なら話し手から、動作の対象(謙譲)または主体(尊敬)
  4. 本動詞か補助動詞か:「参る」は本動詞のみ。連用形+「参らす」なら補助動詞

「敬意の方向」の問題では、まず文が地の文か会話文かを見ます。地の文の敬語は作者(書き手)からの敬意、会話文の敬語はその会話を話している人からの敬意です。そのうえで、謙譲なら動作の受け手へ、尊敬なら動作をする人へ向かう、と二段階で考えると確実です。

ミニ練習問題(解答つき)

ここまでの内容が身についたか、5問で確かめましょう。それぞれの傍線部「参る/参らす」の正体(本動詞か補助動詞か・謙譲か尊敬か)と訳を考えてください。

先生
先生ここまで来たらもう大丈夫。直前の語に目を向ける——この一手だけで「参る」は得点源になる。落ち着いて5問、解いてごらん。
  1. 大臣、内裏に参る
  2. うつくしき扇を、女御に参る
  3. 君、御粥など参る
  4. かしこく頼み参らす
  5. 御文を参らす

解答

  1. 本動詞・謙譲「参上する」。直前「内裏に」は目的地。訳:大臣が、内裏に参上する。
  2. 本動詞・謙譲「差し上げる」。直前に「扇を」という差し出す物がある。訳:美しい扇を、女御に差し上げる。
  3. 本動詞・尊敬「召し上がる」。直前「御粥」は飲食物で主語は貴人。訳:君が、お粥などを召し上がる。
  4. 補助動詞・謙譲「〜申し上げる」。「頼み」は連用形+別語「参らす」。訳:たいそう頼み申し上げる。
  5. 本動詞・謙譲「差し上げる」。別語「参らす」の本動詞用法。訳:お手紙を差し上げる。

4と5はどちらも「参らす」ですが、4は連用形(頼み)の後ろなので補助動詞、5は物(御文を)の後ろなので本動詞です。同じ「参らす」でも、直前が連用形か体言かで本動詞・補助動詞が分かれることを、ここでしっかり押さえましょう。

よくある質問(Q&A)

Q. 「参る」と「参らす」はどう見分ければいいですか?

A. まず語の形そのものを見ます。「参る」(四段活用)なら必ず本動詞、「参らす」(下二段活用)なら本動詞「差し上げる」か補助動詞「〜申し上げる」のどちらかです。「参らす」のときは直前が連用形か体言かでさらに分けます。連用形+参らす=補助動詞、体言(物)+参らす=本動詞です。

Q. 「召し上がる」だけ尊敬なのが覚えにくいです。

A. 「参る」は原則は謙譲、飲食の場面だけ尊敬と覚えてください。判断のカギは「直前が飲食物か」と「主語が貴人か」の二つ。御薬・御酒・御粥・御湯漬けなど、口にする物が前にあって、主語が帝や姫君などの貴人なら、尊敬「召し上がる」です。それ以外はすべて謙譲、と整理すると迷いません。

Q. 「参る」の敬意は誰に向かいますか?

A. 謙譲のとき(参上する・差し上げる)は動作の対象である貴人へ、尊敬のとき(召し上がる)は動作をする貴人へ向かいます。さらに「誰からの敬意か」は、地の文なら作者から、会話文ならその話し手から、と考えます。

総まとめ|「参る」攻略の最終確認

最後に、この記事の要点をもう一度整理します。「参る」は本動詞で、直前の語を見れば訳が決まります。目的地なら「参上する」、差し出す物なら「差し上げる」(ここまで謙譲)、飲食物なら尊敬の「召し上がる」。そして「〜申し上げる」と訳す補助動詞は、別の一語「参らす」(下二段活用)の仕事でした。

判別の手順はいつも同じです。①語が「参る」か「参らす」か → ②直前が連用形か体言か → ③体言なら目的地・物・飲食物のどれか。この三段階を頭の中で回せば、初めて見る文でも正しく訳せます。例文を声に出して読み、「直前の語の形 → 意味」という反応を体にしみこませてください。「参る」「奉る」など同じ仲間の敬語もあわせて押さえれば、敬語の識別問題は大きな得点源になります。

生徒
生徒「直前の語を見る」だけでいいなら、もう迷わなさそうです!
先生
先生その意気じゃ。あとは下のドリルで数をこなせば、本番でも自然と手が動くようになる。焦らず一問ずついこう。

まとめ|「参る」は直前の語で見抜く

「参る」の識別は、直前の体言が「目的地・差し出す物・飲食物」のどれかに尽きます。目的地なら「参上する」、物なら「差し上げる」(ここまで謙譲)、飲食物なら尊敬の「召し上がる」。そして「〜申し上げる」と訳す補助動詞の働きは、別の一語「参らす」(下二段活用)が受け持ちます(思ひ参らす)。

「参る」は原則謙譲で、例外は飲食の尊敬「召し上がる」だけ。「御薬参る」「御酒参る」のケースと、「参る」と「参らす」が別の語であることまで押さえれば、識別は完成です。

例文を声に出して読み、「直前の語の形→意味」の反応を体に染み込ませてください。本番でも迷わず得点できるようになります。

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