【図解あり】古文「に」の識別が一瞬で分かる!助動詞・助詞の見分け方完全整理

古典文法

古文の「に」は、助詞・助動詞・活用語尾と用法が多く、受験生が最も混乱しやすい語の一つです。しかし、入試で問われる「に」は実は限られており、判断する順番さえ決めてしまえば迷う必要はありません

この記事では、古文の「に」を図解で整理し、完了・断定を中心に、一瞬で識別できる考え方を解説します。

にの識別が一瞬で分かるフローチャート

古文の「に」は、受験生が最も混乱しやすい語の一つです。
助詞なのか、助動詞なのか、それとも活用語尾なのかが分かりにくく、「にが出てきた時点で思考停止してしまう」という人も少なくありません。

ただし、安心してほしいのは、入試で問われる「に」のパターンは実はかなり限られているという点です。すべての「に」を完璧に識別する必要はなく、頻出の型だけを確実に押さえれば十分に得点源になります

この記事では、古文の「に」を次の順番で整理していきます。

まず最初に確認するのは、
連用形+に+過去・完了の助動詞という形です。
この場合の「に」は、完了の助動詞「ぬ」の連用形である可能性が非常に高く、最優先で判断すべきポイントになります。

次に見るべきなのが、
体言・連体形+に+あり・侍りといった形です。
この場合は、断定の助動詞「なり」の連用形としての「に」が疑われます。

それ以外に、文と文をつなぐ働きをする接続助詞の「に」
語と語の関係を表す格助詞の「に」がありますが、出題頻度や重要度は下がります。

さらに、「に」は助詞ですらなく、
形容動詞や副詞、ナ変動詞の活用語尾の一部として現れることもあります。
特に形容動詞の「に」は、受験でよく問われるため注意が必要です。

完了の助動詞「ぬ」の連用形「に」―「過去完了セット」で見抜く―

古文で「に」が出てきたとき、最優先で疑うべきなのが完了の助動詞「ぬ」の連用形です。
なぜなら、この用法は出題頻度が非常に高く、しかも形でほぼ機械的に判断できるからです。

判断のポイントは単純で、
連用形+に+過去・完了の助動詞という並びになっているかどうかを確認します。

具体的には、次のような形です。

「にけり」
「にき」
「にし」
「にたり」

このように、「に」の直後に
けり・き・し・たりといった過去や完了を表す助動詞が続いている場合、
その「に」は助詞ではなく、完了の助動詞「ぬ」の連用形と判断しましょう。

この用法は、共通テストや私大入試でも頻出で、
「に」を見たらまずここを確認するという習慣をつけるだけで、
古文の品詞識別は一気に安定します。

ただし、「死にけり」「往にけり」は、ナ変+過去の助動詞「けり」であり、完了の助動詞「に」ではないので注意しましょう。

断定の助動詞「なり」の連用形「に」―体言・連体形+に+あり―

「に」が完了の助動詞「ぬ」ではなさそうな場合、次に確認するのが
断定の助動詞「なり」の連用形としての「に」です。
この用法も、入試では非常によく問われます。

判断の出発点は、
体言・連体形+に
という形になっているかどうかです。
名詞や連体形の直後に「に」が置かれている場合、「なり」の可能性が一気に高まります。

そして決定打になるのが、そのあとに続く語です。
「に」の直後に、

あり
侍り

といった補助動詞(存在するという意味ではない)が続く場合、その「に」は
断定の助動詞「なり」の連用形と判断してほぼ間違いありません。

中でも特に重要なのが、「にやあらむ」という形です。
これは、

に(断定の助動詞「なり」の連用形)
や(係助詞)
あらむ(推量の助動詞)

が組み合わさった表現で、
「〜であろうか」「〜なのだろうか」といった意味になります。

この「にやあらむ」は非常に頻出で、
入試では形を見ただけで即判断できるようにしておきたい表現です。
なお、「にやあらむ」は、
「にや」だけの形で省略されることもあるため、ここも要注意ポイントになります。

接続助詞・格助詞の「に」―文や語をつなぐ「に」は深追いしない―

完了の助動詞「ぬ」や断定の助動詞「なり」に当てはまらない場合、
次に考えるのが、文や語をつなぐ働きをもつ「に」です。
このタイプの「に」には、接続助詞と格助詞の用法があります。

接続助詞の「に」は、連体形のあとに続き、文と文をゆるくつなぐ役割を果たします。
意味は一語にかかるのではなく、後ろの文全体に及ぶのが特徴です。

形は連体形+にとなることが多く、断定の「に」と見分けにくい場合があります。
ただし、「に」の直後に「あり・侍り」が来なければ、断定の助動詞である可能性は低くなります。

一方、格助詞の「に」は、
動作の向かう先や、存在する場所、対象など、語と語の関係を表します。
現代語の「に」と近く、意味的に自然に読めるのが特徴です。

接続助詞・格助詞の「に」は、
入試で細かく識別されることはほとんどありません。
深追いせず、まずは完了と断定の「に」を確実に判断することが重要です。

実は助詞じゃない「に」―形容動詞・副詞・ナ変に注意―

古文では、「に」という文字が見えても、
それが必ず助詞とは限りません。
活用語の一部として現れている「に」も存在し、
ここを助詞だと思い込むと、品詞識別で大きくつまずきます。

まず押さえておきたいのが、
ナリ活用形容動詞の連用形としての「に」です。
「静かに」「心細げに」などの「に」は、
形容動詞の連用形の活用語尾であり、助詞ではありません。

この用法は、入試でも頻出で、
「に」を見た瞬間に形容動詞の可能性を必ずチェックする
という習慣が重要になります。

見分け方としては、
「に」を取っても文の骨格が崩れないか、
あるいは「だ」「なり」を補えるかどうかを考えると判断しやすくなります。

次に、副詞の一部としての「に」があります。
代表例が「いかに」です。
この場合の「に」は単独で機能しているのではなく、
語全体で一語の副詞として扱います。

また、ナ変動詞の連用形語尾としての「に」も存在します。

まとめ|受験で狙われる「に」と、ほぼ出ない「に」

古文の「に」には多くの用法がありますが、
すべてを同じ重さで覚える必要はありません
入試では、狙われる「に」と、ほとんど問われない「に」がはっきり分かれています。

まず、最優先で押さえるべきなのが、
完了の助動詞「ぬ」の連用形としての「に」です。
「にけり」「にき」「にし」「にたり」といった形は、
私大・共通テストを問わず頻出で、
識別できるかどうかが得点に直結します。

次に重要なのが、
断定の助動詞「なり」の連用形としての「に」です。
体言・連体形+に+あり・侍り、
特に「にやあらむ」「にや」といった表現は、
見た瞬間に判断できるレベルまで仕上げておきたいところです。

この二つが確実にできていれば、
古文の「に」に関する品詞識別問題の大半は処理できると言ってよいでしょう。

また、忘れてはいけないのが、
形容動詞の連用形としての「に」です。
これは助動詞ではないにもかかわらず、誤認しやすく、しかも出題頻度が高いため、
必ずチェック対象に入れておく必要があります。

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